1.インプラントができない人はどんな人ですか?
インプラントをすることがきでない人は残念ながらいらっしゃいます。
インプラント治療ができない理由として
(1) |
歯周病、歯槽膿漏の治療をしていない |
(2) |
糖尿病である |
(3) |
高血圧 |
(4) |
上記以外にも全身疾患を患っている |
などが挙げられます。
これらは、しっかり治療し、全身疾患のコントロールできれば大抵の場合、インプラント治療を受けることが可能です。全身疾患はかかりつけの医師と相談しながら、インプラント治療を行うことが多いです。
よくあるケースとして骨がないからインプラント治療ができないと言われインプラントを諦めている患者様がいます。骨はつくることが可能です。そう言われてインプラント治療を諦めている患者様はセカンドオピニオンを受けにいくことをおすすめします。
2.何歳までインプラントはできますか?
インプラント治療は実は何歳になってもできる治療です。年齢的にインプラント治療ができないことはありません。健康でありさえすればできる治療です。
一般的に高齢になるにしたがって色々な全身的な問題などが生じますが全身疾患も医科と相談しながら治療を行います。コントロールさえできれば大抵は行うことが可能です。
インプラント大阪では80歳ですべてインプラントをして、毎日美味しいものを食べている方もいらっしゃいます。すなわち年齢的にインプラントができないということはありません。
3.インプラントは一生もちますか?
インプラントの歴史はまだ約50年ほどです。よって一生というものが何年を意味するのかで考え方は変わってきます。
昨今の世界的な論文ではインプラントの10年生存率は90%を超えてきております。10人いれば9人は10年間、口の中にあるということを意味します。もちろん20年、30年しっかりと噛めている大勢いますが、そうでない人も中にはいます。
インプラントを失う一番の理由はインプラントタイテスといって簡単にいうとインプラントの歯周病です。インプラントは虫歯になりませんが歯周病に弱く自分の歯よりも歯周病にかかりやすいのです。
すなわち、インプラント治療はすれば終わりではなく、治療後も定期的なメンテナンスが必要で歯周病にならないようにすることを理解しておく必要があります。また、噛み合わせもインプラントの長持ちには必須なので定期的に通院して調整してもらいましょう。
4.インプラントはやり直せますか?
インプラントを失う一番の原因をご存知でしょうか?インプラントが脱落してしまう一番の理由が歯周病です。歯周病は骨がなくなる病気であり、インプラント歯周病は支える骨を失ってしまうのです。インプラントは虫歯にはなりませんが歯周病に非常に弱く自分の歯よりも歯周病の治療を行う必要があります。
インプラントはやり直すことが可能です。やり直す方法は失った骨を回復させることです。GBRといってインプラントを支える骨を増やす技術があります。それを上手に行える歯科医師を見つけることは非常に難しいことでもあります。
また、インプラントを歯周病から守る歯茎を移植する技術(FGG)という技術もあります。それらの技術があればインプラントを長持ちさせるのに非常に有効です。それらの技術を上手に行える歯科医師を見つけることをお勧めします。
5.インプラント長持ちの秘訣
インプラントを長持ちさせるにはまずインプラントを失う理由を知っておく必要があります。
インプラント失う理由は
① |
インプラントの歯槽膿漏、歯周病(インプラントタイテス) |
② |
インプラントにかかる過度の噛む力によるオーバーロード |
この2つが重要です。
これらを防ぐことがインプラントを長持ちさせる秘訣となります。
それでは、実際に上記のインプラントを失う理由を減らすにはどのようにしたらよいのでしょうか?
(1) 定期的に歯周病予防のため歯科医院でのメンテナンスを受ける。
インプラントは歯周病に弱く天然の歯よりも歯槽膿漏にかかりやすいのです。定期的に歯石やクリーニングへいきましょう。理想は3−4ヶ月に一回です。
(2) 噛み合わせの調整が非常に重要
天然歯は歯根膜という繊維で釣られている状態であり、それらがクッションの役割となり過度の力を和らげる機能があります。一方、インプラントは骨に癒着しており、そのようのクッションは無くダイレクトに力が骨に伝わります。よって、噛み合わせをしっかり調節しておかないと、インプラントに過度の力が加わり骨との結合がなくなってしまう場合があります。
(3) 良い歯茎(角化歯肉)をインプラントの周りに獲得
歯茎には角化歯肉と粘膜の二種類があります。角化歯肉はわかりやすくいうと鱗のように硬く、歯ブラシの際も痛みを軽減し、インプラントの感染リスクを減らします。FGG(遊離歯肉移植術)という手技を行うとインプラントの周りにその歯茎を獲得できますが、歯科医師の技量によってできる場合とできない場合がありますので相談することをオススメします。
6.インプラントのメリットはなんですか?
インプラント治療のメリットをお伝えします。
(1) |
インプラントは残った歯を削らなくて良い。ブリッジは前後の歯を削る。 |
(2) |
インプラントは入れ歯と比べてよく噛める。 |
(3) |
インプラントは歯が増えるので噛む力を分散でき残った歯を守る |
(4) |
インプラントは虫歯にならない |
インプラントとブリッジの比較(もしくは入れ歯との比較)
(1) |
ブリッジは2本の土台で3本(もしくはそれ以上の歯)を使用し一本の力の負担が大きくなる。また、土台が一本悪くなると3つの歯を外さないといけなくなる。
インプラントだと悪くなった歯のみをインプラントで入れ替えることができる。 |
(2) |
入れ歯のような違和感はなく、自分の歯と遜色なく噛め、見た目も良い。 |
インプラントのデメリットもあります。
(1) |
インプラントは保険が効かない |
(2) |
インプラントは手術が必要である |
(3) |
インプラントは歯周病に弱い |
(4) |
インプラントは虫歯にはならないが、土台となる骨がないとできない。 |
このように色々なメリットとデメリットがあります。
自分にあった治療方法を考え、歯科医師に相談してみましょう。
7.インプラントの口コミの情報をどこまで参考にして良いですか?
「インプラント口コミ」と調べるとたくさんのインプラントについての口コミ情報が出てきます。インプラントを体験した患者様からの情報になりその人の感想が文章になっています。
ここで注意して頂きたいのが、あくまでも個人の感想だということです。
特に「インプラント口コミ」となると、歯を失ってインプラントをした人の感想となります。歯を失った理由、そして今の骨の状況や歯茎の状態、全身状態などによってそのインプラント手術の難易度は様々です。
簡単なインプラント手術になると1時間もかかりませんが(歯科医師の技量にも寄りますが)、インプラント埋入と同時に骨を足したり歯茎を足したりするとインプラント手術時間は数時間に及びます。また同時にインプラントを何本埋入するかも時間に大きく関わってきます。骨を足したりインプラントの本数が多い患者さまの場合、インプラント口コミは「時間がかかって後で腫れた」となる事があります。これは侵襲が大きくなるので仕方がない場合が多いです。
画一的な商品やサービスの提供ではなく、かなり多くの要素が入り乱れた条件となるので、インプラント口コミは一つの参考材料にとどめておき、今までその先生がどのようにインプラントに携わってきたか、どのようにインプラントを勉強し、経験をしてきたかをじっくり検証することをオススメします。
あくまでも一つの意見として参考にして頂けると幸いです。
8.インプラントのための骨造成ってなんですか?
インプラントのために骨を作ることを骨誘導再生法といい、英語でGBR(Guided Bone Regeneration)と言います。
骨がないとインプラントはできませんが、歯周病で歯を失った人は大抵骨が大幅に減少しております。よって、インプラントを支えるのに必要な骨を作る必要があります。
インプラントの骨を作る方法
① |
歯茎をあけて骨補填材と呼ばれる骨を添加します。 |
② |
場合によってはインプラントと同時に骨も足すことができます。 |
③ |
骨を足した場合はメンブレンと呼ばれる膜で覆います。膜の種類にはチタンメンブレンや吸収性、非吸収性のメンブレンなど様々です。 |
④ |
減張切開と呼ばれる歯茎を伸ばす手技をする場合もあります。 |
⑤ |
骨が固まるまで6〜8ヶ月ほど待ちます。(骨の量により待つ期間は異なります。) |
このようにインプラントに必要な骨を足します。
このGBRという方法は少し難易度が高い手技となるので、歯科医師の技量によってはできない場合があります。インプラントができないと言われた方はインプラントのセカンドオピニオンを受けることをオススメします。
9.インプラントをするとMRIを受診できなくなると聞いたのですが本当ですか?
MRIを行う際に、禁忌となるのは磁気を帯びたものが体内に存在することです。しかし、インプラント自体に磁気はなく、MRIには何の支障はないので心配はありません。
ただし、注意して頂きたい例外があります。それは、インプラントの先に金属を付与し磁石で入れ歯などをくっつけるタイプのものは注意が必要です。
大抵は入れ歯部分に磁力の部分を付与しているので、入れ歯さえ外しておけばMRIを受けることはできます。しかし、インプラントの金属部分が磁気を帯びてしまう場合があります。その場合は上のアバットメントと呼ばれる土台の部分を外してからMRIを受診することをオススメします。大抵はその部分を別のキャップに交換できると思いますのでインプラント治療された医院へ言って交換してもらえれば問題ないと思います。(インプラントを抜く必要は全くありません。)
10.インプラントは子供でもできるのですか?
子供のインプラントで注意が必要なのは顎の成長です。歯の根の成長とともに、顎も成長途中なので、歯の位置が変わってしまいます。
インプラントは基本的に骨と結合し歯根膜という歯に繊維状の構造物もないため、あとで動かすことができません。すなわち矯正治療によってインプラントは全く動きません。よって、インプラントをする時期としては、完全に成長が止まったと判断できる時期まで待ってからにしましょう。
男女によっても成長が異なるため一概には言えませんが、定期的に身長などを測定し変化しなくなればインプラント手術を行って良いと思います。
11.インプラントが外れた
インプラントが外れてきた場合3つの場合が考えられます。
(1) |
インプラントの上の被せものだけがとれてきた |
(2) |
インプラントのアバットメントと呼ばれる土台の部分から外れてきた |
(3) |
インプラント本体が骨との結合がなくなり外れてきた場合 |
上の被せ物やアバットメントが外れてきた場合の原因はセメントの漏洩により接着が無くなってしまったか、もしくはインプラント本体と上の被せ物とをねじ止めしていたネジが緩んだか、もしくは破折してしまったかによるものだと考えられます。よって(1)(2)の原因であるのなら、再び手術をしなくても上の被せ物の型取りをすれば大丈夫です。
少し大変になるのは原因が(3)の場合です。すなわちインプラントが外れてきた理由がインプラント本体が骨から外れてしまった場合です。
これはインプラント周囲の骨が減ってしまった可能性が高く再びインプラント本体を除去し、場合によっては骨造成を行い再びインプラント手術をしなくてはなりません。このときの症状としては、グラグラする以外に嚙むと痛いという自覚症状がある場合が多いです。
外れてしまったこと自体は大変なことですが、自分の歯ならばやり直すことはできませんが、インプラントはやり直すことが可能です。そのときは大変なことだと思いますが、もう一度しっかり骨造成を行いしっかり噛めるように頑張りましょう。
あと、もう一つ原因として、インプラント本体が破折しているときも稀にあります。このときは(3)のときと同様にインプラントを除去しもう一度インプラント手術をする必要があります。
12.インプラントがグラグラする
インプラントがグラグラする理由は2つ考えられます。
(1) |
上の被せ物(土台を含む)が外れてきている場合 |
(2) |
インプラント本体が骨との結合がなくなり浮いている状態 |
(1)の場合はインプラントがグラグラする理由が被せ物の破折なのか、もしくは被せ物とインプラント本体とを止めるネジが緩んでいる場合、もしくは折れている場合が考えられます。これらの理由の場合は被せ物だけのやり直しだけですみ再びインプラント手術をする必要はありません。
(2)の場合はもう一度インプラント手術をする必要があります。そしてこの原因のときは嚙むと痛いという症状がある場合が多いです。インプラントがグラグラするということは周りの骨が無くなっていることを意味し、まずはインプラントを除去し、場合によってはもう一度、インプラントを支える骨を増やすGBRという骨造成の手術を行った後にインプラントを再び埋入する必要があります。
インプラントが外れたこと自体は不幸なことですが、自分の歯ではできない、もう一度インプラントを入れて噛めるようになることは可能です。インプラントの周りの骨が無くなった原因があるならば(大抵はインプラント周囲炎のことが多いです。)、今度はそうならないように気をつけましょう。
13.インプラント痛み
インプラントの痛みについてよく質問されます。そういった方への説明としては、『歯を抜いたことはありますか?そのときの痛みに似ており、場合によっては歯を抜くよりも痛くないですよ』とお答えしております。
その理由として
① |
インプラントを入れる穴は歯よりも小さい |
② |
膿んでいる歯を抜くわけではないので、インプラントを入れる骨は健康な状態なので治癒も早い |
③ |
そもそも骨自体に痛覚はないので神経に気をつけることが重要なことを抑えれば大丈夫 |
当院のインプラント手術を受けられた患者様は思っていたよりも全然楽だったと皆さんおっしゃってくれます。
では、なぜインプラントが痛いというイメージがついているのでしょうか?
インプラントの痛みを少なくする方法はあります。それらをしっかりと理解している歯科医師にインプラントをして貰えば大丈夫です。
インプラントを痛くなく治療する方法は主にドクター側の手技によるところが大きいです。
① |
インプラント部位に麻酔をしっかりと効かせる |
② |
歯茎を綺麗に開き、そして綺麗に縫合する |
③ |
よく切れるドリルを使う(切れないドリルを使用すると熱が生じ骨が壊死してしまう場合があります。) |
④ |
ドリルの操作を手早く行う |
⑤ |
骨を乾燥させすぎない |
などが挙げられます。
また、インプラント治療を行う前に歯周病治療などをしっかりと行っておくことも治癒を良好に行われるには非常に重要なことです。
痛みが大きくなる場合としては、インプラントを行うときに人工の骨を足すときです。そのときは、やはり自分の体とは違う異物を入れるので、多少腫れや痛みを伴う場合があります。それも減張切開などの際のメスさばきなど色々な注意点を考慮すれば極力痛み腫れを減らすことが可能です。
痛みと腫れは歯科医師の技量によるところが大きいのです。迷われている方はインプラントのセカンドオピニオンを受けられてみてはいかがでしょうか?
14.安いインプラントについて
インプラントの料金を決定する際の要因としては
① |
インプラント本体を値段の安いメーカーを選択する |
② |
上の被せ物を安い技工所に作ってもらう |
③ |
多くのインプラントを大量にすることによって、大量発注し値段を下げる |
①についてですが、インプラントの種類です。
世界的に最も使用されているストローマンインプラントは(インプラント大阪もこのインプラントと主に使用しております。)は確実なエビデンス(証拠)に基づき長期的な安定性を実現しております。そのようなインプントを使用せずに安さを追い求めるインプラントを使用している医院もありますのでご注意ください。
②インプラント上の被せ物ですが、これは技工士の技術によって全く異なる値段となります。
インプラントの被せ物は一人一人オーダーメイドの作品であり、いわば職人が色、形、そして噛み合わせを考慮し作製するのです。それは作る人によって値段が異なるのは当然であり、安い技巧代のところは安い給料の技工士が作製するのはあたり前となります。安い給料の技工士はやはり腕もそれに見合ったものとなります。
③インプラントを大量に埋入するということは一人にかける時間が減るということです。やはり丁寧さなどにも時間に関係してきます。
しかし、ここに関しては最近、デジタル歯科治療といって、デジタル技術を駆使すれば、インプラント手術や治癒期間が短くなってきています。デジタルの恩恵は歯科界でも進んできております。
安いインプラントの理由は色々あります。また、歯科医師の技術もインプラントに関してはかなり違ってきます。やはり技術力の高い歯科医師はそれなりに高くなります。
体の中に入る半永久的なインプラントは安い値段にこだわるのではなく、真に体にあったインプラントを選択して頂きたいです。
15.金属アレルギーとインプラントアレルギーについて
・インプラントは『チタン』でできている
インプラントのパーツは大きくわけて二つの部分に分かれます。まず一つは骨の中に入るインプラント体(フィクスチャー)と呼ばれる部分と噛む部分の上部構造という部分です。この体の中に入るインプラント体と言われるパーツは大部分がチタンでできております。
・インプラントのチタンは生体親和性が非常に良い
チタンという金属は非常に生体親和性がよく、整形外科などでは、人工関節や骨折の際のボルトなどに普通に使用されております。金属アレルギーの中でもチタンは非常にアレルギー症状がでにくい金属です。
・まれにインプラントで金属アレルギー症状がでる人がいるのも事実
本当にごくまれにインプラントのチタンにアレルギーを起こす人がいるのも事実です。チタンの血液検査を行っているところはまれですが、パッチテストや実際に歯科で使用されているチタンを皮膚に押し当てて検査することはできます。仮にインプラントを埋入してインプラントアレルギーが発覚した場合は除去する方法をとります。
・ジルコニアインプラント
世界的にはジルコニアインプラントは少しづつ普及してきています。それは、金属アレルギーの人もインプラント治療を強く望む声が多くあるからです。当院でもジルコニアインプラントを患者様の同意のもと輸入し使用することもあります。ジルコニアインプラントは多くあります。 ご興味のある方はまずはご相談に来られてみてはいかがでしょうか?
16.ジルコニアインプラントについて
ジルコニアインプラントは日本ではまだ認可がおりていません。しかし、世界的にみて、多くのエビデンスもでてきており、審査の基準が厳しい米国食品医薬品局(FDA)の承認と欧州CEマークの認証の両方を受けており、極めて安全な材料です。ジルコニアインプラントは免疫系を刺激しないのでアレルギー反応の心配はありません。日本で行っている歯科医院はごく少数と言えるでしょう。当院は患者様の強い要望受け、ジルコニアインプラントを導入しております。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。