ここまで、セラミック矯正における見た目が不自然になるパターンを解説してきました。セラミック矯正の成功は、すべて歯医者や歯科技工士の技術によると思われるかもしれません。確かにそうです。しかし実は、上述したようなトラブルを避けるために、患者様自身で注意できるポイントもいくつかあります。
セラミック矯正で自然な色・形の歯を実現するためのポイントは、以下の5点です。
- 自然光の下で色を選ぶ
- 変色しにくい被せ物の材質を選ぶ
- ホワイトニングと並行して治療を受ける
- 技術力が高い歯科医師を選ぶ
- 設備が整った歯科を選ぶ
これら5つのポイントについて、以下でそれぞれ詳しく解説します。どれもセラミック矯正を成功させるために重要なポイントなので、ぜひ参考にしてください。 |
自然な見た目を実現するためのポイント@ 自然光の下で色を選ぶセラミックの被せ物の色を決める際は、自然光の下で色を選ぶようにすると、色選びで後悔するリスクを減らせるでしょう。セラミック矯正では、シェードガイドと呼ばれる歯の色の見本を見ながら、患者様個人に合う歯の色を決めていきます。
その際、歯医者の診察室の照明が明るすぎたり、暗すぎたりすると、見本の色が違って見えることがあるのです。そのため、必ず自然光の下で色を選ぶようにしてください。また、その際は色々な角度から歯の色がどのように映るのか、慎重にチェックしましょう。こうするだけで、自然な見た目の歯を実現しやすくなります。
色の写真を撮る際のカメラも、重要です。色を正確に把握するためには、サイドストロボのカメラを使用している歯医者を選ぶと良いでしょう。リングストロボを使用すると色が反射してしまい、正確なシェードテイキングはできません。セラミック矯正に慣れている歯科医院は必ずサイドストロボを使用しているはずです。 |
自然な見た目を実現するためのポイントA 変色しにくい被せ物の材質を選ぶ
セラミックの被せ物に変色しにくい材質を選ぶことも、自然な見た目の歯を実現しやすくなるポイントの1つです。変色しにくい材質は、オールセラミック(100%セラミック)やジルコニアセラミックがあります。反対に変色しやすい材質は、ハイブリッドセラミックと呼ばれるセラミックとレジン(プラスチック)を混ぜ合わさっている材質です。
ハイブリッドセラミックは、コーヒーやタバコによる変色を予防していても、経年劣化によって変色することがあります。プラスチックが混ざっている分、確かに価格は安いです。しかし、その分だけ綺麗な歯の寿命は短いことを覚えておいてください。初期投資として変色しにくい材質を選べば、綺麗な歯を長く保つことができます。 |
自然な見た目を実現するためのポイントB ホワイトニングを先に行ってからセラミック矯正する
ホワイトニングを先に行ってからセラミック矯正を行うことも、自然な見た目の歯を実現するために有用です。たまに「ホワイトニングとセラミック矯正を同時進行で行えますか?」とご質問いただきます。そのような質問には、ホワイトニングとセラミック矯正を同時に行うことは可能ですが、ホワイトニングを先に行う方が望ましいとお伝えしています。
なぜなら、ホワイトニングの結果は予測できないからです。患者様によっては、ホワイトニングしても思った通りに白くならないケースもございます。「これくらい白くなるだろう」と予測してセラミックの被せ物を作ってしまうと、失敗する可能性が高いです。そのため、ホワイトニングを行いたい場合は、セラミック矯正より先に行いましょう。
ホワイトニングも2種類あります。オフィスホワイトニング(クリニックで行う)とホームホワイトニング(ご自身の家で行う)があります。どちらが良いかというと、理想は両方で行うのが良いでしょう。当院ではダブルホワイトニングといって、クリニックで行った後に、ご自宅でもホワイトニングをしていただくと限界まで歯を白くすることができます。そのあとにセラミック矯正の色を合わせる写真をとることをおすすめします。
|
自然な見た目を実現するためのポイントC 技術力が高い歯医者を選ぶ
自然な見た目の歯を実現するためには、技術力が高い歯医者を選ぶことが最も重要です。歯医者や歯科技工士の技術が不足していれば、いくら患者様個人で色選びに慎重になっても意味がありません。セラミック矯正のような審美治療を行う歯医者は、一般的な歯の治療の技術だけでなく、デザインセンスも必要です。
カウンセリング時に「信頼できないかも…」と感じたら、複数の歯医者を見比べましょう。当院では、セラミック作製を専門とする歯科技工士と連携して被せ物を作っています。セラミック専門の歯科技工士は、歯科業界を見渡してもほんの数%しかいないプロフェッショナルです。単色ではない歯のグラデーションカラーまでデザインして、自然な見た目の歯を実現します。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 |
自然な見た目を実現するためのポイントD 設備が整った歯科を選ぶ
セラミック矯正を成功させるためには、設備が整った歯医者を選ぶことも重要です。セラミック矯正は、歯を削ったり、被せ物の色や形をデザインしたりと細密な作業が要求されます。そのため、肉眼やルーペだけで作業すると失敗するリスクが非常に高まるのです。
セラミック矯正を得意とする歯医者は、拡大鏡やマイクロスコープという高倍率・高解像度で歯を検査できる設備を整えています。マイクロスコープを使うことで、歯と被せ物の境目や歯質を細かくチェックできるのです。自然な見た目の歯を実現するためには必須設備といえます。
歯医者を選ぶときは、マイクロスコープを備えている歯医者を選ぶようにしましょう。歯医者のWebサイトを見ても分からない場合は、ぜひカウンセリング時に質問してみてください。 |