「40代で入れ歯なんて恥ずかしい…」
歯を失った際の治療法として入れ歯を提案されても、年齢的な抵抗感や見た目への不安から、なかなか決断できない方は少なくありません。特に40代は、仕事や人間関係などで人と接する機会も多く、「口元が老けて見えるのでは」「話すときに入れ歯が気づかれるのでは」といった心配がつきまとうものです。
しかし、40代で歯を失うことは決して珍しいことではありません。原因は歯周病や虫歯、事故などさまざまで、同世代で入れ歯を使用している方も少なくありません。さらに、入れ歯には見た目や快適さを重視した選択肢もあり、抵抗感を大きく減らすことが可能です。
この記事では、40代で入れ歯を選ぶことへの心理的なハードルや背景、見た目や機能面での工夫、そして見た目や安定感をより高めたい方に適したインプラント治療についても解説します。大阪でインプラント治療を専門的に行う帝塚山スマイルデザインクリニック院長の岩下が、後悔しない選択のための判断材料をお伝えします。
目次
40代で入れ歯は恥ずかしい?多くの人が感じる心理
40代で入れ歯を使うことに対し、多くの方が抱く感情は「恥ずかしい」というものです。特に働き盛りの年代では、見た目や年齢とのギャップが気になり、治療に踏み切るまでに心理的なハードルが高くなりがちです。
この年代はまだ若々しさや健康的な印象を保ちたいという意識が強く、「入れ歯=高齢者」という固定観念との間で葛藤が生じます。さらに、入れ歯に関する情報はネガティブな印象を与えるものも少なくなく、それが心理的負担を大きくする原因となります。
入れ歯を恥ずかしいと感じる背景には、年齢とのギャップ、周囲からの視線、そして自分自身の美意識やプライドが深く関係しています。こうした感情を整理することで、より前向きに治療法を検討できるようになるでしょう。
年齢とのギャップによる見た目の不安
40代で入れ歯を使うことに抵抗を感じる最大の理由のひとつが、年齢と見た目のギャップです。多くの人は「入れ歯=高齢者」というイメージを持っており、その固定観念と自分の年齢との間に差があることで、強い心理的抵抗が生まれます。
特に40代は、仕事や家庭、趣味などでアクティブに活動する時期です。人と会う機会も多く、第一印象や外見への意識も高い年代であるため、口元の見た目が老けて見えるのではないかという懸念が強まります。実際、部分入れ歯の金属バネが見えてしまったり、装着によって口元の輪郭がわずかに変化したりすることで、本人が大きな不安を抱くケースは少なくありません。
また、同年代で天然歯がそろっている人と比べてしまい、「自分だけが特別に老けて見えるのでは」という意識が生まれることもあります。このような不安は、職場での立場や社交の場での自信にも影響を与えかねません。
ただし、現在では入れ歯の技術や素材は大きく進歩しており、見た目にほとんど違和感がないタイプや、自然な笑顔を保てるデザインも多く存在します。年齢とのギャップを感じさせない工夫を取り入れることで、こうした心理的負担は大きく軽減できるのです。
芸能人や知人の影響で抱くイメージ
40代で入れ歯を使うことへの印象は、テレビやSNSで目にする芸能人・著名人、そして身近な知人の事例から大きな影響を受けます。特に芸能人が入れ歯を公表した場合、そのイメージは多くの人の記憶に残り、「若くても入れ歯を使う人はいる」という事実を知るきっかけになる一方で、ネガティブな反応も同時に広がりやすくなります。
例えば、番組やインタビューで「入れ歯を入れている」と打ち明けた芸能人の中には、ポジティブに語る人もいれば、過去の不便や恥ずかしさを振り返る人もいます。後者のエピソードは共感を呼びやすい一方で、「やはり入れ歯は不便で人に知られたくないもの」という先入観を強めてしまうこともあります。
また、知人や同僚が入れ歯を使っていることを知った場合、その人の話し方や笑い方、食事の仕方などに目が向き、「自分も同じように見られるのでは」と感じることもあります。こうした身近な経験は、実際の不便さよりも「周囲からどう見られるか」という心理的な部分に影響を与える傾向が強いのです。
しかし一方で、近年は目立たない入れ歯や自然な見た目を実現する技術が進化し、芸能人や著名人でも「入れ歯をしていることが全くわからない」ケースも増えています。こうした前向きな事例を知ることは、入れ歯への抵抗感を減らすための一歩になるでしょう。
周囲に知られたくないという気持ち
40代で入れ歯を使用することを、職場や友人、家族など身近な人に打ち明けることに抵抗を感じる方は少なくありません。特に仕事で多くの人と接する立場にある場合や、社交的な場面が多い人ほど、「知られたら恥ずかしい」「年齢より老けて見られるのでは」という不安が強くなります。
この「知られたくない」という感情の背景には、入れ歯に対する古いイメージや偏見があります。入れ歯=高齢者という認識が根強く残っており、実際には40代やそれ以下でも利用している人が多いにもかかわらず、自分だけ特別な状況に置かれているように感じてしまうのです。
また、会話や笑顔の際に入れ歯が見えることへの抵抗感も大きな要因です。部分入れ歯の場合、金属バネ(クラスプ)がチラリと見えることがあり、それが「人に気づかれるのでは」という心理的な負担につながります。さらに、食事中や会話の最中に入れ歯が少し動いたり外れたりする不安も、周囲に隠したい気持ちを強めます。
しかし、近年は金具のないノンクラスプデンチャーや、歯茎の色や歯の形まで細かく再現できる審美性の高い入れ歯が増えています。こうした技術を活用すれば、他人から気づかれにくくなり、心理的な負担を軽減することが可能です。大切なのは、「見た目や機能にこだわった入れ歯にできる」という事実を知り、信頼できる歯科医と選択肢を比較検討することです。
実は40代で入れ歯になる人は珍しくない
「入れ歯は高齢者のもの」というイメージを持つ方は多いですが、実際には40代で入れ歯になる方も決して少なくありません。歯の喪失は年齢だけで決まるものではなく、歯周病や虫歯、外傷、噛み合わせの不良など、さまざまな原因によって起こります。特に歯周病は自覚症状が少なく進行するため、気づいたときには複数本の歯を失ってしまうケースも珍しくありません。
さらに、事故やスポーツによる外傷で歯を失う場合や、もともとの歯質や骨の状態が弱いことで若くして歯を失う人もいます。40代という年齢は、仕事や家庭での忙しさから歯科受診を後回しにしやすく、その結果、治療が遅れて抜歯に至るケースも少なくありません。
厚生労働省の調査や歯科業界の統計を見ても、部分入れ歯を使用している人の中には40代も一定数含まれており、むしろ「珍しい特別なケース」ではないことが分かります。この事実を知ることで、「自分だけが特別」という孤立感や恥ずかしさを和らげることができるでしょう。
歯周病や虫歯による歯の喪失
40代で歯を失う原因として最も多いのが、歯周病と虫歯です。
歯周病は、歯を支える骨(歯槽骨)が炎症によって徐々に溶けていく病気で、進行すると歯がグラグラになり、最終的には抜歯せざるを得なくなります。日本人の成人の約8割が程度の差はあれど歯周病にかかっているとされ、40代では進行期に差し掛かる方も多くなります。
虫歯もまた、放置や再発によって歯の根まで侵されてしまうと、根管治療や被せ物でも保存できず、抜歯に至るケースがあります。特に、過去に治療した歯の再感染(2次カリエス)は、治療が難しく、短期間で進行してしまうことが少なくありません。
このように、歯周病や虫歯は中高年層だけの問題ではなく、30〜40代にも多く見られます。そして、数本の歯を失った場合には部分入れ歯が選択肢に上がることが多く、特に奥歯を複数失った場合は咀嚼力や噛み合わせの回復のために入れ歯が有効な場合があります。
若くても総入れ歯・部分入れ歯になる事例
入れ歯というと高齢者のイメージが強いかもしれませんが、実際には40代やそれ以下の年齢でも総入れ歯・部分入れ歯になる方は少なくありません。
原因はさまざまで、重度の歯周病や虫歯のほか、事故やスポーツ外傷による歯の喪失、さらには生まれつき歯の数が少ない「先天性欠損」もあります。特に事故や外傷の場合は、短期間で複数本を失うこともあり、部分入れ歯やインプラントなどの補綴治療が必要になることがあります。
生活習慣も大きく影響します。たとえば、糖質の多い食事や間食の頻度、喫煙習慣、口腔ケアの不足などが重なると、若い年代でも歯を失うリスクが高まります。また、歯ぎしりや食いしばりといった噛む力の過剰負担によって、歯が割れたり、歯周組織が損傷して抜歯に至るケースもあります。
近年では、芸能人や著名人の中にも、若い頃から部分入れ歯を使用していることを公表する方が増えています。こうした事例は「若くても歯を失うことはあり得る」という現実を知るきっかけになり、入れ歯への偏見をやわらげる効果も期待できます。
部分入れ歯利用者の割合データ
部分入れ歯は、高齢者だけでなく中年層にも広く使われている治療法です。厚生労働省が実施した歯科疾患実態調査によると、40代でも数%の人が部分入れ歯を使用しており、50代以降になるとその割合はさらに増加します。特に、歯周病や虫歯で複数本の歯を失った場合、ブリッジでは対応できず、部分入れ歯を選択するケースが少なくありません。
また、歯科業界の統計や民間の調査データでも、30代後半から40代にかけて部分入れ歯の使用が始まる傾向が確認されています。こうした数値は、「40代で入れ歯になるのは特別なこと」というイメージを払拭し、同じような境遇の人が一定数存在する安心感につながります。
このような背景を理解することで、「自分だけが特別に早く入れ歯になった」という孤立感を和らげ、前向きに治療と向き合える可能性が高まります。見た目や快適さに配慮した入れ歯を選ぶことで、日常生活の質を損なわずに過ごすことも十分に可能です。
恥ずかしさの本質は「見た目」と「機能面」の不安
40代で入れ歯を使うことに抵抗を感じる理由の多くは、年齢的な偏見よりも、実際には「見た目」と「機能面」に関する不安に集約されます。周囲からの視線や第一印象はもちろん、日常生活における快適さや安心感に直結する要素だからです。
例えば、部分入れ歯では金属のバネ(クラスプ)が笑ったときや会話中に見えてしまうことがあり、これが「老けて見られるのでは」という懸念を強めます。また、入れ歯がしっかりフィットせず、食事中や会話中にズレたり外れたりすると、精神的なストレスが大きくなり、人前で口を開けること自体を避けるようになる場合もあります。
さらに、入れ歯の形状や厚みによっては、装着後に口元のふくらみや表情が変化し、自分自身の顔の印象に違和感を覚えることもあります。こうした見た目や機能の課題は、適切な素材選びや設計によって大きく改善できるため、単なる「恥ずかしさ」ではなく、具体的な改善策を検討することが重要です。
部分入れ歯の金属バネ(クラスプ)が目立つ
部分入れ歯を装着する際、多くの方が気にするのが金属バネ(クラスプ)の存在です。クラスプは入れ歯を安定させるために隣の歯に引っかける金具で、機能面では欠かせないものですが、見た目の面では「入れ歯だと気づかれてしまう」最大の要因になりやすい部分でもあります。
特に前歯付近にクラスプがかかる場合、会話や笑顔の際に金属が光って見え、相手に「入れ歯をしている」と意識させてしまう可能性があります。この見た目の問題は、若い世代や40代のようにまだ現役で社会活動を行う方にとって、大きな心理的負担となります。
また、クラスプは経年とともに摩耗や変形を起こすことがあり、その結果としてより目立つようになったり、装着感が悪化することもあります。ただし、現在では金属を使わない「ノンクラスプデンチャー」や、目立ちにくい樹脂製クラスプなど、審美性を重視した選択肢も増えています。これらを活用することで、金具の見た目に悩む方でも、自然な口元を維持しながら快適に使用することが可能です。
会話や食事中のズレや外れ
入れ歯に慣れていない方や、装着して間もない時期に特に感じやすいのが「ズレ」や「外れ」の不安です。会話をしている最中に微妙に動いてしまったり、食事の際に硬いものや粘り気のある食品を噛んだときに外れそうになる感覚は、多くの患者様が経験する悩みの一つです。
この不安は、単なる物理的な問題にとどまらず、周囲に気づかれたくないという心理的な緊張にもつながります。例えば、職場でのプレゼンや会議、友人との食事の場など、人前で話す機会が多い方にとっては、発音のしづらさや不自然な口の動きがストレス要因になりかねません。
また、部分入れ歯の場合でも、装着が甘いと噛んだときに浮く感覚が出ることがありますし、総入れ歯の場合は特に吸着力が安定するまでに時間がかかります。さらに、咀嚼時の力のかけ方や噛み癖によってもズレやすさは変わります。
ただし、適切な調整や、吸着力やフィット感を高める設計(精密義歯・シリコン裏装など)を選ぶことで、この不安は大幅に軽減できます。経験豊富な歯科医師と技工士の連携によって作られた入れ歯は、会話や食事の際も安定性が高く、日常生活において入れ歯を意識する場面を減らすことが可能です。
口元のふくらみや表情の変化
入れ歯を装着すると、口元の輪郭や表情に微妙な変化が生じることがあります。これは、歯の位置や厚み、人工歯の形態、歯茎部分のレジンのボリュームなどが、唇や頬の位置に影響を与えるためです。特に40代の方は、まだ顔の筋肉や皮膚の張りが保たれているため、わずかな変化でも自分で気づきやすく、「以前と比べて口元がふくらんで見える」「笑った時の口の形が変わった気がする」といった違和感を覚えることがあります。
また、部分入れ歯の場合でも、クラスプや土台の形状が唇の内側に軽く触れることで、発音や口の動かし方に微細な変化が生じ、表情がやや硬くなるケースもあります。こうした変化は他人から見れば気づかれにくいものですが、本人にとっては気になるポイントになりやすいのです。
一方で、入れ歯の設計次第では、むしろ口元の張りや輪郭を自然に整える効果も期待できます。頬や唇が内側に入り込みやすい欠損部位に適度なボリュームを持たせることで、若々しい印象を保てる場合もあります。重要なのは、見た目と機能の両方を考慮したデザインを行うことです。歯科医師と技工士が患者様の顔立ちや表情の動きまで考えながら作製すれば、入れ歯が「不自然な変化」ではなく「自然な若々しさ」の一因になることも十分可能です。
恥ずかしさを軽減する入れ歯の工夫
入れ歯に対する「恥ずかしい」という感情の多くは、見た目の不自然さや機能面での不便さから生じます。しかし、近年は素材や設計技術の進歩によって、これらの不安を大幅に軽減できる選択肢が増えています。特に40代の方の場合、周囲の目を気にせず自然に会話や食事を楽しめることが重要であり、そのための工夫を取り入れることで心理的負担は大きく変わります。
例えば、従来の金属バネが目立つ部分入れ歯に代わり、金具を使わない樹脂製のノンクラスプデンチャーを選べば、笑顔や会話の際にも装着がほとんど分かりません。また、保険外素材を使えば透明感や色調の再現性が高まり、より自然な口元を演出できます。さらに、歯科技工士との密な連携によって、患者様の顔立ちや咬み合わせに合わせたオーダーメイド設計が可能になり、フィット感や快適さも向上します。
このように、見た目や装着感に配慮した入れ歯は、従来の「仕方なく使うもの」というイメージを覆し、「自然な生活を支えるパートナー」へと変えることができます。恥ずかしさを理由に治療をためらう必要はなく、現代の入れ歯治療は審美性と機能性の両立が可能になっているのです。
目立たない部分入れ歯(ノンクラスプデンチャー)
ノンクラスプデンチャーは、従来の部分入れ歯で使われてきた金属バネ(クラスプ)を排除し、特殊な樹脂で歯に固定するタイプの入れ歯です。金属がないため、笑ったときや会話中に装置が見える心配がほとんどなく、自然な見た目を重視する方に特に選ばれています。樹脂部分は歯ぐきの色に近いピンク色や透明感のある素材が使われ、周囲からは装着していることが分かりにくいのが特徴です。
さらに、ノンクラスプデンチャーは軽量で薄く作れるため、装着感が快適で違和感が少ないのもメリットです。金属を使わないことで金属アレルギーの心配もなく、口腔内の健康面でも安心感があります。ただし、保険適用外となる場合が多く、費用は従来の部分入れ歯より高くなる傾向があります。
40代で入れ歯を選ぶ際、見た目の自然さや装着時の快適さを重視する方には、このノンクラスプデンチャーは有力な選択肢となります。特に人と接する機会が多い職業の方や、日常的に笑顔を見せる機会が多い方にとって、大きな安心材料となるでしょう。
保険外素材での審美性アップ
入れ歯の見た目や質感をより自然に近づけたい場合、保険外素材の選択が有効です。保険診療で用いられる入れ歯は、強度や機能性は十分であっても、素材や色調に制限があるため、どうしても人工的な印象が残ることがあります。一方、保険外診療ではセラミックや高品質レジン、金属床など、多様な素材から選べるため、より審美性の高い仕上がりが可能です。
たとえば、セラミック歯を使用すれば、天然歯の透明感や光の反射まで再現でき、周囲の歯と調和した自然な見た目が実現します。また、高品質レジンは色調の調整幅が広く、歯ぐき部分の色味や質感も個人に合わせてカスタマイズできます。さらに、金属床を使うことで入れ歯を薄く軽くでき、装着時の違和感を軽減しつつ強度も確保できます。
保険外素材は費用面では高額になるものの、見た目や快適性、長期的な耐久性を求める方には大きな価値があります。特に40代のように、これから先も長期間使用することを考えると、初期投資として検討する価値は十分にある選択肢です。
技工士との連携で自然な見た目を再現
入れ歯の仕上がりは、歯科医師の診断や設計だけでなく、実際に入れ歯を製作する歯科技工士の技術によっても大きく左右されます。特に見た目の自然さや装着感の良さを追求する場合、歯科技工士と密に連携できる歯科医院を選ぶことが重要です。
精密な入れ歯製作では、患者様の顔全体のバランスや口元の動き、発音時の唇や頬の動きを考慮しながら歯の形や位置、歯ぐきの色合いを調整します。歯科技工士が診療に同席して色味や形態を直接確認できる環境では、より本人に合わせたオーダーメイド設計が可能となります。
また、技工士との綿密なやり取りにより、初回装着時から快適なフィット感を得られる可能性が高まり、後の調整回数も減らせます。見た目と機能の両方を満たす入れ歯を求める場合には、技工士と連携した製作体制を持つクリニックを選ぶことが、長期的な満足度を大きく左右します。
入れ歯以外の選択肢:自然な見た目を求めるならインプラントも
入れ歯の改良が進んだとはいえ、「より自然な見た目」や「ズレない快適さ」を求める場合には、インプラントも有力な選択肢となります。インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に被せ物を装着する治療法で、固定式のため装着中の違和感が少なく、会話や食事中に外れる心配がありません。
また、天然歯に近い質感や色調を再現でき、笑ったときに金属部分が見えることもありません。さらに、隣接する健康な歯を削らずに治療できるため、他の歯や口腔全体の健康を長期的に守る効果も期待できます。
部分的な欠損から全ての歯を失ったケースまで対応でき、奥歯・前歯いずれでも審美性と機能性を両立しやすいのが特徴です。見た目の自然さと安定感を重視する方にとって、入れ歯と比較検討する価値の高い治療法と言えるでしょう。
インプラントの構造と見た目の自然さ
インプラントは、歯を失った部分の顎の骨にチタン製の人工歯根(フィクスチャー)を埋め込み、その上にアバットメント(連結部品)と人工歯(クラウン)を装着する仕組みです。チタンは生体親和性が高く、骨と強固に結合するため、天然歯のような安定感が得られます。
見た目の面では、人工歯を周囲の歯の色や形に合わせてオーダーメイドで製作できるため、パッと見ただけでは天然歯と区別がつかないほど自然な仕上がりになります。特に前歯のインプラントは、透明感や色調の再現性が高く、笑ったときや会話中にも違和感がほとんどありません。
さらに、入れ歯のように金属バネが見えることもなく、食事や会話の際にズレる心配もないため、口元に自信を持ちやすくなります。見た目の自然さはもちろん、日常生活での安心感も得られる点が、40代の方にインプラントが選ばれる大きな理由の一つです。
会話・食事時の安定性
インプラントは顎の骨にしっかり固定されるため、会話や食事の際にズレたり外れたりする心配がほとんどありません。入れ歯の場合、特に初期段階では発音が不明瞭になったり、硬い食べ物や粘着性のある食材を食べる際に動いてしまうことがありますが、インプラントではそのような不安が大幅に軽減されます。
また、咀嚼力も天然歯に近いため、食べられる食材の幅が広くなり、食事の満足度が向上します。奥歯のインプラントではステーキやフランスパンのような硬い食品も噛み切りやすく、前歯のインプラントではサンドイッチや寿司のような前歯で噛み切る動作も自然に行えます。
さらに、会話中に入れ歯が動いて「カチカチ」と音がしたり、外れる瞬間を気にする必要がないため、人と接する場面でも自信を持って振る舞えます。こうした安定性の高さは、職場や人前に出る機会が多い40代の方にとって、大きなメリットとなります。
部分欠損・全欠損どちらにも対応可能
インプラントは、1本だけ歯を失った場合から、全ての歯を失った場合まで、幅広いケースに対応できる治療法です。部分的な欠損であれば、失った歯の本数に応じて必要な本数のインプラントを埋入し、その上に人工歯を装着します。周囲の健康な歯を削る必要がなく、隣接歯への負担を避けられる点は、ブリッジや部分入れ歯との大きな違いです。
一方、全ての歯を失った場合でも、総入れ歯の代替としてインプラントを利用できます。例えば、片顎に4〜6本程度のインプラントを埋入し、その上に全体の人工歯列を固定する「オールオン4(All-on-4)」や「オールオン6」といった治療法があり、従来の総入れ歯に比べて高い安定感と噛む力を得られます。
40代の場合、事故や重度の歯周病、遺伝的要因などで早期に多数の歯を失うケースもあり、部分欠損・全欠損どちらにも対応可能なインプラントは、長期的な機能回復と審美性を両立する有力な選択肢となります。将来的に残存歯が減った場合でも、追加のインプラントや補綴の調整で対応できる柔軟性も魅力です。
長期的コストとメンテナンス面
インプラントは初期費用が高いという印象を持たれがちですが、長期的に見ればコストパフォーマンスに優れた治療法です。一般的に、インプラントの耐用年数は適切なメンテナンスを行えば10〜20年以上とされ、場合によってはそれ以上長く機能することもあります。一方、保険適用の入れ歯は3〜5年程度で作り直しや修理が必要になるケースが多く、繰り返しの再製作費用が積み重なると、総額ではインプラントと大きな差がなくなることがあります。
また、インプラントは定期的な歯科検診とクリーニングを継続することで、長期的な安定が可能です。特に「インプラント周囲炎」を防ぐためには、専用器具を使ったプロフェッショナルケアと、日々のセルフケアが不可欠です。こうした管理を怠ると、インプラントの寿命が短くなる可能性があります。
40代でインプラントを選ぶ場合、長期にわたって使用することを前提に、初期費用だけでなく将来のメンテナンス費用や通院頻度も含めた総合的なコストを考慮することが大切です。適切なメンテナンス体制を持つ歯科医院を選ぶことで、快適さと経済性を両立できます。
まとめ:40代で入れ歯を選ぶのは珍しくない、恥ずかしさは工夫で減らせる
40代で入れ歯を使用することは、決して珍しいことでも恥ずかしいことでもありません。歯を失う原因は多岐にわたり、同世代でも部分入れ歯や総入れ歯を使っている方は少なくないのです。見た目や機能面での不安は、素材や設計の工夫、技工士との連携によって大きく軽減できます。
また、自然な見た目や安定感を重視する場合は、インプラントという選択肢もあります。インプラントは隣接歯を削らず、噛み心地や見た目の自然さに優れ、長期的に快適な口腔環境を維持しやすい治療法です。ただし、初期費用やメンテナンス体制などを含めた総合的な判断が必要です。
どちらの治療法を選ぶにしても、重要なのはご自身の生活スタイルや価値観、将来を見据えた治療計画です。帝塚山スマイルデザインクリニックでは、専門的な視点から複数の治療プランを提示し、患者様が納得できる選択をサポートします。迷ったときこそ、専門家の意見を取り入れ、自分に合った方法を選びましょう。
【執筆・監修者】

帝塚山Smile Design Clinic(スマイルデザインクリニック)
院長:岩下太一(歯学博士)
ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト認定医
オステムインプラントインストラクター 講師
日本審美歯科学会 認定医
他、所属学会、認定資格多数
充実した無料カウンセリング

初回費用は一切かかりません。安心してご相談ください。
当院では患者様に安心してインプラント治療を受けて頂くために、無料カウンセリングを充実させております。お口の中のお写真やレントゲン写真、場合によってはインプラントの骨を確認するためのCT撮影も無料で行います。もちろん、初回なので一切費用はかかりません。患者様に今のお口の状態を知って頂き、納得してインプラント治療を受けて頂くことが私たちの喜びです。
ITIインプラントスペシャリスト認定医

~ 世界レベルのインプラント治療をあなたへ ~
帝塚山スマイルデザインクリニックの院長はインプラント治療を他の歯科医師に教えるインストラクターの指導的立場として歯科界に貢献しております。また世界的に有名なインプラント学術団体のITI(International Team for Implantology)の日本支部公認インプラントスペシャリストの認定医でもあります。他院で難しいと言われたインプラント治療でも当院では十分に対応できる技術があります。