当院が専門的に対応しているオールオン4は、すべての歯を失った場合でも、できるだけ少ない本数のインプラント(通常4〜6本)で片顎を支えることを目的とした治療法です。
インプラントを埋入したその日のうちに仮歯を装着できるケースもあり、「すぐに歯が入る」「短期間で社会生活に復帰できる」といった点が大きな魅力です。
オールオン4は、すべての歯を失った方や「歯がボロボロでもう限界…」という方の選択肢となる治療法です。
ただ、すぐに決められないというのも当然のこと。入れ歯や複数本のインプラントなど、他の方法と何がどう違うのか、気になる方も多いはずです。
このページでは、オールオン4とその他の代表的な治療法(総入れ歯・フルインプラント・オーバーデンチャー)を比較しながら、それぞれの特徴をわかりやすく解説しています。
いずれの治療も当院で対応可能です。どの治療が合うかは、患者様のお口の状態やご希望によって変わります。
だからこそ、オールオン4を前向きに検討している方にも、今いちど他の治療法との違いを知っていただきたいのです。
※この表はスクロールできます
総入れ歯 | フルインプラント | インプラントオーバーデンチャー | オールオン4 | |
---|---|---|---|---|
固定性 | × 外れやすい |
◎ しっかり固定される |
○ ほとんど外れることはない |
◎ しっかり固定される |
咬む力 | × 天然歯の約1/5 |
◎ 天然歯とほぼ同程度 |
○ (中程度) |
◎ 天然歯とほぼ同程度 |
見た目の自然さ | △ | ◎ | ○ | ◎ |
手術の有無 | 不要 | 必要 | 必要 | 必要 |
痛みや身体への負担 | ◎ 手術を行わないため痛みもない |
△ 埋入本数が多いため痛みや負担が生じやすい |
○ 埋入本数が少ないため痛みや負担も少ない |
○ 埋入本数が少ないため痛みや負担も少ない |
トラブル時の対応 | ◎ 入れ歯だけの修理で対応可能 |
○ 部分的な修理が可能 |
◎ 入れ歯部分だけの修理で対応可能 |
△ 一体型のため部分的な修理は難しい |
メンテナンス性 | ◎ 取り外して洗える |
△ 専用の清掃が必要 |
○ 取り外して洗えるが専用の清掃も必要 |
△ 専用の清掃が必要 |
費用の目安 | 数万円〜数十万円 | 片顎300万円〜400万円以上 | 片顎100万円前後 | 片顎250万円前後 |
当院が専門的に対応しているオールオン4は、すべての歯を失った場合でも、できるだけ少ない本数のインプラント(通常4〜6本)で片顎を支えることを目的とした治療法です。
インプラントを埋入したその日のうちに仮歯を装着できるケースもあり、「すぐに歯が入る」「短期間で社会生活に復帰できる」といった点が大きな魅力です。
また、当院ではすべての症例にサージカルガイドを使用し、歯茎へのダメージを最小限に抑えるデジタル歯科治療を導入。「痛みが怖い」「歯科治療が苦手」という方にも安心して選んでいただける体制を整えています。
上部構造は一体型となっているため、高い安定性と審美性を兼ね備えつつ、トラブル時には全体交換が必要になる可能性があるという点はあらかじめご理解いただく必要があります。
それでも、費用・手術の負担・仕上がりの美しさのバランスを考慮したとき、多くの患者様が「これなら前向きに治療できる」と選ばれているのが、オールオン4なのです。
もっとも古くからある治療法で、手術を伴わずに比較的安価に行えるのが特徴です。外科処置に抵抗がある方や、予算的に抑えたい方が選択されることもあります。
ただし、安定性や咬む力の面では大きな制限があるのが実情です。装着中にずれたり、外れたりすることもあり、天然歯と比べて咬合力は大幅に低下します。
また、見た目や話しづらさ、日々のケアの煩わしさを理由に、最終的には固定式の治療へ移行される方も少なくありません。
「入れ歯は不安定で不便だけれど、インプラントは本数が多くて負担が大きそう…」そんな方に適しているのが、インプラントオーバーデンチャーという選択肢です。
これは、数本のインプラント(通常2〜4本)を埋入し、それを固定源として入れ歯を安定させる治療法です。入れ歯は着脱式で、日々のお手入れがしやすいというメリットがあります。
見た目や噛み心地の点では、固定式インプラントにやや劣るものの、「外れない」「しっかり噛める」入れ歯として、従来の総入れ歯よりも圧倒的に安定性が高く、会話や食事に対するストレスを大きく軽減することができます。
一方で、入れ歯の構造上、人工歯部分のボリュームがやや大きくなるため、違和感を覚える方もいらっしゃいます。審美性や快適性を最優先される場合は、固定式の治療法との比較検討が必要です。
歯を失った部分ごとにインプラントを埋入し、その上にブリッジを装着する治療法です。
オールオン4のように片顎すべてを一体化せず、通常3ブロックほどに分けて上部構造を設計するため、トラブルが発生した際も一部のみの修理や交換が可能で、長期的な費用や治療の負担が抑えられることがあります。
咬合力や見た目の自然さは非常に高く、全顎治療としての完成度も高い方法です。ただし、インプラントの本数が多くなり、外科手術の負担や費用が大きくなる点には注意が必要です。また、骨の状態によってはこの治療法を選べないこともあります。
「噛めなくて不便だけど、まあ仕方ない」「痛くないから放置している」
歯を失っても、そのまま過ごしてしまっている方は少なくありません。しかし、歯がない状態を放置することは、見た目だけでなく、噛む・話す・健康を守るといった多くの面で大きな影響を及ぼします。
ここでは、歯がボロボロになった状態、またはすべての歯を失った状態を放置することで起こる主な変化を解説します。
歯がなくなると、まず顕著に表れるのが見た目の変化です。
特に上顎の前歯や奥歯を失うと、口元がへこむ・シワが増える・顔全体が老けた印象になるといった変化が起こりやすくなります。
歯は、唇や頬を内側から支える役割も果たしています。
その支えがなくなると、筋肉がたるみ、いわゆる“老け顔”になってしまうのです。
また、歯が抜けた隙間を隠すために自然と口を開けなくなる方も多く、表情の硬さ・自信のなさにもつながります。
歯がなくなると、単純に「噛めない」だけではありません。
長期的には、残された歯が動いたり傾いたりして、噛み合わせ全体が崩れてしまうことが多いです。
さらに深刻なのは、「歯を支える顎の骨(歯槽骨)」の吸収です。
歯が抜けた場所には咬む刺激が伝わらなくなり、それによって骨は徐々に痩せていきます。これを骨吸収と呼びます。
骨が痩せると、将来的にインプラントなどの固定式治療ができなくなる可能性が高まり、入れ歯も不安定になりやすくなります
歯の喪失は、お口の中だけの問題ではありません。噛む力が失われると、食事の内容が制限され、栄養の偏りや咀嚼力の低下が健康リスクに直結することもあります。
特に高齢の方においては、咀嚼能力の低下が認知症などの進行と関連しているという研究報告もあります。また、「話しにくい」「滑舌が悪くなる」といった機能面の変化も、社会的なコミュニケーションの減少を招きやすくなります。
つまり、歯がないことを“そのままにしている”こと自体が、健康寿命にまで影響を与える可能性があるのです。
このように、歯を失った状態を放置することは、「見た目が気になる」だけでは済まされません。
治療のタイミングが遅れるほど、選べる治療法が限られてしまったり、費用や手間が増えてしまうこともあります。
フルインプラント、オールオン4、インプラントオーバーデンチャー、入れ歯、どの治療法にもメリットとデメリットがあります。
治療を選ぶうえで重要なのは、「どれが一番良いか」ではなく、「自分に合った方法を、正しく理解して選ぶこと」です。
ここでは、治療法ごとの違いにかかわらず、共通して意識しておくべきポイントをご紹介します。
どの治療法においても欠かせないのが、「清掃のしやすさ=清掃性」です。
歯が失われた箇所を補う構造は複雑になりやすく、プラーク(歯垢)がたまりやすい部位が増える傾向にあります。
特にインプラントでは、プラークの放置が「インプラント周囲炎」という深刻なトラブルを引き起こす原因になります。治療後は歯ブラシに加えてフロス・歯間ブラシ・専用の清掃器具なども使い、清掃性を維持することが大切です。
すべての歯を補う治療では、「噛み合わせのバランス」も非常に重要なポイントです。咬合力(噛む力)が偏ると、次のようなトラブルが起こりやすくなります。
当院では、治療前の診断において咬合バランスを細かく評価し、噛み合わせまで見据えた治療計画を立てています。
どの治療法にも共通して、「治療が終わってからがスタート」という考え方が必要です。
再治療を防ぐために意識すべきポイントには、次のようなものがあります。
治療が成功しても、その状態を長く保つためには患者さんご自身によるケアと、医院によるサポートの両方が欠かせません。
どの治療を選ぶ場合でも、「一度つければ安心」ではなく、「正しく使い、正しく保つ」ことが、長期的な成功の鍵となります。
すべての歯を補う治療法にはいくつかの選択肢がありますが、「誰にでも最適な万能な治療法」というものは存在しません。
それぞれの治療には、適応できる条件・起こりうるリスク・長期的な課題があります。 ここでは、主な治療法の向き不向きやリスクについて、具体的にご紹介します。
また、オールオン4は上部構造が一体型のため、破損や緩みが生じた際に“部分的な修理が難しい”というデメリットもあります。
ほとんどの歯を失ったケースで、オールオン4以外の治療法の向き不向きについても見てみましょう。
【向いている方】
【リスク・注意点】
【向いている方】
【リスク・注意点】
【向いている方】
【リスク・注意点】
同じように「歯がボロボロで全部治さなければならない」という状態であっても、どの治療が合うかは、骨の状態・生活スタイル・見た目に対する希望・費用の考え方などによってまったく異なります。
だからこそ、「どれが一番いいか」ではなく、「自分にとって何が一番合っているか」を知ることが大切なのです。
帝塚山スマイルデザインクリニックでは、オールオン4を専門的に行っておりますが、それ以外の治療法もすべて院内で対応可能です。
無理にオールオン4をすすめることはありませんので、どうぞご安心ください。
どの治療を選ぶべきか悩んでいる。今の自分の状態で、そもそもインプラントは可能なのかが不安。そのようなご相談も、もちろん大歓迎です。
当院の無料カウンセリングでは、口腔内の状態を確認し、CTや口腔内スキャンを活用して、治療の選択肢を丁寧にご説明いたします。
ご希望があれば、オールオン4以外の治療法についてもメリット・デメリットを正直にお伝えします。
まずは知るところから始めてみませんか。