奥歯は、食事の際に大きな力を受け止め、噛み砕く役割を担う非常に重要な歯です。
そのため、奥歯を1本失ってしまうと、噛み合わせのバランスが崩れ、反対側の歯や顎関節に負担がかかるだけでなく、将来的に他の歯を失うリスクも高まります。
失った奥歯を補う代表的な治療法のひとつが「インプラント治療」です。自然な噛み心地や見た目の美しさ、周囲の歯への負担が少ないことから、多くの方が選択肢に挙げます。しかし、「奥歯1本のインプラントは費用が高いのでは?」と不安に感じる方も少なくありません。
実際の費用は、選ぶインプラントの種類や素材、手術方法、骨造成の有無などによって変動します。この記事では、大阪でインプラント治療を専門的に行う帝塚山スマイルデザインクリニック、院長の岩下が、奥歯1本のインプラント費用相場や寿命、他治療法との比較、費用を抑えるためのポイントまで、専門的な視点で詳しく解説します。
目次
奥歯のインプラント治療とは
奥歯のインプラント治療とは、失った奥歯の部分に人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯(被せ物)を装着して機能と見た目を回復させる方法です。天然歯とほぼ同じ噛み心地を得られ、見た目も自然に仕上がるため、前歯だけでなく奥歯の欠損にも広く採用されています。
奥歯は咀嚼の主役ともいえる部位で、食事中に強い咬合力がかかります。そのため、インプラントには高い耐久性と正確な噛み合わせの調整が求められます。また、奥歯は見えにくい位置にあるため、見た目よりも機能性を優先した設計になることが多い一方で、将来的な清掃性やメンテナンス性も考慮した治療計画が欠かせません。
従来はブリッジや入れ歯が選択肢の中心でしたが、奥歯を支える健康な歯を削らずに済み、しっかりと噛めるという点で、インプラントは現代の歯科治療において有力な選択肢となっています。
奥歯の役割と重要性
奥歯は、食べ物を細かく噛み砕き、消化を助けるために不可欠な歯です。前歯が食材を切る役割を担うのに対し、奥歯は咀嚼の主力として大きな力を発揮します。上下の奥歯がしっかり噛み合うことで、顎関節や筋肉にかかる負担が均等に分散され、口全体の噛み合わせが安定します。また、奥歯が健全に機能していることで発音の明瞭さや顔の輪郭も保たれます。これらの理由から、奥歯の健康は食生活の質だけでなく、全身の健康にも直結しているのです。
奥歯を失った場合のリスク
奥歯を1本でも失うと、見た目の変化は小さくても、口腔全体の機能バランスに大きな影響を及ぼします。まず、咀嚼効率が低下し、硬い食べ物や繊維質の多い食材を避けるようになることで、栄養バランスが崩れる可能性があります。左右の噛み合わせが不均衡になると、反対側の歯に過剰な負担がかかり、摩耗や破折、歯周病の進行を招くリスクが高まります。
さらに、歯がなくなった部分の顎骨は時間の経過とともに吸収され、痩せていきます。骨量が減少すると、将来インプラントを入れたいと思ったときに骨造成が必要になるなど、治療の難易度と費用が上がります。歯の欠損部位に隣接する歯は、支えを失うことで傾いたり移動したりし、全体の噛み合わせが崩れる原因にもなります。これにより、顎関節症や肩こり、頭痛など、口腔外の不調を引き起こすこともあります。
また、奥歯の欠損は咀嚼時の力を支える面積が減少するため、残った歯の寿命を縮める一因にもなります。結果として、ドミノ倒しのように他の歯を次々と失う悪循環に陥ることも少なくありません。こうしたリスクを回避するためにも、早期の治療選択が重要です。
奥歯1本インプラント治療の基本的な流れ
奥歯1本のインプラント治療は、大きく分けて「診査・診断」「手術」「人工歯の装着」「メンテナンス」の4段階で進みます。まず初めに、CT撮影や口腔内写真、咬合検査などを行い、顎骨の厚み・密度、歯周組織の健康状態、全身の健康状態を確認します。これらの情報をもとに治療計画を立案し、必要に応じて歯周病治療や抜歯、骨造成(GBR)などの前処置を行います。
手術では、局所麻酔下で顎骨にチタン製のインプラント体を埋入します。埋入後は3〜6か月程度の治癒期間を設け、インプラントと骨が結合(オッセオインテグレーション)するのを待ちます。骨の状態や手術方法によっては、即時荷重(手術当日に仮歯を装着)も可能ですが、長期安定のためには十分な治癒期間を確保するケースが多いです。
結合が確認できたら、アバットメント(支台部)を装着し、その上にセラミックやジルコニア製の人工歯を取り付けます。人工歯の形態や色調は隣接歯と調和させるため、技工士が精密に調整します。治療完了後は、定期的なメンテナンスで噛み合わせや周囲組織の健康を維持することが重要です。
奥歯1本インプラントの費用相場
奥歯1本のインプラント治療費は、全国的な相場として30万〜50万円程度が一般的です。この金額には、インプラント体(人工歯根)、アバットメント(支台部)、人工歯(被せ物)といった主要パーツの費用に加え、手術料や診査診断料が含まれます。ただし、骨造成や静脈内鎮静などの追加処置が必要な場合は、その分の費用が加算されるため、総額が相場より高くなるケースもあります。
また、費用は地域や医院の設備、採用するインプラントメーカー、医師の経験や専門性によっても変動します。都市部の専門クリニックでは最新のデジタル機器や高品質な素材を導入している場合が多く、その分価格帯も高くなる傾向があります。一方、低価格を打ち出す医院もありますが、使用する素材や治療工程、保証内容に差があるため、単純な金額比較だけで判断するのは危険です。
特に奥歯は咬合力が強くかかる部位のため、耐久性や精度の高い治療が求められます。費用の安さだけに目を向けず、長期的な安定性やアフターケア体制も含めて総合的に判断することが、後悔しないためのポイントです。
一般的なインプラント費用の目安
奥歯1本のインプラント治療費は、全国平均で30万〜50万円前後が目安とされています。内訳としては、インプラント体(人工歯根)が約15万〜25万円、アバットメント(支台部)が約5万〜10万円、人工歯(被せ物)が約10万〜15万円程度です。これらの金額には、初診時の診査・診断、CT撮影、手術費用、仮歯の製作なども含まれる場合がありますが、医院ごとに料金体系が異なるため注意が必要です。
また、難症例で骨造成(GBR)や上顎洞挙上術(サイナスリフト)が必要な場合は、5万〜20万円程度の追加費用が発生します。さらに、静脈内鎮静法を併用する場合や、特殊な手術器具を使用する場合にも別途費用がかかることがあります。
一見すると高額に感じられますが、奥歯は咬合力が大きく、耐久性や精度が求められるため、使用する素材や設計、手術精度にコストがかかります。安価な治療を選んだ場合、耐用年数が短くなったり再治療が必要になるリスクもあるため、初期費用と将来のメンテナンスコストを総合的に考えることが重要です。
保険適用の有無
日本の歯科医療制度では、インプラント治療は原則として自由診療(自費診療)に分類され、健康保険は適用されません。これは、インプラントが機能回復だけでなく、審美性や快適性といった要素も重視した先進的治療と位置づけられているためです。したがって、奥歯1本のインプラント治療費は全額自己負担となります。
例外として、先天的な欠損や外傷による広範囲の顎骨欠損など、限られた条件下では「顎顔面補綴」として健康保険の適用対象になることがあります。しかし、これは特殊な症例に限られ、一般的な虫歯や歯周病による欠損は対象外です。
一部の自治体や企業では、医療費補助制度や福利厚生の一環としてインプラント費用の一部を補助してくれる場合があります。また、医療費控除の対象にはなるため、年間の医療費総額が一定額を超える場合は、確定申告で税金の還付を受けられる可能性があります。費用面での負担を軽減するためには、こうした制度や控除を事前に確認しておくことが大切です。
費用を左右する要因(素材・手術法・骨造成の有無)
奥歯1本のインプラント治療費は、いくつかの要因によって大きく変動します。主な要因は以下の通りです。
インプラント体と人工歯の素材
インプラント体はほとんどがチタン製ですが、メーカーによって純チタンやチタン合金など材質や加工技術が異なります。また、人工歯部分はセラミック、ジルコニア、ハイブリッドレジンなどがあり、審美性・耐久性に優れた素材ほど費用が高くなる傾向があります。特に奥歯は咬合力が強いため、耐摩耗性の高いジルコニアが選ばれることが多く、その分費用も上がります。
手術方法の違い
標準的な2回法手術のほか、条件が整えば即時荷重インプラントや抜歯即時埋入など、治療期間を短縮できる方法もあります。これらは高い技術力と専用機器が必要で、場合によっては追加費用が発生します。また、静脈内鎮静法やガイドサージェリーを用いた精密手術を行う場合も、費用が上乗せされます。
骨造成の有無
奥歯の欠損後、時間が経つと顎骨が痩せてしまうことがあります。この場合、骨造成(GBR)や上顎洞挙上術(サイナスリフト、ソケットリフト)といった追加処置が必要です。骨造成の種類や範囲によって費用は5万〜20万円以上変動することがあり、治療総額に大きく影響します。
このように、インプラントの費用は単に「1本いくら」という一律料金ではなく、素材・方法・前処置の有無など複数の要素が絡み合って決まります。そのため、見積もり時には費用内訳を細かく確認し、将来的なメンテナンスコストも含めて総合的に判断することが大切です。
奥歯1本インプラントの寿命とメンテナンス費用
インプラントは「半永久的に使える」と思われがちですが、実際には適切なケアと定期的なメンテナンスがあってこそ長持ちします。特に奥歯は咬合力が強くかかるため、耐久性の高い設計や素材を選んでも、使い方やお口の環境によって寿命は変わります。一般的に、良好な状態を維持できれば10〜20年以上機能を保つことも可能ですが、メンテナンスを怠ると数年でトラブルが発生することもあります。
また、インプラントは虫歯にはなりませんが、周囲の歯ぐきや骨に炎症が起きる「インプラント周囲炎」になることがあります。特に奥歯は清掃が難しく、食べかすや歯垢が残りやすいため、日常のセルフケアとプロによる定期クリーニングの両方が欠かせません。さらに、噛み合わせの変化や歯ぎしり、食いしばりもインプラントの寿命を縮める原因となるため、ナイトガードなどの予防策が推奨される場合があります。
寿命をできるだけ延ばすためには、治療直後だけでなく、長期にわたりメンテナンスを継続する意識が重要です。費用面でも、メンテナンスの有無によって将来の再治療コストが大きく変わる可能性があります。
平均寿命の目安
奥歯1本のインプラントは、正しいケアと定期的なメンテナンスを続ければ10〜15年、場合によっては20年以上使用できるとされています。国内外の研究でも、10年以上の生存率は90%以上という高い成功率が報告されています。ただし、この数字は「定期的なメンテナンスを受け、日常的な口腔ケアを徹底している」ことが前提条件です。
寿命を縮める主な原因には、インプラント周囲炎、噛み合わせの変化、歯ぎしりや食いしばり、糖尿病などの全身疾患、喫煙習慣があります。特に奥歯は噛む力が集中しやすく、摩耗やネジの緩み、被せ物の破損が起こりやすい部位です。これらのトラブルは早期発見・早期対応を行えば大きな問題に発展する前に解決できるため、メンテナンスの重要性は非常に高いといえます。
また、人工歯部分(被せ物)は消耗品のため、長期使用により摩耗や欠けが生じた場合には交換が必要になることがあります。インプラント本体(人工歯根)よりも、上部構造のほうが先に交換時期を迎えるケースが多いため、将来のメンテナンス計画にはこの点も考慮しておくことが大切です。
メンテナンスにかかる費用と頻度
奥歯1本のインプラントを長く使い続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。一般的には3〜6か月に1回の頻度で、歯科医院でのプロフェッショナルケアを受けることが推奨されます。
メンテナンス内容は、専用器具によるインプラント周囲のクリーニング、噛み合わせのチェック、人工歯やアバットメントの緩み確認、レントゲン撮影による骨状態の確認などです。費用は1回あたり3,000〜8,000円程度が目安で、医院の設備や検査内容によって変わります。
また、ナイトガード(マウスピース)の使用を勧められることもあり、これには1〜3万円程度の費用がかかります。人工歯(被せ物)は長年使用すると摩耗や欠けが生じることがあるため、10年前後で交換が必要になる場合もあります。この場合、1本あたり10万〜15万円程度の追加費用が発生します。
こうしたメンテナンスや部品交換の費用を長期的に見積もっておくことで、治療後に想定外の出費に驚かされることを防げます。初診やカウンセリングの段階で、メンテナンス計画と費用目安を確認しておくことが、安心して治療を受けるためのポイントです。
奥歯インプラントと他治療法の費用比較
奥歯を失った場合の治療法には、インプラントのほかにブリッジや部分入れ歯があります。それぞれ費用や機能性、耐久性、見た目の面で特徴が異なるため、比較して検討することが重要です。
インプラントは30万〜50万円前後と初期費用は高めですが、周囲の健康な歯を削らずに独立して噛む力を回復でき、長期的に見れば再治療や修理の頻度が少なく、総合的なコストパフォーマンスに優れます。一方、ブリッジは10万〜30万円程度で治療期間も短く済みますが、両隣の健康な歯を削る必要があり、その歯の寿命を縮めるリスクがあります。部分入れ歯は数万円〜15万円程度と安価ですが、装着時の違和感や咀嚼力の低下、定期的な調整や作り替えの必要が出てきます。
費用だけで選ぶと、短期的には安くても長期的なメンテナンスや再治療で結果的にコストがかさむ場合があります。特に奥歯は咬合力が強くかかるため、耐久性や安定性を重視した選択が望まれます。
ブリッジとの比較
ブリッジは、欠損部分の両隣の歯を大きく削り、それらを支台として連結した人工歯を装着する治療法です。費用は10万〜30万円程度とインプラントより低く、治療期間も短いのが特徴です。また、保険診療が可能な場合もあり、経済的負担を軽減できるケースもあります。
しかし、最大のデメリットは健康な隣接歯を削る必要があることです。歯を削ることで神経がダメージを受け、将来的に神経の治療や抜歯が必要になる可能性が高まります。また、支台となる歯に過度な負担がかかるため、その歯の寿命が短くなるリスクもあります。
さらに、欠損部の骨には咬合刺激が伝わらないため、時間とともに骨が痩せていきます。これにより、歯ぐきが下がって隙間が目立ったり、見た目や装着感に影響が出ることもあります。奥歯の場合、咀嚼力や耐久性の面でインプラントのほうが優れていますが、短期的な費用や治療期間を優先する場合にはブリッジを選ぶケースもあります。
部分入れ歯との比較
部分入れ歯は、欠損部分に人工歯を並べ、金属製または樹脂製のクラスプ(留め具)で隣接する歯に固定する取り外し式の補綴装置です。費用は数万円〜15万円程度と最も安価で、治療期間も短く、外科的処置を必要としないため身体的負担が少ないというメリットがあります。
しかし、奥歯での使用にはいくつかのデメリットがあります。まず、噛む力は天然歯の約20〜30%程度にとどまり、硬いものや弾力のある食品の咀嚼が難しくなることがあります。また、クラスプが目立つ場合があり、見た目を気にされる方にとっては大きなマイナスポイントとなります。さらに、クラスプによって支えとなる歯に負担がかかり、歯の揺れや歯周病の進行を招くこともあります。
取り外し式であるため、毎日の清掃や就寝時の取り外しが必要で、管理を怠ると口臭や口内炎の原因にもなります。加えて、顎骨に咬合刺激が伝わらないため、時間とともに骨が痩せ、入れ歯の適合が悪くなって再製作や調整が必要になるケースが少なくありません。こうした点を踏まえると、長期的な機能性・快適性を重視する場合にはインプラントのほうが優れています。
奥歯2本インプラントの場合(別記事への導線)
奥歯を2本連続で失った場合、治療計画や費用は1本の場合とは大きく異なります。2本とも独立したインプラントを入れる方法もあれば、症例によっては2本を連結したブリッジタイプの上部構造を採用するケースもあります。そのため、治療の設計や費用の総額は、骨の状態・噛み合わせ・使用する素材などによって変動します。
費用の目安は60万〜100万円前後ですが、骨造成や静脈内鎮静、即時荷重などの追加処置が必要な場合はさらに高くなる可能性があります。2本分の治療になるため、術前の精密検査やシミュレーションはより重要です。
奥歯2本のインプラント治療については、治療法の選び方・費用相場・長期的なメンテナンスまで詳しく解説した別記事をご用意しています。詳しくは以下のリンクからご覧ください。
奥歯1本インプラントで失敗しないためのポイント
インプラントは高額かつ外科的処置を伴う治療であり、治療後の満足度や長期的な安定性は歯科医院選びや治療計画によって大きく左右されます。特に奥歯は咬合力が強く、適切な設計や素材選び、噛み合わせ調整が不十分だと、短期間でトラブルが発生する可能性があります。
また、術前の説明不足や費用内訳の不透明さが、治療後の不満やトラブルにつながるケースも少なくありません。さらに、治療後のメンテナンス体制が整っていない医院では、インプラント周囲炎や部品の破損などの問題が発見されにくく、寿命が大きく縮まるリスクがあります。
失敗を防ぐためには、事前に複数の医院で相談・比較を行い、治療実績や使用しているインプラントメーカー、保証制度、メンテナンスの内容までしっかり確認することが重要です。
実績のある歯科医院を選ぶ
奥歯のインプラント治療は、見た目だけでなく強い咬合力に耐えられる設計と高い外科的精度が求められます。そのため、治療経験が豊富で、奥歯の症例実績を多く持つ歯科医院を選ぶことが成功の第一歩です。経験豊富な歯科医師は、骨の状態や噛み合わせ、全身の健康状態まで総合的に判断し、最適な手術方法と設計を提案できます。
また、インプラントの世界ではメーカーやシステムの選択も重要です。信頼性の高いメーカーは世界的に長年の臨床実績があり、将来の部品交換や修理にも対応しやすいメリットがあります。症例数が多い医院ほど、複雑な条件や難症例にも柔軟に対応できるため、長期的な安定性が期待できます。
医院を選ぶ際は、公式サイトや院内掲示で症例写真や治療実績を確認したり、カウンセリング時に具体的な治療計画や成功率について質問してみるとよいでしょう。こうした確認を怠らないことで、安心して治療を任せられる医院かどうかを見極められます。
カウンセリングで費用内訳を確認する
奥歯1本のインプラント治療は、同じ「1本」といっても素材や手術法、前処置の有無によって総額が大きく変動します。そのため、初回カウンセリングでは必ず費用の内訳を詳細に確認することが重要です。
費用の内訳には、インプラント体・アバットメント・人工歯の料金だけでなく、診査診断料、CT撮影料、骨造成や静脈内鎮静などの追加処置費用、治療後のメンテナンス費用、保証期間と条件などが含まれます。これらがすべて明示されているかどうかで、治療後の予期せぬ追加請求を防げます。
また、「見積もりに含まれていない費用が発生する可能性があるか」「保証期間中の修理や再治療は無償か有償か」など、事前に確認しておくべき項目は多くあります。説明が不十分だったり、曖昧な回答しか得られない場合は、別の医院でセカンドオピニオンを受けることも検討しましょう。
費用面の不透明さは、治療後の不満やトラブルの大きな原因です。納得いくまで質問し、書面で見積もりや契約内容を受け取ることが、安心して治療を進めるための鍵となります。
メンテナンス体制を重視する
インプラント治療は、手術が終わったら完了ではなく、その後の維持管理が寿命を大きく左右します。特に奥歯は咬合力が強く、インプラント周囲炎や被せ物の破損などのトラブルが起こりやすいため、治療後のメンテナンス体制がしっかり整っている歯科医院を選ぶことが重要です。
理想的なメンテナンス体制では、定期的な咬合チェックや歯周組織の検査、専用器具を用いたクリーニング、必要に応じたレントゲン撮影などを実施します。また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方にはナイトガードの提供や、咬合調整を行うことも重要です。
医院によっては、インプラント専用のメンテナンスプログラムや保証制度を設けており、万が一トラブルが発生した際にも迅速に対応できる仕組みを備えています。治療前の段階で「どのくらいの頻度で通院が必要か」「メンテナンス費用はいくらかかるか」「保証はどの範囲まで適用されるか」を明確にしておくと、長期的な安心につながります。
当院の奥歯インプラント治療
帝塚山スマイルデザインクリニックでは、奥歯のインプラント治療において長期安定性と快適な噛み心地を両立させることを重視しています。奥歯は咬合力が非常に強くかかる部位のため、耐久性の高い素材と精密な設計、適切な手術手技が不可欠です。当院では、事前の精密検査とシミュレーションにより、患者様一人ひとりの骨の状態や噛み合わせを細かく分析し、最適な治療計画を立案します。
また、インプラントメーカーは世界的に信頼性の高いシステムを採用しており、将来のメンテナンスや部品交換にも対応可能です。治療後は専用のメンテナンスを通じて、長期的に安定した状態を維持できるようサポートします。
長期安定を目指す治療設計
当院では、奥歯のインプラント治療において10年、20年先まで快適に使い続けられる設計を基本方針としています。まず、CT撮影や咬合分析によって骨の質・量、噛み合わせのバランスを詳細に把握し、負担が一点に集中しないようインプラントの埋入位置や角度を精密に計画します。
特に奥歯は咬合力が非常に強く、わずかな設計ミスでも人工歯やインプラント体への負担が増し、破損や寿命短縮につながります。そのため、咬合圧を分散させる形態や、噛み合わせの微調整を行いながら治療を進めます。また、骨量が不足している場合には、骨造成を適切なタイミングで組み込み、安定性を確保したうえで埋入します。
さらに、インプラントと骨の結合期間を十分に確保し、人工歯装着後も定期的な噛み合わせ調整を行うことで、長期的なトラブル防止を実現しています。このような計画性の高い治療設計により、患者様が安心して噛める日常を長く維持できることを目指しています。
骨造成・難症例への対応
当院では、骨量不足や複雑な解剖構造など、一般的には難しいとされる症例にも対応しています。奥歯は特に骨の吸収が進みやすく、上顎では上顎洞、下顎では神経管との距離が近いなど、解剖学的な制約が多い部位です。そのため、骨造成(GBR)や上顎洞挙上術(サイナスリフト・ソケットリフト)などの追加処置が必要になるケースもあります。
当院では事前にCT撮影で骨の厚み・高さ・密度を正確に計測し、必要な場合は骨移植材や再生膜を用いた骨造成を行います。これにより、インプラント体を安定した位置・角度で埋入でき、長期的な安定性が確保されます。さらに、ガイドサージェリーやマイクロスコープを用いた精密な埋入により、リスクを最小限に抑えた手術が可能です。
難症例では治療期間や費用が増える傾向がありますが、安定性や安全性を優先することで、将来的なトラブルや再治療のリスクを大幅に減らせます。骨造成を伴う症例でも、しっかりと噛める奥歯の機能回復を目指した治療を提供しています。
まとめ:奥歯1本の欠損にはインプラントがぴったり
奥歯は咀嚼の要となる重要な歯であり、1本失うだけでも噛み合わせや全身の健康に大きな影響を与えます。インプラントは、ブリッジや部分入れ歯に比べて費用は高めですが、隣接歯を削らずに天然歯に近い噛み心地と見た目を再現でき、長期的な機能維持に優れています。
奥歯1本のインプラント費用は一般的に30万〜50万円前後で、素材や手術法、骨造成の有無によって変動します。治療後の寿命は10年以上を目指せますが、そのためには日常的なセルフケアと定期的なメンテナンスが不可欠です。費用を比較する際は、初期費用だけでなく長期的なメンテナンス費用や保証内容も含めて検討することが大切です。
当院では、精密な治療計画と高度な手術技術、充実したアフターケアを通じて、患者様が長く安心して奥歯のインプラントを使い続けられる環境を整えています。もし奥歯の欠損でお悩みの方は、まずはカウンセリングで現在の状態や治療方法、費用について詳しくご相談ください。長期的な視点で、ご満足いただける治療をご提案いたします。
【執筆・監修者】

帝塚山Smile Design Clinic(スマイルデザインクリニック)
院長:岩下太一(歯学博士)
ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト認定医
オステムインプラントインストラクター 講師
日本審美歯科学会 認定医
他、所属学会、認定資格多数
充実した無料カウンセリング

初回費用は一切かかりません。安心してご相談ください。
当院では患者様に安心してインプラント治療を受けて頂くために、無料カウンセリングを充実させております。お口の中のお写真やレントゲン写真、場合によってはインプラントの骨を確認するためのCT撮影も無料で行います。もちろん、初回なので一切費用はかかりません。患者様に今のお口の状態を知って頂き、納得してインプラント治療を受けて頂くことが私たちの喜びです。
ITIインプラントスペシャリスト認定医

~ 世界レベルのインプラント治療をあなたへ ~
帝塚山スマイルデザインクリニックの院長はインプラント治療を他の歯科医師に教えるインストラクターの指導的立場として歯科界に貢献しております。また世界的に有名なインプラント学術団体のITI(International Team for Implantology)の日本支部公認インプラントスペシャリストの認定医でもあります。他院で難しいと言われたインプラント治療でも当院では十分に対応できる技術があります。