『現在総入れ歯を使用していて、もっとしっかり食事ができるようにしたい』
『全部の歯をインプラントにするのは無理でしょうか?』
『歯が全くない状態でもインプラントで食事ができるようになりますか?』
ご高齢の方に限らず、50代〜60代の方でも、すでに歯列全体がボロボロになってしまっており、総入れ歯やそれに近い状態で日々の生活を送られている方は、意外とたくさんおられます。
そんな方々にとっての、最後の希望とも言える治療が、総インプラントです。一本でさえ高額なインプラントを歯列全体に施すとなると、費用もかなりかかりますが、ほとんど全ての歯を失った方が再び何のストレスもなく食事ができるようになる方法は、インプラント以外にはありません。
しかし総インプラントは歯科医師にとっても非常に難易度の高い治療であり、症例も少ないため、対応できる歯科医院も限られます。このページでは、歯をほとんど全て失ってしまったという方に向けて、全部の歯をインプラントにするような総インプラント、また少ない本数のインプラントで歯列を回復させるオールオン4や、インプラントと総入れ歯の折衷案とも言えるインプラントオーバーデンチャーについて、ご紹介いたします。
当院は大阪でも数少ない、総インプラントの手術に対応ができる歯科医医院です。院内にインプラント治療を専門的に行う『インプラント大阪』を設置しており、世界レベルのインプラント治療を大阪市内で受けていただけます。難易度の高いインプラント治療で他院で断られてしまったような患者様が、関西各地から当院にご来院くださっています。
当院では徹底的に痛みに配慮したインプラント治療をご提供しております。手術の際の痛みを減らし、予後も良くなる治療を徹底することで、これまでインプラントに興味はあったけれどあと一歩が踏み出せなかったという方に、インプラント治療をお届けできるようになりました。また当院ではインプラントを検討されている患者様を対象に、無料でのカウンセリングを行っております。インプラントに不安や疑問がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
目次
当院で総インプラントの治療をした症例をご紹介
はじめに、当院で総インプラントの治療を行った症例を簡単にご紹介させてください。
こちらの症例の患者様は、50歳を過ぎた頃から入れ歯を入れており、もともとインプラントをご希望でしたが、以前通っていた歯科医院では『あなたのお口の状態ではインプラントは難しい』と断られていたそうです。
当院に来院されたときには、折れたり歯茎に埋まってたりしている歯が11本もあり、残っている歯もすべて虫歯や根の膿で保存が難しい状態でした。
患者様は来院当時78歳でしたが、お身体は健康だったので、上顎8本と下顎6本のインプラントで、上下それぞれ12本ずつの人工歯を支えられるように設計しました。
折れた歯や歯茎に埋まっていた歯を全て除去し、歯周病治療なども終えたのちに最終の歯が入った際には、本当に喜んでいただけました。当時78歳とはいえまだまだお元気でしたので、しっかりと食事ができるようになりたいと強く思われていた患者様。術後には本当に何でも食べられるようになったと喜んでくださり、朝から焼肉を食べるほど食事を楽しんでいただいているそうです。
当院ではこのような難易度の高い総インプラントにも対応できる、技術力に自信のある歯科医院です。歯列全体の状態が非常に悪く、総入れ歯しかないと諦めている患者様や、他院にインプラントは絶対に無理だと言われた患者様でも、諦めずにぜひ一度お問い合わせください。
>>入れ歯で20年近く我慢していた患者様が総インプラントで噛めるようになった症例
全ての歯を失ってしまった人にご提案できる治療法
全ての歯を失ってしまった、歯列全体がボロボロで総入れ歯を使用している、このような方に残されている治療の選択肢は、多いとは言えません。
ここまで進行してしまった場合、ほとんどの方が総入れ歯を選択されますが、総入れ歯は嫌だ、しっかり食事を噛めるようにしたい、固定式のインプラントにしたい、というような方には、以下の3種類の治療をご提案しています。
- 総インプラント
- オールオン4
- インプラントオーバーデンチャー
①総インプラント
総インプラントというと、全部の歯をインプラントに置き換えるというようなイメージをされる患者様が多いかと思いますが、実はそうではありません。
そもそもインプラントは1本あたり40万円〜60万円ほどするため、もしも本当に全部の歯をインプラントにするとなると、最低24本のインプラントを埋入することになり、費用は1,000万円単位になってしまいます。
もちろんそんな治療を行うことはほとんどなく、一般的に総インプラントというと、上下それぞれ6本〜8本ほどのインプラントを用いて、上下12本ずつの人工歯をセットするような治療を指します。
例えば先ほど掲載した症例のお写真でも、上顎は8本、下顎は6本のインプラントで、それぞれ12本ずつの人工歯を支えられるように設計しています。総インプラントを行う場合、上顎の骨は薄く柔らかいため、下顎と比べて必要なインプラントの本数が増える傾向にあります。
先述の症例の場合、片顎ごとにインプラントによるブリッジを3ピースずつ設置することで、歯列を構成しています。以下の写真で線を入れている箇所が、人工歯の切れ目になります。
以下で紹介するオールオン4やオールオン6は切れ目のない一続きになった人工歯をセットするのに対し、当院の総インプラント治療では、あえて切れ目を作り、片顎ごとに3ピースに人工歯を分割しています。
というのも、こうすることで将来何かトラブルが起きた際、対応がより簡単になるというメリットがあります。オールオン4のような一続きの人工歯は、トラブルが起きた際に人工歯を全て外す必要があります。対して3ピースに分けた総インプラントであれば、トラブルが起きた箇所の1ピースだけを外せばトラブルへの対処を行えます。
②オールオン4・オールオン6
オールオン4は上記の写真の通り、4本のインプラントだけで一続きになった人工歯を固定するような治療法です。こちらも全ての歯を失ってしまった方におすすめの治療で、4本のインプラントで人工歯を全て固定するため、上記で紹介した3ピースの総インプラントよりも埋入するインプラントの本数が少なく、費用負担を軽減しながら治療を行えます。
オールオン6の場合は、埋入するインプラントの本数が6本に変わります。基本的にはオールオン4で治療を行うことが多いですが、顎の骨の状態が悪い方や、噛む力が強い方は、インプラント4本では人工歯を支えられない場合があるので、オールオン6を採用します。
オールオン4・オールオン6は、総インプラントと同様に完全に人工歯を固定するので、取り外しを行うことはありません。
③インプラントオーバーデンチャー
3つ目の選択肢として、インプラントオーバーデンチャーが挙げられます。インプラントオーバーデンチャーは総インプラントと総入れ歯の折衷案のような治療方法で、顎の骨に埋入したインプラントを固定源に、入れ歯をガッチリと固定して使用する治療方法です。
インプラントオーバーデンチャーの最大の利点は必要なインプラントの本数が少ない点で、最小1本〜2本程度のインプラントで、上部構造の入れ歯を固定することができます。埋入するインプラントの本数が少ないため、費用負担を大幅に減らすことが可能です。
総インプラントやオールオン4・オールオン6と比べると安定感や噛み心地は劣りますが、基本的には食べられない食材はなく、ふとしたときに入れ歯が外れてしまうということもありません。硬いお肉やお煎餅といったものも、問題なく食べることができます。
またインプラントオーバーデンチャーの大きな特徴として、上部構造の入れ歯が取り外し式という点が挙げられます。取り外し式のため毎日着脱する手間や、お手入れの手間がかかります。ただしこういった手間を惜しまない方にとっては、清掃性が高くお口の中の健康を維持しやすい治療方法でもあります。
当院ではこれら全ての治療に対応が可能です。患者様のご希望や口腔状況に合わせたご提案をいたします。インプラントに関わる治療のカウンセリングは無料で行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
総インプラントやオールオン4による治療を行う理由・メリット
総入れ歯ではなく総インプラントやオールオン4による治療を行う理由として、しっかりと噛めるようになるという理由が大きいという方は多いかと思います。しかしそれ以外にも、総インプラントやオールオン4による治療を行うことによって、得られるメリットがございます。
①審美性を高められる
特に壮年期の方や前期高齢者の方にとっては、見た目の若々しさは重要なポイントかと思います。見た目の美しさ、つまり審美性を求める方にとっては、総インプラントやオールオン4による治療のメリットは非常に大きいです。
もちろん自費治療で作成する精密な総入れ歯であれば、ある程度の審美性を担保することはできますが、骨と一体となっているインプラントの審美性には敵いません。口元の自然な見た目、清潔感は若々しさに直結します。こういった理由で総入れ歯ではなく総インプラントやオールオン4による治療を選択される方は多いです。
②廃用性萎縮を抑制する
人間の体には廃用性萎縮という作用があり、使われていない組織は徐々に萎縮していきます。宇宙飛行士が地上に戻った際に自力で歩けなくなるのは、廃用性萎縮により足の筋力や骨が弱ってしまうからです。
これと同様に、歯を失った歯茎や顎の骨は、廃用性萎縮の作用によりどんどん弱っていきます。総入れ歯を入れていても、歯茎や顎の骨への刺激は少なく、廃用性萎縮を止めることはできません。最初はピッタリと合っていた入れ歯も、廃用性萎縮によって歯茎や顎の骨が痩せていくことで、徐々に合わなくなってしまいます。
対してインプラントは顎の骨に結合して噛む力を直接伝えることができるため、廃用性萎縮を食い止めることができます。総インプラントやオールオン4による治療にすることで廃用性萎縮による顎の骨や歯茎の退縮を抑え、健康的で若々しい口元を保つことができます。
③噛めることで全身の健康を維持する
総インプラントやオールオン4によってしっかりと噛めることは、全身の健康維持にも繋がります。
例えば残存歯の数と認知症の発症率には相関が見られるというデータがあり、しっかりと噛めることが認知症の予防につながるという調査結果が出ています。
また良く噛めると唾液の分泌量が多くなるため、お口の中の衛生環境が維持しやすくなり、歯周病の予防になります。
さらにしっかりと咀嚼ができることで、食べ物の胃腸での消化がしやすくなり、内臓への負担を軽減することができます。
このように良く噛める状態を維持することは、単に食事が楽しめるというだけでなく、全身の健康維持にも寄与するのです。
当院の総インプラントやオールオン4による治療の流れ
最後に当院で総インプラントやオールオン4による治療を行う際の流れを、簡単にご説明します。
総インプラントやオールオン4による治療が必要なほど多くの歯を欠損している患者様は、ほぼ確実に歯周病の問題を抱えられています。歯周病が重度に進行してしまった結果、歯茎が弱り歯を支える歯槽骨が溶けてしまったことにより、歯列を維持することができなくなったというパターンが多いです。
そのためまずは徹底的に歯周病の治療を行います。再発しないように歯周病治療を徹底して行うことで、埋入したインプラントがトラブルなく使い続けられる口腔内環境を整えます。
また骨も溶けてしまったり萎縮してしまっているケースが多いため、骨造成治療を行います。インプラントを支える骨が弱っていると、インプラントの埋入そのものができません。骨造成は非常に難易度の高い治療ですが、当院ではこれまで多くの骨造成を行ってきているので、安心して治療を受けていただけます。
>>骨が足りなくてもインプラントができる?骨造成・骨移植について解説
歯周病治療や骨造成治療、場合によっては歯肉の移植治療などを行ったのちに、インプラントの埋入手術を行います。
当院ではサージカルガイドと呼ばれる、インプラント治療を補助するデジタル歯科治療の道具を使用しています。サージカルガイドを使用することで、コンピューター上で設計した位置に、高い精度でインプラントを埋入することができます。
一般的な歯科医院ではサージカルガイドを院内で作成することができず、外部に発注することになる(費用がかかる)ため、あまりサージカルガイドを使用したくないという歯科医師も多いです。
当院は院内設備として3Dプリンターを導入し、院内でサージカルガイドを作成できる体制を完備しております。これにより患者様への費用負担を抑えて、サージカルガイドを使用することができるようになりました。
サージカルガイドを使用すると、設定した位置にズレなくインプラントを埋入できるため、歯茎を大きく切開する必要もなく、小さな穴を開けるだけで手術を行えます。
これにより精密な治療を短時間で行うことができ、切開をしないため治癒も早く痛みもほとんど伴わない、患者様に優しい治療を実現しました。
総インプラントとオールオン4の違いをさらに深掘り
オールオン4とは
オールオン4とは、4本のインプラントで前歯から奥歯まで一続きになった人工歯を支えることで、少ない本数のインプラントで片顎全ての咬合機能を補う治療方法です。
通常、インプラントは土台となる人工歯根を一本埋め込み、上部構造として歯1本分の人工歯(被せ物)を装着することで、欠損した歯単体を補います。対してオールオン4では、片顎の歯槽骨全体に合計で4本の人工歯根を埋入し、その上に12本ないしは14本分の歯が連結した形状の人工歯を装着します。
オールオン6も存在する
オールオン4と同様の仕組みで、6本のインプラントで上部構造を支える、オールオン6というシステムも存在しております。オールオン4と比較して埋入するインプラントの本数が増えるため、顎の骨が薄い方や噛む力が強い方など、人工歯根4本では上部構造を支えるのが難しいようなケースで、オールオン6での治療を行います。
オールオン4のメリット
片顎に12本ないしは14本のインプラントを埋入する、いわゆる総インプラントのような方法と比較して、オールオン4での治療には複数のメリットがございます。
オールオン4のメリットは以下の通りです。
- 顎の骨が薄い方でも治療できる場合が多い
- 身体への負担軽減につながる
- 治療期間を短縮できる
- 骨の吸収を抑えられる
- 費用負担を軽減できる
それぞれ詳しく解説します。
①顎の骨が薄い方でも治療できる場合が多い
総インプラントと比較した際のオールオン4の大きなメリットとして、顎の骨が薄い方でも治療できる場合が多いことが挙げられます。総インプラントのように、人工歯を入れる箇所全てに人工歯根を埋入するとなると、歯槽骨の全体に骨量が豊富な必要があり、骨が足りない場合は骨造成などの方法で骨を作る必要があります。
対してオールオン4の場合、人工歯根を埋入する箇所は4箇所だけなので、骨の多い箇所を選んで人工歯根を埋入することができ、ある程度骨がある方であれば骨造成などの治療を行わずにオールオン4の治療を受けられる可能性が高いです。
②身体への負担軽減につながる
上述した通り、通常のインプラント治療では、インプラントを埋入する箇所に骨が足りない場合、骨造成などの治療が必要になります。骨造成の治療には4ヶ月〜半年程度あり、治療のために歯肉を切開するなど、時間的にも身体的にも負担の大きな治療となります。そのためオールオン4で骨造成を行わずに治療することができれば、患者様の身体への大きな負担軽減となります。
また、インプラントを埋入する箇所が少ないということは、それだけ歯肉を切開する範囲や、歯槽骨に穴を開ける回数が少なくなるということです。オールオン4や総インプラントなどの処置が必要になりやすいのは、やはりご高齢の方が多く、身体への侵襲が少ないことは大きなメリットとなります。
③治療期間を短縮できる
患者様の骨の状態等々にもよりますが、オールオン4はインプラントの人工歯根を埋入した当日に、上部構造を固定できる場合があります。
一般的なインプラント治療では、人工歯根を埋入したあとで、さらに数ヶ月、患部に人工歯根が定着するのを待つ必要があり、その間は歯がない状態になります。オールオン4であれば、患者様の状態にもよりますが、手術の翌日にはごく普通にお食事ができるというようなケースもあり、治療期間を短縮すること、また治療期間中のQOLを維持し続けることが可能です。
④骨の吸収を抑えられる
人体には廃用性萎縮と呼ばれる仕組みがあり、使われていない器官は徐々に衰えていきます。これは顎の骨(歯槽骨)にも言えることで、歯がない状態が長期間続くと、歯槽骨が痩せてしまい、顔貌の変化や咬合への悪影響が生じることもあります。
オールオン4の治療では、③でご説明した通り、手術当日に上部構造を入れることができた場合、手術の翌日にはある程度食事などができるようになります。これにより歯槽骨にしっかりと噛み合わせの負荷がかかり、廃用性萎縮が起きにくくなるため、オールオン4による治療は顎の骨の吸収を抑えることができると考えられます。
⑤費用負担を軽減できる
オールオン4のメリットの中でも特に大きいものが、費用負担の軽減です。費用を負担できる理由は2つあります。
1つ目の理由は、埋入する人工歯根の数が少ない点です。総インプラントと比較して、埋入する人工歯根の数は1/3ほどに減らすことができるため、その分の費用負担が軽減できます。
2つ目の理由は、骨造成をせずに済むケースがある点です。骨造成は難易度も高く、また骨を作るための材料なども必要なため、比較的費用のかかる歯科治療です。骨造成を行う箇所が増えれば増えるほど、費用も高額になります。オールオン4であれば、全く骨造成をしなくても済む場合もあるため、その点で費用負担を軽減できるのです。
オールオン4のデメリット
メリットの非常に多いように感じるオールオン4ですが、デメリットもございます。ここではオールオン4のデメリットについてもご説明するので、治療を検討されている方は必ずご覧ください。
オールオン4のデメリットは、以下の通りです。
- 歯が残っていると治療できないため抜歯が必要
- 限られた歯科医院でなければ治療できない
- トラブルが起きた際に上部構造を全て外す必要がある
- (特に上顎は)オールオン6でなければ治療できない場合がある
- 介護などが必要になった際に介護者の負担になることがある
- 健康保険適用外のため入れ歯等と比べると費用が高額になる
それぞれ詳しく解説します。
①歯が残っていると治療できないため抜歯が必要
オールオン4は、片顎全てを一続きになった人工歯で補う治療です。そのため、歯が残っている場合は、治療が行えません。残っている歯がたとえ健康な歯であった場合にも、オールオン4で治療をするのであれば、抜歯が必要になります。
②限られた歯科医院でなければ治療できない
オールオン4は、4本の人工歯根で上部構造を支えるため、噛み合わせのバランスを作ることなど非常に難しい要素がある治療です。通常のインプラント治療ができるからといって、オールオン4での治療ができるということではありません。そのためオールオン4の治療を受けられる医院数は限られます。さらに限られた医院の中から、ご自身に合った医院や、より治療に信頼のおける医院を探すのは、至難の業です。
またオールオン4は治療後のメンテナンスも非常に重要となり、定期的にメンテナンスのための通院を行う必要があるため、医院への通いやすささ、歯科医師との相性も重要になります。
③トラブルが起きた際に上部構造を全て外す必要がある
オールオン4の治療後に、万が一、上部構造や人工歯根にトラブルが起きた際には、上部構造が一続きになっているため、上部構造全てを一度人工歯根から取り外す必要があります。
通常のインプラントであれば、トラブルが起きた箇所の1歯分の上部構造だけを取り外して作り直したり対処することができますが、オールオン4は上部構造を全て外す必要があること、また上部構造にトラブルが起きた場合には全て作り直す必要がある、といったデメリットがございます。
④(特に上顎は)オールオン6でなければ治療できない場合がある
オールオン4はその名の通り、4本の人工歯根で上部構造全てを支える治療法ですが、患者様の骨が薄すぎる場合や、骨密度が低いような場合には、4本の人工歯根では上部構造を支えきれない場合があります。特に上顎は骨が薄い傾向にあり、オールオン4の治療を希望していても、実際にはオールオン6でしか治療できないというケースがよくあります。
⑤介護などが必要になった際に介護者の負担になることがある
オールオン4は総入れ歯やインプラントオーバーデンチャーと呼ばれる固定式の入れ歯とは異なり、ご自身での取り外しを行うことができません。患者様がお元気で歯科医院に定期的に通い、クリーニングを受けたりご自身で歯磨きができる間は問題になりませんが、患者様が介護が必要になった際や、認知症を発症した際には、取り外しできないことが大きなデメリットになります。
入れ歯のような取り外しができる治療装置であれば、介護者が入れ歯を外して、入れ歯そのものも口腔内も簡単に清掃することができます。オールオン4は取り外しができないため、介護者が歯磨きをするのがとても難しい側面があり、介護が必要な患者様は将来的に歯科医院にクリーニングやメンテナンスに通うことも難しくなることが予測できます。
さらにインプラントの人工歯根は衛生環境が悪くなると、インプラント周囲炎と呼ばれる歯周病によく似た症状を起こすことがあり、インプラント周囲炎が進行すると人工歯根が脱落してしまうこともあります。
こういった事態を防ぐためには、介護が必要になる前にオールオン4の上部構造を外し、人工歯根を顎の骨の中に埋め込んでしまう(特にリスクはありません)、もしくは人工歯根をそのままインプラントオーバーデンチャーと呼ばれる固定式入れ歯の固定源として転用する、といった方法が取られます。
⑥健康保険適用外のため入れ歯等と比べると費用が高額になる
総インプラント、オールオン4、オールオン6と種類を問わず、インプラントの人工歯根を使用する治療は、原則として健康保険適用外になります。総インプラントと比較すると費用負担の少ないオールオン4ですが、治療費用の相場は250万円前後とやはり高額なため、保険適用の入れ歯などと比べると患者様の費用負担の大きな治療です。
オールオン4を検討している方に知っていただきたいこと
オールオン4のメリットやデメリットをご紹介しましたが、このページでは、安易にオールオン4・オールオン6をおすすめはいたしません。オールオン4やオールオン6は、歯科医師にとっても非常に難易度の高い治療です。
オールオン4は4本の人工歯根で上部構造全てを支えますが、これは『たった4本の人工歯根で本来12本〜14本の天然の歯根にかかっていた負担を受ける』ということです。1本の人工歯根あたり、本来の3歯分以上の負荷を受けることになるため、非常に繊細な噛み合わせの調整や治療技術が求められます。そのため本来オールオン4やオールオン6は、インプラントや噛み合わせへの造詣の深い、限られた歯科医師のみが扱う治療だと考えております。
しかし実際には近年これらの治療を希望する患者様が多くなっているということもあり、十分な知識や技術がない歯科医院が、オールオン4などの治療を行っているケースもあるのではないかと思います。
そのためこのページをご覧のオールオン4やオールオン6といった全顎的なインプラント治療を検討されている方には、歯科医院の症例や評判をしっかりと確認した上で、慎重に医院選びを行なっていただければと思います。
3ピースに分割した総インプラント治療という選択肢
オールオン4のデメリットとして、上部構造や人工歯根に問題が生じた際に、上部構造を全て外して作り直す必要がある点についてご説明しました。当院ではこのデメリットを解消できる、3ピースに分割した総インプラント治療を行っております。
オールオン4などの治療の謳い文句として、総インプラントのような治療と比較して、安価に治療を行えるという話はよく聞くかと思いますが、実際にこのようなデメリットについて聞くことは少ないはずです。確かに総インプラントのように、一本ずつ人工歯根を埋入し、それぞれに単一の人工歯を装着すると、治療費用がかなりかかってしまいます。しかしいざトラブルが発生した際には、オールオン4の上部構造は12本〜14本ほどの人工歯が連結した形状のため、作り直しのコストは非常に高くなります。
当院ではこういったデメリットをなるべく解消するために、オールオン4と総インプラントのいいとこどりをした、上部構造を3ピースに分割した総インプラント治療をお勧めしております。オールオン4であれば一続きになっていた上部構造を3ピースに分割し、1ピースにつき2本〜3本の人工歯根で支えることで、計6本〜8本の人工歯根で歯列全体の人工歯を補います。
この方法であれば、治療費用そのものは通常の総インプラントよりも安くなります。また万が一トラブルが起きた際も、1ピースだけ外して作り直しが可能なため、オールオン4よりも安く対応できます。人体にはいつどのようなトラブルが起きるかわからないため、変則的な治療ではありますが当院ではこのような治療も積極的に採用しております。
当院で3ピースに分割した総インプラント治療をした症例をご紹介
最後に、当院で上部構造を3ピースに分割した総インプラントの治療を行った症例を簡単にご紹介させてください。
こちらの症例の患者様は、50歳を過ぎた頃から入れ歯を入れており、もともとインプラントをご希望でしたが、以前通っていた歯科医院では『あなたのお口の状態ではインプラントは難しい』と断られていたそうです。
当院に来院されたときには、折れたり歯茎に埋まってたりしている歯が11本もあり、残っている歯もすべて虫歯や根の膿で保存が難しい状態でした。
患者様は来院当時78歳でしたが、お身体は健康だったので、上顎8本と下顎6本のインプラントで、上下それぞれ12本ずつの人工歯を支えられるように設計しました。
折れた歯や歯茎に埋まっていた歯を全て除去し、歯周病治療なども終えたのちに最終の歯が入った際には、本当に喜んでいただけました。当時78歳とはいえまだまだお元気でしたので、しっかりと食事ができるようになりたいと強く思われていた患者様。術後には本当に何でも食べられるようになったと喜んでくださり、朝から焼肉を食べるほど食事を楽しんでいただいているそうです。
当院ではこのような難易度の高い総インプラントにも対応できる、技術力に自信のある歯科医院です。歯列全体の状態が非常に悪く、総入れ歯しかないと諦めている患者様や、他院にインプラントは絶対に無理だと言われた患者様でも、諦めずにぜひ一度お問い合わせください。
>>入れ歯で20年近く我慢していた患者様が総インプラントで噛めるようになった症例
まとめ:歯をすべて失った方でもインプラントを活用すれば噛めるようになります
このページでは、歯を全て失ってしまった方や、ほとんど歯が残っておらず総入れ歯を検討している方のために、総インプラントという選択肢についてお伝えしました。
ほとんど歯がない方に当院でご提案できる総入れ歯以外の選択肢としては、以下の3つが挙げられます。
- 総インプラント
- オールオン4・オールオン6
- インプラントオーバーデンチャー
当院の総インプラントは、全ての歯をインプラントに置き換えるというわけではなく、上顎下顎それぞれにインプラントを6本〜8本程度埋入し、ブリッジによって片顎12本の人工歯をセットします。また12本の人工歯は一続きにはせず、3ピース程度に分割することで、将来何かトラブルが起きた際に歯列全体を取り外すような大掛かりな治療を行わないで済むように配慮しております。
それ以外にも、人工歯は一続きになりますが、4本のインプラントで片顎12本分の人工歯を支えるオールオン4。6本のインプラントで片顎12本分の人工歯を支えるオールオン6。最小1本〜2本の人工歯で上部構造の入れ歯を固定するインプラントオーバーデンチャーなどの方法もございます。
当院の岩下院長は、インプラント治療を他の歯科医師に教えるインストラクターの指導的立場として歯科界に貢献しており、世界的に有名なインプラント学術団体のITIの日本支部公認インプラントスペシャリストの認定医でもあります。インプラントの噛み合わせの問題も当然理解しており、噛み合わせを厳密に調整することで、非常に難易度の高い総インプラントの治療に関しても安全で精密な治療が可能です。インプラント治療を検討されている方は、安心して当院にお任せください。
【執筆・監修者】
帝塚山Smile Design Clinic(スマイルデザインクリニック)
院長:岩下太一(歯学博士)
ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト認定医
オステムインプラントインストラクター 講師
日本審美歯科学会 認定医
他、所属学会、認定資格多数
充実した無料カウンセリング
初回費用は一切かかりません。安心してご相談ください。
当院では患者様に安心してインプラント治療を受けて頂くために、無料カウンセリングを充実させております。お口の中のお写真やレントゲン写真、場合によってはインプラントの骨を確認するためのCT撮影も無料で行います。もちろん、初回なので一切費用はかかりません。患者様に今のお口の状態を知って頂き、納得してインプラント治療を受けて頂くことが私たちの喜びです。
ITIインプラントスペシャリスト認定医
~ 世界レベルのインプラント治療をあなたへ ~
帝塚山スマイルデザインクリニックの院長はインプラント治療を他の歯科医師に教えるインストラクターの指導的立場として歯科界に貢献しております。また世界的に有名なインプラント学術団体のITI(International Team for Implantology)の日本支部公認インプラントスペシャリストの認定医でもあります。他院で難しいと言われたインプラント治療でも当院では十分に対応できる技術があります。