歯列矯正コラム
顎がないのは歯列矯正で治せる?顎がない原因と治療法を徹底解説!

「顎が小さくて、顔と首の境目が曖昧…」
「顎が後退しているから、顔に立体感がない…」

このようなお悩みを抱えていませんか?お顔の印象は、口元と顎の位置関係によっても大きく変わります。当記事で扱う顎が小さい場合は、顎が口元から極端に後方へ下がっているように見えることが多いです。その結果、お顔と首の境目が曖昧な印象を与えてしまいます。

それでは、なぜ顎が小さい(ない)のでしょうか?また、歯列矯正で顎を正常な位置にまで動かすことは可能なのでしょうか?次々と疑問が湧いてきましたよね。

そこでこのページでは、これらの疑問を解決いたします。ページの後半では、歯列矯正で顎と口元の位置関係を改善できる場合の具体的な治療法を解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。

【著者・執筆者情報】

院長紹介
帝塚山Smile Design Clinic
院長 岩下 太一
みなさんのすべての心配事を考慮して治療しています。安心してお任せください。

インビザライン(マウスピース矯正)
プラチナ認定ドクター
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【疑問】顎がないのは歯列矯正で治せますか?

結論からお伝えいたしますと、歯列矯正で顎がない状態を改善できるかどうかは、顎がない原因によります。

そうです、顎がない原因はひとつではないのです。以下で詳しく解説しますが、遺伝などの先天的な要因で顎が小さい場合もあれば、口腔習癖(指しゃぶりや口呼吸)などの後天的な要因で下顎の成長が不足している場合もあります。

そのため、顎がない状態に適切なアプローチをするためには、まずはご自身の顎がない原因を探る必要があります。その上で、ご自身の症例に最適化した治療法を選択していきましょう。以下で顎がない原因を詳しく解説するので、ぜひ続けてご覧ください。

顎がない原因は、骨格と歯列、アデノイドに大別されます

上記で、歯列矯正で顎がない状態を改善できるかどうかは、顎がない原因によると解説しました。そこで、ここからは、顎がない代表的な原因を解説していきます。

顎がない主な原因は、以下3点です。

  • ①骨格が原因で顎がない状態:下顎後退症などの顎変形症
  • ②歯列が原因で顎がない状態:口ゴボや出っ歯など
  • ③アデノイド顔貌:口呼吸や生活習慣の影響

上記3つの原因について、以下でそれぞれ詳しく解説します。歯列が原因の場合は、歯列矯正で顎がない状態を改善できることもあるため、そこにも注目してご覧ください。

①骨格が原因で顎がない状態:下顎後退症などの顎変形症

顎がない状態に陥る原因のひとつめは、骨格異常です。皆さまは、顎変形症という言葉を聞いたことがありますか?顎変形症とは、上顎と下顎の形状やサイズの異常をまとめて示す医療用語です。顎変形症には、下顎後退症や上顎前突症などさまざまな症状が含まれます。

例えば、下顎後退症とは、顎が正常の位置より内側に引っ込んでいる症状のことです。下顎後退症の方は、オトガイと呼ばれる顎先が下がっていて、顔と首の境目が曖昧になっているケースが多々見受けられます。

そのほか、上顎前突症も顎がない状態の原因のひとつです。上顎前突症とは、上顎の過成長もしくは下顎の成長不足により、上顎が突出している症状のことです。下顎に比べて、上顎が大きく前方へ突出しているため、相対的に下顎がないように見えます。

歯列矯正のみでの治療は難しく、外科手術が必要になることが多い

上記のように顎変形症など骨格にズレが生じて顎がない場合は、歯列矯正のみでの治療は難しいです。なぜなら、動かす必要があるのは歯ではなく、顎の骨だからです。

そのため、骨格要因で顎がない場合は、外科矯正と呼ばれる歯列矯正と外科手術を併用する治療法を採用します。外科矯正の場合は初めに、マルチブラケット装置(ワイヤー矯正装置)を使用して、噛み合わせを調整します。

術前矯正は、通常の歯列矯正と同じように約1年~2年程度かかることが多いです。そして、大方の歯列が整ったら、外科手術に移ります。

このような外科手術を伴う矯正治療は、入院が2週間~4週間ほど必要ですが、劇的に顔貌のイメージを変化させることが可能です。

上顎が突出している場合は、上顎を切って後方へ動かし、反対に下顎が引っ込んでいる場合は、下顎を切って前方へ移動させます。

下顎を回転させることで改善する場合もある

下顎が小さく見える人の中には、実際の下顎のサイズは平均的である場合もあります。では、なぜ平均的なサイズであるのにも関わらず小さく見えてしまうのかというと、下顎が時計回りに回転してしまっていて、面長になっているからです。

この場合は、矯正用のアンカースクリュー(ネジ)を用いて、下顎を反時計回りに回転させることで、顎が小さく見える状態を改善できることがあります。下顎を回転させ、オトガイ(顎先の部分)がくっきりと前面に出てくれば、立体感のある顔立ちを実現できます。

②歯列が原因で顎がない状態:口ゴボや出っ歯など

歯性の上顎前突(出っ歯)や上下顎前突(口ゴボ)により、顎がなく見える状態になっているケースも存在します。歯性とは、骨格には異常がなく、歯並びにだけ問題がある症状のことです。

例えば、歯性の上顎前突は、顎の位置は正常ですが、前歯が前方に傾いているために口元の突出感が強い歯並びを差します。口元の突出感が強いため、相対的に顎が小さく見えてしまうのですね。

歯性の口ゴボの場合は、上顎の前歯に加えて、下顎の前歯も前方へ傾斜しているケースが多いです。そのため、口元全体(特に上下の唇)がもっこりして見え、相対的に顎がないように見えます。

歯列矯正で治療できる場合が多い

歯性の上顎前突や上下顎前突によって顎が小さく見える場合は、歯列矯正で治療できる可能性があります。上述したように、このケースは前歯が前方に突出し過ぎているせいで「相対的に」顎が小さく見えているだけなのですね。つまり、顎の位置やサイズには問題がありません。

そのため、突出している前歯を後方へ移動させるだけで、顎の存在感が増します。具体的な方法としては、小臼歯(前歯と奥歯の中間の歯)を抜いて、5mm程度のスペースが空いたところへ向かって前歯を動かすことが多いです。ただし、奥歯のさらに後ろに顎の骨(歯槽骨)が十分にある場合は、非抜歯で前歯を後方へ動かせる可能性も十分あります。

③アデノイド顔貌:口呼吸や生活習慣の影響

アデノイド顔貌とは、顔の骨格や顎の位置に特徴的な変化が現れる状態を指します。この状態は見た目だけでなく、健康にも影響を及ぼすことがあります。特に、口呼吸や日常の生活習慣がアデノイド顔貌の原因となることがあるため、そのメカニズムを理解することが重要です。

口呼吸がアデノイド顔貌に与える影響

口呼吸は、鼻ではなく口から空気を取り入れる呼吸方法です。これにより、以下のような影響が顎や顔の骨格に及ぶことがあります。

  1. 舌の位置が低下する:通常、舌は上顎に接した位置にあります。しかし、口呼吸では舌が下がり、上顎の発育が妨げられることがあります。その結果、顔が縦長になり、顎が後退して見えることがあります。
  2. 顔の筋肉のバランスが崩れる:口呼吸では、口周りの筋肉が常に緊張状態になるため、顔全体の筋肉のバランスが崩れやすくなります。これがアデノイド顔貌特有の顔つきにつながります。
  3. 歯並びや顎の位置に影響する:舌の位置が低くなることで、歯列が狭くなりやすくなります。また、下顎が後退し、顎が小さく見える原因にもなります。

生活習慣が原因となる場合も

アデノイド顔貌の原因は、口呼吸だけではありません。日常の生活習慣も大きく影響を及ぼします。

  1. 姿勢の悪化:猫背や前かがみの姿勢が習慣化すると、頭の位置が前方にずれ、下顎が後退して見えることがあります。このような姿勢は、顎の発育を阻害する原因となります。
  2. 柔らかい食べ物の多用:食事で固いものを噛む機会が少ないと、顎の骨や筋肉が十分に発達しない場合があります。これが顎の後退や発育不全につながる可能性があります。

アデノイド顔貌を予防・改善するためのポイント

アデノイド顔貌を予防するには、日常生活の中で口呼吸を改善し、正しい姿勢や食事習慣を取り入れることが大切です。以下のポイントを意識してみましょう。

  1. 鼻呼吸を意識する:鼻呼吸を習慣化することで、舌の位置を正しく保つことができます。これにより、顎や顔の発育が正常に進みやすくなります。
  2. 姿勢を整える:頭の位置を正しく保ち、背筋を伸ばす姿勢を心がけることで、顎の後退を防ぐことができます。
  3. 噛む回数を増やす:食事の際にしっかりと噛むことを意識することで、顎の筋肉や骨の発達を促進します。

アデノイド顔貌は、適切な治療や生活習慣の改善により、予防・改善が可能です。もし口呼吸や顎の形に不安がある場合は、なるべく早めに当院までご相談ください。

顎がない状態の特徴と外見への影響

「顎がない」と言われる状態には、見た目や顔のバランスにさまざまな特徴があります。この状態では、顎の位置が通常より後ろに引っ込み、フェイスラインや横顔に大きな影響を及ぼします。特に横顔においては、鼻先と顎先を結んだ「Eライン」と呼ばれる美しいバランスが崩れやすく、唇がそのラインよりも前に出てしまうことが多く見られます。これは、顔全体の印象を変えてしまう要因の一つです。

また、顎と首の境目が曖昧になることも特徴的です。本来であればフェイスラインがはっきりとしていることで、顔と首のバランスが整いますが、顎が後退しているとその境界がぼやけて見えます。このような状態は、顔全体の輪郭を丸く見せるだけでなく、首との一体感を強調し、のっぺりした印象を与えることがあります。

さらに、正面から見た場合にも影響が現れます。顎が小さいと顔の下半分が短く見え、全体のバランスが崩れることがあります。その結果、顔が実際よりも大きく見えたり、シャープさが失われたりすることがあります。こうした特徴は、顎の後退により顔が平坦に見えるためであり、特に写真や鏡を見た際に気になりやすいポイントとなります。

顎がない状態の精神的な影響や健康面でのリスク

見た目の印象だけでなく、顎がない状態は心理的な影響も引き起こします。顎のラインが整っていないと、顔全体に立体感が失われ、老けて見えると感じる方もいます。また、横顔やフェイスラインに自信を持てないことから、人前に出るのが億劫になるなど、外見に対するコンプレックスに悩む方も少なくありません。特に、写真や映像で自分の顔を見る機会が増える現代では、このような悩みが顕在化しやすいと言えます。

しかし、この状態を放置すると、見た目だけでなく健康面にも影響を与える可能性があります。例えば、顎が後退している場合、気道が狭くなることでいびきや睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことがあります。また、顎や歯の位置のずれにより、噛み合わせが悪化し、食事中に十分に噛むことができなくなるケースもあります。

顎がない状態は、矯正治療や生活習慣の見直しによって改善が期待できる場合があります。見た目や健康に不安を感じる場合は、当院にぜひご相談ください。

顎がないのは歯列矯正で治せる可能性も!具体的な2つの治療法を解説

上記で、歯性の上顎前突(出っ歯)や上下顎前突(口ゴボ)によって顎が小さく見えている状態は、歯列矯正で改善できる可能性が高いと解説しました。そこで、ここからは、実際にどのような治療法の選択肢があるのかについて解説していきます。

歯列矯正で顎がない状態を改善する具体的な治療法は、以下2点です。

  • ワイヤー矯正
  • マウスピース矯正(インビザライン)

それぞれの治療法には、それぞれの得意分野があるので、ぜひその違いを理解して頂ければと思います。それでは、早速見ていきましょう。

治療法①:ワイヤー矯正

歯性の上顎前突や上下顎前突の治療法のひとつは、ワイヤー矯正です。歯列矯正でお馴染みのワイヤー装置を付けて歯を動かしていきます。ワイヤーのしなる力やそこから元に戻ろうとする力を利用することで、前歯の傾斜を調整したり、歯列全体を後方へ動かしたりすることが可能です。

ワイヤー矯正は、特に抜歯が必要な症例に向いています。なぜなら、ワイヤー矯正は歯を大きく動かすことが得意なため、抜歯してポカンと空いた隙間を比較的早く埋めることができるからです。そのため、重度の上顎前突や上下顎前突の場合は、ワイヤー矯正を勧められることが多いです。

治療法②:マウスピース矯正

歯性の上顎前突や上下顎前突の治療法のひとつには、マウスピース矯正(インビザラインなど)もあります。その名の通り、マウスピース型の矯正装置をはめて歯を動かしていきます。マウスピースと歯列の間にわずかなズレを作り、そのズレに向かって力が加わることで少しずつ歯列が動いていきます。

マウスピース矯正の中でも特にインビザラインは、歯列を後方へ移動させること(遠心移動)が得意です。そのため、奥歯の後ろに歯槽骨が十分にあるケースは、インビザラインだけ(非抜歯)で前歯を後方へ動かすことができます。

しかし一方で、マウスピース矯正は抜歯症例には弱いので注意が必要です。マウスピース矯正は歯を一気に動かすことが苦手で、抜歯後の隙間を埋めようとすると膨大な時間がかかってしまうからです。

顎がないケースの治療の可否は、顎がない原因や症例によって異なります。まずは当院の無料カウンセリングにお越しください。当院ではマウスピース矯正で顎がない症例をこれまで何件も治療しており、患者様にも大変満足いただけております。

自力で改善できる?顎がない状態のセルフケア方法

顎がない状態に悩んでいる方の中には、「自力で改善する方法はないのだろうか」と考える方も多いでしょう。顎の形状や骨格そのものを完全に変えることは難しいものの、日常生活でのセルフケアを取り入れることで、見た目や健康への影響を軽減することは可能です。ここでは、簡単に始められるセルフケア方法をご紹介します。

1. 鼻呼吸を習慣づける

顎が後退して見える原因の一つに、口呼吸があります。口呼吸を続けていると、舌が下がった状態を保つことになり、顎の発育やフェイスラインに悪影響を及ぼします。そのため、普段から鼻呼吸を意識することが重要です。日中に口を閉じることを心がけるだけでなく、寝ている間も口が開かないようにする対策を取りましょう。例えば、専用のマウステープを使うことで、鼻呼吸を促すことができます。

2. 顎周りの筋肉を鍛える

顎周りの筋肉を強化することで、フェイスラインを引き締め、見た目の改善を期待できます。以下の簡単なエクササイズを日常に取り入れてみてください。

舌押しエクササイズ: 舌を上顎に押し当て、数秒間キープします。この動作を繰り返すことで、舌や顎の筋肉を鍛えることができます。

「あ・い・う・え・お」の発声練習: 口を大きく開けて発声することで、顔全体の筋肉を動かし、顎のラインを整える効果が期待できます。

3. 噛む力を鍛える食習慣

現代の食生活では柔らかい食べ物が多く、顎をしっかり使う機会が少なくなっています。固い食べ物を意識的に取り入れることで、顎の筋肉を鍛え、骨格の成長を促進できます。例えば、ガムを噛む習慣をつけたり、よく噛まないと飲み込めない食材(生野菜やナッツなど)を積極的に食事に取り入れたりすることがおすすめです。

4. 姿勢を整える

日常生活での姿勢も、顎の見た目に大きく影響を与えます。前かがみの姿勢や猫背が続くと、顎が後ろに押されて見えることがあります。そのため、デスクワーク中やスマートフォンを操作する際も、背筋を伸ばし、頭を正しい位置に保つことを心がけましょう。定期的に鏡で自分の姿勢をチェックするのも効果的です。

5. ストレスを溜めない生活を意識する

顎周りの筋肉はストレスによって緊張しやすく、それがフェイスラインの崩れにつながることもあります。リラックスする時間を意識的に作り、ストレスを溜めない生活を送ることもセルフケアの一環として大切です。

症例によって治療の可否は異なるのでまずはカウンセリングへ

ここまで、歯性の上顎前突などにより顎が小さく見える場合は歯列矯正で改善でき、顎変形症などの骨格異常により顎がない場合は、外科的処置がプラスで必要になると解説しました。

皆さまがどちらのケースに当てはまっているのかは、歯科で精密検査を行ってみないと正確な判断を下すことはできません。精密検査を行ってみた結果、骨格要因と歯列要因が絡み合っていた、などということが判明することもあります。

一人ひとり症例が全く違うため、検査結果をもとに患者さま個人に最適な治療法を探っていかなければならないのですね。そこで、顎がない状態を解決するための第一歩として、まずは歯科のカウンセリングを受けましょう!

初診カウンセリングは無料で行っている所が多いので、費用の心配をせずにご利用いただけます。当院では、初診カウンセリングが無料なことはもちろん、必要であればレントゲンやCT撮影も無料で行っています。初診カウンセリングであっても、包括的な説明だけでなく、患者さま個人に最適化したお話もさせて頂いているので、ぜひ下記よりお気軽にお問い合わせください。

美容整形と矯正治療の違い:顎を改善する選択肢

顎がない状態を改善する方法として、歯列矯正だけでなく、美容整形を選択肢に入れる方もいらっしゃいます。どちらの方法にもメリットとデメリットがあるため、それぞれの特徴を理解した上で選ぶことが大切です。

まず、歯列矯正は顎や歯並びのバランスを整える治療法です。ワイヤー矯正やマウスピース矯正によって、顎の位置を自然に調整しながら顔全体の印象を改善します。時間はかかるものの、自然な仕上がりを目指せる点が大きな特徴です。また、矯正治療は骨や歯列の成長を促すため、根本的な改善を期待できます。

一方、美容整形は主に外見を即効的に改善する方法です。例えば、顎のプロテーゼ挿入や骨切り手術など、外科的手法によって顎の形状を変えることができます。短期間で結果が得られる反面、術後の回復期間が必要であり、手術に伴うリスクについても十分に理解しておく必要があります。

どちらの方法を選ぶかは、顎の状態や希望する仕上がり、そしてライフスタイルによって異なります。矯正と美容整形を組み合わせるケースもあり、それぞれの方法が持つメリットを最大限に活かすことも可能です。当院は歯列矯正での治療が専門ですが、無料カウンセリングでは治療の可否や、矯正治療での解決が難しい場合の対応についてもご相談いただけます。ぜひお越しください。

顎がない状態を放置した場合のリスク:健康面への影響

顎がない状態をそのままにしておくと、見た目だけでなく健康面にもさまざまな影響を及ぼす可能性があります。特に、顎や歯の位置が正常でないことが原因で、次のような問題が生じることがあります。

一つ目は、気道が狭くなることで起こる健康リスクです。顎が後退している場合、喉や気道のスペースが狭くなり、いびきや睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことがあります。この状態が長期間続くと、睡眠の質が低下し、慢性的な疲労や集中力の低下に悩まされる可能性があります。

二つ目は、噛み合わせの悪化による消化器官への負担です。顎の位置がずれていると、食事中にしっかりと噛むことが難しくなり、消化不良を引き起こす場合があります。また、食べ物を十分に細かく噛み砕けないことで、胃腸に負担をかけることも少なくありません。

さらに、顎や顔の筋肉のバランスが崩れることで、肩こりや首の痛み、頭痛などの症状が現れることもあります。これらの症状は、日常生活の質に影響を与えるだけでなく、長期的には慢性的な不調につながる可能性もあります。

顎がない状態のセルフチェック方法

自分の顎の状態に不安がある場合は、まずセルフチェックを行ってみましょう。簡単に確認できる方法を以下にご紹介します。

①鏡で横顔を確認する

鏡を使って横顔を観察し、鼻先と顎先を結ぶ「Eライン」を確認します。理想的なバランスでは、唇がEラインに軽く触れる程度ですが、唇が大きく前に出ている場合は顎が後退している可能性があります。

②顎と首の境界線をチェックする

正面を向いた状態で、顎と首の境目を確認します。境界がぼやけている、または顎が小さく感じられる場合は、顎が後退している兆候の一つかもしれません。

③写真を撮って全体のバランスを確認する

自分では気付きにくい特徴も、写真を撮ることで客観的に確認できます。正面と横顔の両方を撮影し、顔全体のバランスをチェックしてみましょう。

これらのセルフチェックはあくまで目安であり、顎の状態を正確に判断するには専門家の診断が必要です。少しでも不安がある場合は、当院の無料カウンセリングにお越しください。

まとめ:歯列矯正で顎と口元の位置を改善できる場合もあります

当記事では、顎がない状態を歯列矯正で改善できるかどうかについて解説しました。顎がないと一口に言っても、その原因は骨格要因と歯性要因の2つに分かれます。

顎変形症などの骨格に異常をきたしている場合は、歯列矯正で対応することはできません。なぜなら、動かす必要があるのは歯ではなく顎そのものだからです。そのため、骨格要因で顎がない場合、顎の骨を切るなどの外科手術を必要とします。

一方で、歯性の上顎前突(出っ歯)など前歯が前方へ傾斜している場合は、歯列矯正で対応可能です。ワイヤー矯正やマウスピース矯正で、前歯の傾斜を調整したり、前歯を後ろに下げたりするだけで、相対的に顎の存在感が増します。

皆さまがどちらのケースに当てはまっているかは、精密検査を行ってみないと分かりません。そのため、現在「顎がないことで悩んでる、でもどうしたらいいか分からない」という方は、まずは気軽に歯科の無料カウンセリングを受けてみましょう。

当院でも、無料カウンセリングを行っています。顎がない根本の原因を探る一助になれるよう、必要があればレントゲンやCT撮影も無料で行いますので、ぜひ下記よりお気軽にお問い合わせください。

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