歯列矯正コラム
セラミック矯正の寿命は何年?長持ちさせる3つの方法

「セラミックの被せ物は一生モノ?」
「セラミックの被せ物って割れやすい?」

このような疑問を抱えていませんか?セラミック矯正の治療費は比較的安価です。しかし、寿命が短く、何度も被せ物を作り直さなければいけなくなるようでは、セラミック矯正にかける生涯の費用は膨らんでしまいます。そのため、治療前に実際のセラミックの寿命について知りたいという方がいらっしゃっても、全く不思議ではありません。

そこで当記事では、以下の内容を解説いたします。

  • セラミックの寿命は何年?
  • セラミックの寿命を縮めてしまう理由3選
  • セラミックを長持ちさせる方法3選
  • 【番外編】セラミック矯正をしたら老後はどうなる?

記事の後半では、セラミックを可能な限り長持ちさせる3つの方法についても解説しています。実用的で、すぐに取り入れられる方法が多いので、ぜひ最後までご覧いただき参考にしてくださいね。

【著者・執筆者情報】

院長紹介
帝塚山Smile Design Clinic
院長 岩下 太一
みなさんのすべての心配事を考慮して治療しています。安心してお任せください。

インビザライン(マウスピース矯正)
プラチナ認定ドクター
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セラミックの寿命は何年?一生使い続けることはできる?

セラミックの全国的な平均寿命は10年だそうです。つまり、セラミックは残念ながら一生モノではありません。しかし、実はセラミックの被せ物の寿命は、他の被せ物(銀歯やプラスチック)と比較して長いことをご存じでしょうか?

セラミックとは、お茶碗の材料にも使われる陶器です。お茶碗は落としさえしなければ割れず、ずっと使い続けられますよね。このことからセラミックの耐久性の高さが伝わるでしょう。特に、歯の被せ物は、お茶碗の材料に使われるセラミックより更に強固なセラミックでコーティングされています。そのため、非常にツルツルしていて、食べカスなどの汚れがつきにくいです。

また、セラミックの被せ物と歯を接着させるセメントは特殊で、劣化しにくいものが使われています。そのため、年月が経っても、被せ物と歯の間に隙間ができにくいです。隙間から細菌が入り込むリスクを減らして、セラミックの被せ物と歯両方を守りやすくします。

これら2つの理由から、セラミックの被せ物の寿命は比較的長いとされています。平均寿命以上に使い続けている方も少なくないでしょう。実際に、私の治療した患者様のセラミックはほとんどが10年以上は生存しております。しかしある特定の原因下では、平均寿命に届かず作り直しが必要になってしまう場合も。

以下で早速、セラミックの寿命を縮める3つの理由について解説するので、併せてご覧ください。

セラミック矯正の寿命が縮まる原因3選

セラミックは、汚れがつきにくく歯と一体化しやすいという理由から、比較的寿命が長いと解説しました。そのため、心配せずとも平均寿命の10年くらいは容易にもつと思われた方もいらっしゃるでしょう。

しかし、以下で解説するセラミックの寿命を縮める3つの理由に当てはまっている場合は、平均寿命までもたないことも。

セラミックの寿命を縮める主な理由は、以下の3点です。

  • 歯磨きが不十分
  • 歯ぎしりなどの強い力が加わり続けた
  • 噛み合わせが合っていない

セラミックの寿命を縮めるこれら3つの理由について、以下でそれぞれ詳しく解説します。セラミックの寿命を縮める理由を知ることは、セラミックの寿命を延ばすことに直結するので、ぜひご覧ください。

①歯磨きが不十分

歯磨きなど治療後のメンテナンスが不十分の場合、被せ物の土台の歯が虫歯になってしまう可能性が高いです。セラミックはたしかに汚れがつきにくい材質ですが、それでもきちんと磨かないと、汚れが蓄積してしまいます。そして、セラミックと歯のわずかな隙間から、細菌が入り込んで虫歯が発症してしまうわけですね。もちろんセラミックが虫歯になるのではなく、セラミックをつけている、ご自身の歯が虫歯になってしまうのです。

セラミックと歯は強力なセメントでくっついていますが、結局は別々のものです。隙間を完全に無くすことはできません。そのため、歯磨きが不十分であれば、虫歯になってしまう可能性が高くなってしまいます。

土台の歯が虫歯になってしまった場合、その虫歯を放置することはできません。セラミックの被せ物を外して、虫歯治療を行い、さらに被せ物も作り直す必要があります。

②歯ぎしりなどの強い力が加わり続けた

歯ぎしりなどの強い力がセラミックに加わり続けると、セラミックが割れたり欠けたりする原因になります。セラミックは、強い衝撃には強くありません。陶器(セラミック)のお茶碗をイメージすると分かりやすいでしょう。

お茶碗は、普通に使い続ける分には耐久性に問題ありませんが、「床に落とす」など強い衝撃が加わったときには割れたり欠けたりしますよね。セラミックの被せ物も同じで、歯ぎしりや食いしばりなどの強い力が加わり続けると、ある日突然割れてしまうのです。

歯ぎしりや食いしばりの力を低く見積もってはいけません。無意識下での歯ぎしりや食いしばりは、自分の体重の5倍以上の力がそれぞれの歯にかかります。つまり、体重50kgの方であれば、250kg以上の力が1本の歯に対してかかるということです。セラミックの被せ物が割れても不思議ではありませんよね。

③噛み合わせが合っていない

噛み合わせが合っていないことも、セラミックの寿命を縮める要因の1つです。噛み合わせが合っていない場合、すべての歯に均一な力が加わらず、特定の歯だけに負担がかかることがあります。通常は分散されるはずの力が、特定の歯に集中してしまうわけです。セラミックの被せ物であれば、ひとたまりもないでしょう。

このように、噛み合わせが合っていないことも、被せ物が割れる原因になるため注意が必要です。特に、セラミック矯正を行ったことで、噛み合わせが悪い方へ変わってしまう方もいらっしゃいます。仮歯期間や治療後は、噛み合わせについてもしっかり様子を見て、違和感がある場合はすぐに歯医者へ相談してください。

セラミックを長持ちさせる方法3選

セラミックの寿命を縮めてしまう主な3つの理由について解説しました。どうしたらセラミックの被せ物を長く使うことができるのでしょうか?

ここでは、セラミックを長持ちさせる具体的な3つの方法について解説します。

以下で解説する方法を実践して正しいメンテナンスを行えば、平均寿命以上に使える場合もあるので必見です!

セラミックを長持ちさせる主な方法は、以下の3つです。

  • 歯間ブラシやデンタルリンスを併用する
  • ナイトガードを装着する
  • 歯医者の定期メンテナンスに通う

セラミックを長持ちさせるこれら3つの方法について、以下でそれぞれ詳しく解説します。難しいことは何ひとつなく、どの方法もすぐに実践できる実用的なものばかりなので、ぜひ参考にしてくださいね。

①歯間ブラシやデンタルフロスを併用する

セラミックを長持ちさせるためには、毎日のセルフケアが何よりも大切です。毎日のブラッシングはもちろん、歯間ブラシやデンタルリンスを併用することも有用です。実は歯ブラシだけでは、歯と歯の隙間まで磨き切ることはできません。隙間に溜まった汚れの半分を取れたら良い方です。

その点、歯間ブラシは歯と歯の隙間に直接抜き差しできるため、歯ブラシでは取り切れない隙間汚れを除去できます。歯間ブラシが太く隙間に入らない場合は、デンタルフロスと呼ばれる糸状の清掃用具を使いましょう。歯と歯が接していてアプローチしにくい箇所の汚れもかき出してくれます。

歯間ブラシやデンタルフロスの使い方が分からない方は、歯医者に聞きましょう。当院では、歯間ブラシやデンタルフロスだけでなく、歯ブラシを使った基本的なブラッシング方法についても丁寧に指導しています。セラミックを長持ちさせたい方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。

②ナイトガードを装着する

セラミック矯正を行った方は、ナイトガードを装着しましょう。ナイトガードとは、就寝中につけるマウスピースのことで、無意識下に起こる歯ぎしりや食いしばりからセラミックを守ってくれます。

セラミックの被せ物に直接歯ぎしりや食いしばりの力が加わり続ければ、被せ物が割れるのも時間の問題です。しかし、ナイトガードを装着していれば、被せ物の代わりにナイトガードがすり減ります。こうして直接のダメージを防ぐだけで、セラミックの寿命を延ばすことができます。

また、使用中のナイトガードを見れば、どれだけの負担や衝撃が歯にかかっているか一目瞭然です。ナイトガードのすり減り具合がひどい場合は、被せ物に直接ダメージがいく前に、歯医者へ相談することができます。

また、ナイトガードは食いしばりや歯軋りする方の顎の関節の負担も減らしてくれます。セラミックをして、さらにそのような症状が少しでもある方は、ナイトガードをすることをおすすめします。

③歯医者の定期メンテナンスに通う

セラミック矯正治療が終わった後は、歯医者へ定期的に通ってメンテナンスを受けてください。セラミック矯正の治療期間は短く気軽です。治療が終わり、綺麗な歯並びを手に入れるという目的を達成すれば、気が緩むかもしれません。しかし、セラミック矯正は治療後が大事です。

歯医者の定期メンテナンスでは、歯のクリーニング以外にも噛み合わせや歯茎、そして土台の歯まで細かく検査します。特に、セラミック矯正で神経を抜いたケースでは、痛みを感じなくなるため、土台の歯が虫歯になっていても気づきにくいです。

その点、歯医者の定期メンテナンスを受けていれば、虫歯を早期に発見できる可能性が高くなります。噛み合わせのズレや歯肉の退縮など、口内のあらゆるトラブルについても同様です。検査で早期に発見し対処することで、セラミックは長持ちします。

当院は年に3回のメンテナンスをおすすめしております。そのぐらいの頻度で診せていただければ、今の状態をキープし続けることが可能です。皆さま、メインテナンスは必ず受けてくださいね。

【番外編】セラミック矯正をしたら老後はどうなる?

近年の美容整形ブームもあり、審美的な歯並びを求めてセラミック矯正を行う若者が増えています。

セラミック矯正は、芸能人のような白くて綺麗な歯並びを手に入れられるので、患者さまの満足度が高いです。

しかし、それと同時に「老後は本当に大丈夫?」と不安になる方も一定数いらっしゃいます。

実際、セラミック矯正をした方ならではの老後トラブルがあります。例えば、加齢とともに歯肉退縮が起こり、それに伴い被せ物と歯の境目がくっきりし、不格好に見えてしまう可能性です。セラミックは一生モノではないので、適合しなくなったら作り直さなければいけません。つまり、老後も被せ物を交換する費用がかかる可能性があります。

そのほか、セラミック矯正で天然歯の強度を弱めてしまったことから、将来残る天然歯の本数が減ってしまうことも。このように、老後にトラブルが起きる可能性は否定できません。そのため、セラミック矯正をするかどうかは、老後も考慮して慎重に決めて欲しいと考えています。当院は、患者さまが将来も見据えた慎重な選択ができるように、カウンセリングでサポートしています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ:セラミック矯正の平均寿命は10年、メンテナンス次第で更に長く

当記事では、セラミックの寿命に関する知識を網羅的に解説しました。セラミックの寿命が縮んでしまう理由からセラミックを長持ちさせる方法まで深く理解できたのではないでしょうか。

セラミックの平均寿命は約10年で、銀歯やプラスチックの被せ物と比較すれば長い方です。しかし、噛み合わせが合っていなかったり、歯磨きが不十分だったりすると、平均寿命に届かないことも。

セラミックの被せ物を長く使用していくためには、治療後のメンテナンスが必須です。歯間ブラシやデンタルフロスを併用して、被せ物の周囲に汚れが蓄積しないように日頃から注意しましょう。そして、ドクターに噛み合わせの調整もしっかりとしてもらいましょう。

ブラッシングなどの正しいセルフケアの方法が分からない方に関して、当院では丁寧な指導を行っています。治療後も変わらず、患者さまをあらゆる角度からサポートいたしますので安心してくださいね。当院は、初回カウンセリングも無料で行っています。お気軽にお問い合わせください。

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