「セラミック矯正は早いし安いと聞くけど、本当に安全なの…?」
「セラミック矯正で後悔した人の話を聞いたことがあるから不安…」
このような疑問や不安をお持ちではありませんか?実際、カウンセリングを行っていると「セラミック矯正って、あまりよくないんですか?」と漠然とした疑問や不安を抱えていらっしゃる患者様が多々見受けられます。そのような漠然とした疑問や不安を抱える原因は、セラミック矯正に対する正しい知識がないからと言えるでしょう。
そこで当記事では、以下の内容を解説いたします。
- セラミック矯正はやばいのか?
- 歯医者が安易にセラミック矯正を勧めない7つの理由
- セラミック矯正を受ける歯医者を選ぶ3つのポイント
当記事を読めば、歯医者がセラミック矯正を安易に勧めない7つの理由を理解できます。記事の後半では、セラミック矯正を受ける歯医者を選ぶ3つのポイントも併せて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
【著者・執筆者情報】
インビザライン(マウスピース矯正)
プラチナ認定ドクター
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目次
セラミック矯正はやばいって本当?
結論からお伝えすると、セラミック矯正自体がやばいわけではありません。ただ、セラミック矯正にはメリット以外に、当然デメリットやリスクもあります。そのため、デメリットやリスクを隠して、セラミック矯正だけを勧める歯医者は「やばい歯医者さん」だと思って良いでしょう。
「芸能人もセラミック矯正を行っています!」などの広告を見れば、「芸能人もやっているんだし…!」と気軽にセラミック矯正を受けたくなるでしょう。しかし、セラミック矯正で1度歯を細く削ってしまうと、後悔したとしても元通りにすることはできません。そのため、「本当に健康な歯を削ってしまっていいのか?」と、治療前に1度立ち止まる必要があります。
歯医者の立場としても、患者様がセラミック矯正のデメリットやリスクに気付いていないようであれば、伝える責任があるでしょう。そのため、その責任を放棄して、セラミック矯正のメリットだけを伝える歯医者にはぜひ注意して頂きたいと思います。
歯医者が安易にセラミック矯正を勧めない7つの理由!
短期間で白くて綺麗な歯を手に入れられるセラミック矯正。それ故にセラミック矯正の人気は、年々高まっています。
しかし、まともな歯医者であれば、セラミック矯正を安易に勧めることはありません。それは、以下7つのような理由があるからです。
- 歯並びを根本から直せない
- 天然歯を削らなければいけない
- 神経を抜かなければいけない場合がある
- 噛み合わせがズレる場合がある
- 2次カリエスを引き起こしやすい
- 土台の天然歯が折れるリスクが高くなる
- 患者様が将来的に後悔するかもしれない
上記7つのような理由を無視して、メリットばかりを伝えてくる歯医者には注意してください。まともな歯医者であれば、患者様が後悔しないように、きちんとセラミック矯正に潜むリスクも伝えます。早速、これら7つの理由について以下で詳しく解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
①歯並びを根本から直せない
セラミック矯正は「矯正」という単語が付いているので、多くの方が「歯並びを直せる治療」と誤解されています。しかし実際は、セラミック矯正は歯並びを根本から直す治療ではありません。マウスピースやワイヤーなどを使って歯を動かすわけではなく、ただ単に並びが悪い歯に綺麗な被せ物をつけているだけです。「綺麗な歯に見せかけている」と表現すると、イメージしやすいかもしれませんね。
歯並びを根本から矯正すると、天然歯の噛み合わせを直せたり、虫歯や歯周病になりにくくなったりなどさまざまなメリットを得られます。しかし、セラミック矯正では、それらのメリットを享受することが基本的にできません。セラミック矯正は、機能面より審美面に傾倒しているとも言えます。つまり、歯の健康を第一に考える歯医者としては、安易に勧めにくいのです。
最近では、歯列矯正といっても、インビザラインなどのマウスピース矯正がどんどんと主流になってきています。見た目も周りに気づかれることなく、取り外すこともできるので昔に比べて歯列矯正の負担は軽減されています。症例によっては、部分矯正なら半年かからずに終了する場合もあるので一度無料カウンセリングに来られてみてはいかがでしょうか?
②天然歯を削らなければいけない
セラミック矯正は、被せ物を付けるために天然歯を削らなければなりません。特に、セラミックの被せ物が簡単に割れてしまわないように、被せ物に厚みを持たせたいので、削る量は比較的多くなります。削った後の歯の形は、イルカやサメのような歯をイメージして頂くと分かりやすいでしょう。隣接する歯との間に隙間ができます。その姿に驚く患者様も少なくありません。
また、基本的に歯を削ることは、歯に良くないということを覚えておいてください。歯を削ったことでエナメル質(歯の表面)が薄くなると、虫歯になりやすくなります。歯の強度が下がり、寿命が縮まるのです。一度削ってしまった歯は元通りにならないので、削る前に立ち止まって考える必要があるでしょう。このような説明なく歯を削ることに躊躇がない歯医者には要注意です。
歯を削らずに、歯並びを綺麗にする方法に歯列矯正があります。必ずセラミック矯正と歯列矯正の両方の説明をしてもらえる歯医者の説明を受けることをおすすめします。削る間にセカンドオピニオンとして相談できる歯科医院は多くあります。当院も無料カウンセリングがございますので安心してご相談にお越しください。
③神経を抜かなければいけない場合がある
歯を削る量が多く、歯髄(歯の神経)に触れてしまって大きな痛みを伴う場合は、神経を抜く場合があります。
内部に血管が通っている神経は、歯に栄養を行き渡らせる役割を担っているため非常に重要です。神経を取り除いてしまえば、歯に栄養が行き渡らなくなるので、歯の寿命が縮まります。
そのほか、歯の神経を取り除くと、「痛い」「しみる」などの感覚を感じ取れなくなります。そのため、虫歯の進行など歯からのSOSに気づきにくくなるのです。結果として、やはり歯の寿命が縮まってしまいます。一度失ってしまった神経は、削った歯と同様に元通りにならないので、十分に注意してください。
④噛み合わせがズレる場合がある
セラミック矯正は、歯並びを根本から直すものではないと解説しました。歯並びが揃っていない状態に、被せ物をつけているので、噛み合わせが合わない場合があるのです。ひどい場合は、セラミック矯正をする前より噛み合わせに違和感をもつ患者様もいます。
噛み合わせがズレていると、ただ単に噛みにくいこと以外にも様々な弊害が起こります。例えば、慢性的な頭痛や肩こりです。噛み合わせが合っていないと、あご周辺の筋肉が常に緊張状態にさらされます。その結果、血の巡りが悪くなり頭痛や肩こりに繋がるのです。セラミック矯正を行う場合は、治療後の噛み合わせまでしっかり調整してくれる歯医者のもとで治療を受けてください。
⑤2次カリエスを引き起こしやすい
セラミック矯正を行うと、2次カリエスを引き起こしやすくなることはご存じでしょうか?2次カリエスとは、簡単にお伝えすると、被せ物の隙間から侵入した細菌によって、前に虫歯治療をした歯が再度虫歯になることです。セラミックの被せ物は人工物で歯垢がつきにくいので、虫歯にはならないと安心される方もいます。しかし、その認識は間違っています。
いくら歯垢がつきにくいとはいえ、丁寧なメンテナンスを行わなければ、被せ物と歯の隙間から細菌が侵入して虫歯が再発することもあるのです。被せ物の下で虫歯が再発すると、被せ物を交換しなければならず、費用がかかってしまう場合も。2次カリエスを引き起こさないためには、通常の歯磨きより細かなメンテナンスが要求されるので注意が必要です。
セラミック矯正を行う際に必ず歯周病の治療を受けて、歯茎を引き締めて健康な状態にしてからセラミックの作製をしてもらいましょう。歯医者によっては早く治療を終わらせるために、歯茎の状態が悪いのに、型取りを行い、縁の部分が適合していないセラミックを入れてしまう歯医者もいます。その後は常に歯茎が腫れた状態で、出血と二次カリエスの原因となります。あなたのセラミック矯正を長持ちさせるにはこのことを忘れないでください。
⑥土台の天然歯が折れるリスクが高くなる
セラミック矯正は、天然歯が折れるリスクが高くなります。歯を削ることで、歯が細く小さくなることで、折れたり欠けたりしやすくなるのですね。特に、上顎前突(出っ歯、口ゴボ)は欠損するリスクが高くなります。なぜなら、被せ物をつけることで、前歯の歯根に異なるベクトルの力が加わり続けるからです。
歯が歯根から折れてしまうと、残念ながら抜歯という選択を取らなければいけなくなる可能性が高くなります。抜歯した歯は元通りにならないので、前歯などの重要な歯のセラミック矯正には慎重になることが大事でしょう。患者様の将来のためにも、できる限り天然歯は残したいと考えるのがまともな歯医者です。天然歯が欠損するリスクを伝えずに、治療を始めようとする歯医者にはぜひ注意してください。
⑦患者様が将来的に後悔する可能性がある
患者様の将来のことまで本気で考える歯医者であれば、セラミック矯正を安易に勧めることはありません。それは、上述した通り、セラミック矯正には美しい歯を手に入れる代わりに、さまざまなリスクも負うことになるからです。
セラミック矯正は治療期間が短いのに、それでいて芸能人のような綺麗な歯がすぐ手に入ります。そのため、目先の利益を優先して、後先考えずに治療を開始してしまう患者様が少なくありません。
まともな歯医者であれば、患者様の先の長い人生まで考慮し、正直にセラミック矯正のデメリットやリスクを伝えます。また、そのリスクをどのようにして減らすのかについて、対策をきちんと伝えます。セラミック矯正のメリットばかり伝えてくる歯医者は、患者様の長い人生まで深く考えていない可能性があるので注意してください。
セラミック矯正と歯列矯正のメリットデメリットをしっかりと説明してくれて、あなたにとってベストな治療を提案してくれる歯医者に治療してもらいましょう。
>>セラミック矯正で後悔しないために治療前に知りたい10事例
セラミック矯正が上手な歯医者を選ぶためのポイント3選
ここまでセラミック矯正のリスクに焦点を当てて解説してきました。しかし、セラミック矯正は素早く綺麗な歯を手に入れられたり、被せ物の色や透明感を自由に選択できたりなどメリットも多いです。実際、セラミック矯正を行ったことで、自信を持って笑えるようになる方がたくさんいらっしゃいます。
セラミック矯正を受ける上で最も重要なことは、優良な歯医者を選ぶことです。優良な歯医者を選ぶポイントは以下の3点です。
- セラミック矯正のデメリットをしっかり説明してくれる
- セラミック矯正以外の方法も提案してくれる
- 治療後も手厚いメンテナンスを行ってくれる
これらの3つのポイントについて、以下でそれぞれ詳しく解説します。歯医者選びを間違えてしまうと、治療の後悔に直結するので、歯医者選びのポイントをしっかり理解してくださいね。
①セラミック矯正のデメリットをしっかり説明してくれる
セラミック矯正のメリットだけを伝える歯医者には、十分に注意してください。上述したように、セラミック矯正にはメリットだけでなくデメリットやリスクも潜んでいます。そのため、まともな歯医者は、治療前のカウンセリングでセラミック矯正のデメリットやリスクについても説明するでしょう。
セラミック矯正をするために削った歯は、元に戻りません。患者様の中には、歯を削る代償が中々イメージできない方もいらっしゃいます。カウンセリング時には、どんな些細な疑問でも何でも質問してみてください。親身になって答えてくれないようなら、あまり信頼できる歯医者とは言えないかもしれません。当院では、丁寧に患者様がイメージしやすいように説明することに努めているので、まずはご気軽にご相談ください。
セラミック矯正と同時に歯列矯正も調べてみましょう。歯列矯正とはマウスピース矯正やワイヤー矯正で歯自体を移動させて、歯並びを整える方法です。歯を削ることなく歯並びや噛み合わせを治せます。 部分矯正なら半年かからず治ります。あなたにとって何がベストな治療方法なのか一緒に考えていきましょう。
②セラミック矯正以外の方法も提案してくれる
セラミック矯正以外の方法も提案してくれる歯医者は、信頼に値するでしょう。セラミック矯正では、綺麗な歯を手に入れるために歯を削ります。しかし、綺麗な歯(歯並び)を手に入れるだけであれば、なにも歯を削る必要は必ずしもありません。昨今は、ワイヤー矯正以外にも、矯正装置が目立ちにくいマウスピース矯正があり、気軽に歯科矯正に取り組みやすくなっています。
そのため、まともな歯医者であれば、最初はできる限り天然歯を残す方法を提案するでしょう。天然歯を残す方向も提案してくれるということは、それだけ歯科医師が患者様の将来を考えてくれているという証拠です。また、色々な角度から提案できるということは、歯科医師自身が歯科矯正に精通していることとも取れます。カウンセリング時に、セラミック矯正以外も提案してくれるかどうかは、ぜひチェックしてみてください。
③治療後も手厚いメンテナンスを行ってくれる
セラミック矯正は、被せ物を取り付けたら終わりではありません。治療後も適切なメンテナンスを行っていく必要があります。それは、ご自宅でのケアだけに留まりません。歯医者での定期メンテナンスも、ご自宅でのケアと同様に重要です。歯医者では、歯磨き指導やクリーニングの他に、噛み合わせのチェックも行います。
セラミックの寿命は約10年と言われていますが、治療後のメンテナンス次第では20年以上長持ちするケースもあるのです。やっとの思いで手に入れた綺麗な歯は、やはり長持ちさせたいですよね。であれば、治療後も手厚いメンテナンスを行ってくれる歯医者を選びましょう。カウンセリング時に治療後のメンテナンスについても聞いてみることをオススメします。
まとめ:セラミック矯正だけを勧める歯医者に要注意
当記事では「セラミック矯正はやばいのかどうか」について解説しました。結論としては、セラミック矯正はやばい治療ではありません。しかし、セラミック矯正だけを勧める歯医者はやばいと言えます。
セラミック矯正だけを勧める歯医者がやばい理由は、大きく分けて7つあります。その中でも、歯を削ることのリスクを無視するような歯医者は、特にやばいと言えるでしょう。
歯を削ると、歯の強度が著しく下がり、虫歯や歯周病にもなりやすくなります。これらのリスクを脇に置いてセラミック矯正だけを勧める歯医者は、患者様の将来まで考えているとは思えません。
ただし、セラミック矯正は、綺麗な歯を短期間で手に入れられるメリットの多い治療法の1つでもあります。そのため、デメリットやリスクを知った上でセラミック矯正を行うことは問題ありません。
セラミック矯正治療を受ける際は、やばい歯医者ではなく、患者様の将来まで考えてくれる優良な歯医者のもとで治療を受けてください。歯医者を選ぶポイントとしては、セラミック矯正のデメリットやリスクもきちんと説明してくれるかどうかなどをチェックしましょう。
当院では、初回カウンセリングを無料で行っています。セラミック矯正に関する些細な疑問や不安にも丁寧にお答えしますので、お気軽にお問い合わせください。