「インプラントをやらなきゃよかったという声を聞くけれど、実際どうなんだろう…」
「インプラントをしたいけど、治療後にトラブルが起きたら怖い…」
「時間もお金もかけて後悔したらどうしよう…」
インプラントは見た目が美しい歯を手に入れられますが、その分だけ時間や費用がかかります。そのため、治療後に「やらなきゃよかった」と後悔しないように、事前に治療前の注意点や治療後のリスクを知ることが大切です。
実際に当院にも、他院で行ったインプラント治療で後悔しており、なんとかして欲しいと来院される患者様もおられます。もちろん、後悔させるような治療を行ってしまった医院にももちろん問題があります。しかしそういった患者様の多くが、事前に正しい知識さえ持っていれば「やらなきゃよかった」なんて思わずに済んだはずなのに、とお話を伺っていて心苦しくなります。
そこで当記事では、インプラント治療をやらなきゃよかったと感じる方を少しでも減らすために、以下の内容を解説いたします。
- インプラント治療の流れ
- インプラント治療前に必要な検査や治療について
- インプラント治療後に起こり得るトラブル例
- トラブルを起こしにくくするためのメンテナンス法
当記事を読めば、インプラント治療前の注意点と治療後に起こり得るトラブル例を理解できます。また、治療後のトラブルを防ぐためにしてほしいメンテナンス法も4つ紹介しています。インプラントをやらなきゃよかったと後悔しないために、ぜひ最後までご覧ください。
目次
インプラントは長期治療?インプラント治療は7つの工程がある!
インプラントは、人工歯を被せるための土台をあごの骨に埋め込む外科手術を伴う治療法で、通常約3ヶ月~約1年の長い期間を通して行われます。必要な治療期間は患者様個人の状況によって異なりますが、治療の流れは基本的に以下の通りです。
- 初診・無料カウンセリング
- 治療前検査(CTデータ、歯周病検査、口腔内スキャンなど)
- 治療計画とお見積りの説明
- インプラント事前治療(歯周病など)
- インプラント治療
- 治療完了
- アフターケアとメンテナンス
インプラント治療をやらなきゃよかったと後悔しないためには、治療前にしっかり検査をした上で入念な治療計画を立てることが重要です。また治療後の適切なメンテナンスも欠かせません。治療後にやらなきゃよかったと思わせられるトラブル例や、治療前の注意点、トラブルを防ぐためのメンテナンス法を解説するので是非ご覧ください。
インプラント治療全体の流れについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事を併せてご覧ください。
>>【簡単解説】インプラント治療の流れを段階ごとに7ステップで紹介!
インプラントなんてやらなきゃよかった?治療後に起こる4つのトラブル
適切な治療計画に基づいて治療を進めた場合、インプラント治療は約97%の成功率を誇る安心安全な治療法です。しかし、同時に歯茎の腫れが長引いたり、インプラント器具が折れたりなど、治療後にトラブルが起きる場合もあります。
インプラント治療後に起こり得る主なトラブル例は以下の4点です。
- 患部の腫れが長引く
- 噛むと痛い・頭痛が起きる
- インプラントが抜け落ちる
- アバットメント(器具)が折れる
治療後のトラブルの原因は、医師の施術に問題がある場合と、患者様自身の治療後のメンテナンスが不足している場合があります。以下で、上記のトラブル例4点とその原因について解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
また、適切なメンテナンス法については記事の後半で解説するので、そちらも併せてご覧ください。
やらなきゃよかった例①:患部の腫れが長引いて辛い
インプラント手術後、患部の腫れは2日~3日をピークに1週間程度で治まることがほとんどです。1週間以上患部の腫れが治まらない場合は、インプラント周囲炎を引き起こしている可能性が高いため、ただちに医師に相談しましょう。
なぜ歯茎が腫れるかというと、多くの場合、歯茎を開ける範囲が広いことや、骨の削除量が多いことなどが原因です。
当院ではできるだけ歯茎を切開しないよう、コンピューターガイデッドサージェリーを使用しております。これにより、最小限の歯茎のカットと骨の削除量にとどめることができます。
そうすることで、皆様の歯茎が腫れたり痛みが出ることを止めて、より快適に治療を受けていただくことができるのです。
インプラント周囲炎は、インプラントの周囲に歯垢が蓄積した時に、そこから細菌感染を起こして歯周病と似たような症状を引き起こす炎症です。そのため、クリーニングで歯垢を落としてインプラント周囲の消毒を続けていけば炎症が落ち着く場合もあります。
放っておくとインプラント周囲炎が進行し、インプラントがグラつく可能性もあるので、少しでも違和感がある場合はすぐに医師へ相談してくださいね。
やらなきゃよかった例②:噛むと痛みが生じる・頭痛が起きる
頭痛が起きたり、噛むと痛みを感じる場合は、以下の可能性が考えられます。
- インプラント周囲炎が起きている
- 噛み合わせが合っていない、ずれた
頭痛が起きたり、噛むと痛みを感じる場合は、インプラント周囲炎が起きている可能性と嚙み合わせが合っていない・ずれた可能性が考えられます。
インプラント周囲炎は、インプラントに細菌が感染して、歯周病のような炎症を引き起こしている状態です。インプラント周囲炎の初期であれば、クリーニングで歯垢を取り除いたり、インプラント周囲の消毒を行うことで症状が緩和される場合もあります。そのため、少しの違和感であってもすぐに医師へ相談してくださいね。
嚙み合わせに違和感がある場合も、早めに医師に相談することが重要です。
また、メインテナンスで噛み合わせの調整は常に行ってもらいましょう。インプラントの噛み合わせは天然の歯に比べて非常に繊細で難しいです。これはインプラントは骨に直接、強固に結合しており、しっかり噛めるからです。しっかり噛める分、咬合力が強すぎると結合が破壊され、抜け落ちる場合があります。
たとえ治療段階で嚙み合わせが合うように施術しても、治療後、被せ物を固定しているネジのゆるみが原因で噛み合わせがずれる場合もあります。その場合は噛み合わせが合うようにネジを締め直すので、お気軽にご相談くださいね。
やらなきゃよかった例③:インプラントが抜け落ちた
治療後、インプラントがぐらぐらして抜け落ちてしまうケースもあります。考えられる原因は、インプラント周囲炎が重度に進行している可能性が考えられます。
インプラント周囲炎は、インプラントの周囲に歯石や歯垢が蓄積したことによる細菌感染が原因で起こる炎症です。インプラント周囲炎が重症化すると、あごの骨が溶かされていき、歯肉が後退していきます。それが原因で、インプラントを固定するネジが露出したり、インプラントが脱落したりするのです。
インプラント周囲炎は「出血しにくい」「痛みを感じにくい」など患者様自身で気づきにくい病気で、さらに進行スピードが速い病気です。そのため、定期的に歯科医の検診を受け、インプラント周囲炎が重症化するのを防ぎましょう。
インプラントが抜けてしまう一番の原因は歯周病です。インプラントそのものは決して虫歯にはなりません。インプラントを支えている『骨』がなくなってしまい抜け落ちるのです。痛みを感じにくい歯周病は、自分ではなかなか気づけません。歯科医院で定期的にメンテナンスをして、インプラント治療後の患部をしっかりと診てもらいましょう。
やらなきゃよかった例④:アバットメント(器具)が折れた
インプラントと被せ物をつなぐ器具(アバットメント)が折れることもあります。何度もインプラントに強い負担が加わることで、アバットメントが金属疲労を起こしてしまったことが原因です。
折れたアバットメントが綺麗に取り除ける場合は、あごの骨に残ったインプラント体に支障をきたすことなくアバットメントだけを修理できます。しかし、アバットメントが綺麗に取り除けずインプラント体に残ってしまった場合は、インプラント体そのものを撤去し、再度インプラントを埋め込む必要が出てくる可能性もあります。
アバットメントが折れると、インプラント全体が抜け落ちてしまったのではないかと焦るかもしれませんね。被せ物が取れたり、アバットメントが折れてしまった場合は直ちに歯科医に相談してください。
アバットメントが折れる原因は、咬合力が強すぎる場合と、ネジが緩んでいる場合が多いです。ネジが緩んでいる場合は、インプラント本体を抜かずに、上部構造だけの交換で対応可能なことが多いです。破折に関しても同様です。
こういったトラブルは、定期的なメンテナンスで防げる場合が多いです。インプラント治療を行ったあとは、必ず年に3回〜4回は診てもらいましょうね。
やらなきゃよかったと思わないための治療前の注意点
インプラント治療をやらなきゃよかったと後悔しないためには、適切な治療を行える歯科医院で治療を受けることが絶対条件です。
とはいえ一般の患者様には、医院の治療が適切かどうか、判断するのは難しいはず。そこで誰でも理解できる、『これだけは注意しておくべき!』という、治療前の注意点を3点お伝えします。以下の3点に注意しておけば、歯科医院の治療が適切かどうか、ある程度の判断ができるでしょう。
- 注意点①:歯科用CTであごの骨の検査は行われている?
- 注意点②:歯周病の検査や治療を優先してもらえる?
- 注意点③:歯石や歯垢のクリーニングは行われる?
これらの点に注意することで、インプラント治療なんてやらなきゃよかったと思うような事態を避けられるはずです。詳しい注意点やなぜ注意すべきなのかは、以下でご説明します。
治療前の注意点①:CT検査であごの骨の状態などをチェック
歯科用CTによる検査を行わなければ、インプラント治療なんてやらなきゃよかったと思うほどの、トラブルに見舞われる可能性があります。歯科用CTの役割は、大きく分けて以下の2点です。
- あごの骨の厚みを調べる
- 神経の通り道をチェックする
これらによって、あごの骨の厚みが不十分で、インプラントが抜けてしまうようなトラブルを防げます。また、神経を傷つけてしまう可能性も減らせるでしょう。
レントゲン検査だけしか行わない医院もありますが、レントゲン検査はあくまでも2次元的な情報を得る検査です。CT検査をすることで、3次元的な情報を得て、より正確にミスなくインプラントを埋入できるのです。
インプラントを受ける医院を決める際には、レントゲンだけではなく、CT検査を行ってくれる医院を選びましょう。全国の歯科医院の半分以上が、CT機器を導入していません。そういった医院でインプラント治療を受けるのは、やめておきましょう。
インプラント治療をするにはCT撮影は必須です。当院はインプラント治療を希望される患者様には、無料でCT撮影を行っております。
治療前の注意点②:歯周病の検査や治療を優先してもらえる?
インプラント治療前の検査では、歯周病の有無も検査します。その際、歯周病が見つかれば歯周病の治療を先に行わなければなりません。インプラント治療前に歯周病治療を行わなければ、以下のようなトラブルが起きる可能性があります。
- 歯周病で歯茎や顎の骨が弱っていると手術に失敗する可能性がある
- 手術に成功しても、その後インプラントが折れたり抜けてしまう
- インプラント周囲炎を起こす原因になる
インプラントは、あごの骨にインプラント体を直接埋め込む外科手術を行います。外科手術の際に歯周病治療が完了していないと、歯茎の内側に歯周病菌が入り込み、インプラント体に細菌が感染するリスクを伴います。そのため、歯周病がある場合は、インプラント治療前に歯周病治療を行うのです。
治療前の注意点③:歯石や歯垢のクリーニングは行われる?
インプラント治療前には歯石や歯垢を取り除くためにクリーニングを行います。
歯石や歯垢が残ったままだと、インプラントを埋入した際に、インプラント体に細菌が感染する原因となってしまうのです。インプラント体に細菌が感染すると、インプラントがあごの骨に定着するのを妨げるため、その結果インプラントが脱落してしまう可能性があります。
ただでさえ治療費が高額なインプラントの失敗は、患者様にとっても辛いものになるでしょう。こういったトラブルを防ぐために、歯石や歯垢は治療前にしっかりと除去することが重要です。
当院では、日本歯周病学会認定衛生士が在籍しております。インプラント治療を行う前には、スケーリングルートプレーニングと呼ばれる歯周病の治療を行います。これにより問うんでは、皆様に安心してインプラント治療を受けていただくことができるのです。
メンテナンスでインプラントの健康を維持
高額な費用を捻出して手に入れた歯(インプラント)歯をすぐにダメにしてしまうのは避けたいですよね。インプラントを長く使用していくために重要なことは、インプラント治療後のメンテナンスです。治療後のメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎を発症してしまったり、せっかく手に入れた美しい歯が抜けてしまったりします。インプラントを長持ちさせるためにも正しいメンテナンスを行いましょう。
治療後、患者様にぜひ行ってほしいメンテナンス法は以下の4点です。
- ご自宅でフロス
- ご自宅でデンタルリンス
- 医院でクリーニング
- 医院でレントゲン検査
上記について、以下でそれぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
治療後のメンテナンス法①:ご自宅でフロス
歯ブラシでブラッシングをしても取り除けない汚れは、フロスを用いて取り除きましょう。フロスは歯ブラシでは届きにくい歯と歯の隙間の汚れを、しっかりからめとることができます。歯石や歯垢が溜まらないようにすることで、インプラント周囲炎を引き起こしにくくなるので積極的に行いましょう。
ただし、フロスは当て方を間違えたり、強く擦ると歯茎を傷つける原因にもなりかねません。フロスを使用したことがない方は、歯科医院で使い方の指導を受けることをオススメします。
治療後のメンテナンス法②:ご自宅でデンタルリンス
デンタルリンスは殺菌と消毒の効果を得られます。また、奥歯など歯ブラシを当てにくく食べ物が詰まりやすいところの洗浄にも、デンタルリンスは有効です。ブラッシングやフロスをした後にデンタルリンスで口をすすげばインプラント周囲を清潔に保てるので、積極的に使用していきましょう。
ただし、デンタルリンスはインプラントを埋め込んだばかりの口内には刺激が強すぎます。患部が炎症する原因につながるので、最初は歯科医の許可が出てから使用するようにしましょう。
治療後のメンテナンス法③:医院でクリーニング
ご自宅でのブラッシングやフロス、デンタルリンスだけではやはり完璧にはケアしきれません。特に、歯垢が2日~3日歯に付着したままだと、歯垢が石灰化して、通常のブラッシングだけでは汚れを落としきれないのです。そのため、定期的に歯科医院に通ってクリーニングを受けましょう。
歯科医院で行うクリーニングは、専用の器具や薬剤を使うので患者様個人では手が届きにくい細部まで洗浄できます。定期的に歯科医院でクリーニングすることで、口内を清潔に保つことができ、結果としてインプラントを長持ちさせることができるでしょう。
当院では、歯のクリーニングをする際、併せてブラッシングの指導もいたします。「正しい歯の磨き方がわからない…」という方はお気軽にご相談くださいね。
治療後のメンテナンス法④:医院でレントゲン検査
インプラントはインプラント体をあごの骨に埋め込む治療法です。そのため、目で確認できないあごの骨の内部に変化や異常が起きていないか、定期的にレントゲン検査で確認していく必要があります。
レントゲン検査では、あごの骨が痩せてしまっていたり、インプラント周囲炎が進行していたりする場合に早期発見できるので非常に重要です。もし気になる点が見つかった場合でも、レントゲン写真をお見せしながら対処法をご案内しますので安心してくださいね。
まとめ:予備知識が大切!適切なメンテナンスをしてインプラントを長持ちさせよう!
当記事では、インプラントの治療前の注意点と治療後に起こり得るトラブル例、そして正しいインプラントのメンテナンス法について解説しました。やらなきゃよかったと後悔しないためには、インプラント治療の予備知識をつけることが大切です。
治療前にはCT検査などの精密検査を受けて、入念な治療計画を医師とともに立てましょう。当院では、患者様が心から安心できるインプラント治療を行えるよう努めています。そのため、少しでも疑問や不安が生じた場合は遠慮なく相談してくださいね。
治療後は、メンテナンスを怠るとインプラント周囲炎などのトラブルにつながってしまうので、適切なメンテナンスを行いましょう。ご自宅でのメンテナンスでケアしきれない部分は、医院でのクリーニングやレントゲン検査を定期的に行うことでカバーできます。
インプラント治療に踏み出すのが怖い方も、当院では無料相談も行っていますので下記よりぜひ一度お問い合わせください。
【執筆・監修者】
帝塚山Smile Design Clinic(スマイルデザインクリニック)
院長:岩下太一(歯学博士)
ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト認定医
オステムインプラントインストラクター 講師
日本審美歯科学会 認定医
他、所属学会、認定資格多数
充実した無料カウンセリング
初回費用は一切かかりません。安心してご相談ください。
当院では患者様に安心してインプラント治療を受けて頂くために、無料カウンセリングを充実させております。お口の中のお写真やレントゲン写真、場合によってはインプラントの骨を確認するためのCT撮影も無料で行います。もちろん、初回なので一切費用はかかりません。患者様に今のお口の状態を知って頂き、納得してインプラント治療を受けて頂くことが私たちの喜びです。
ITIインプラントスペシャリスト認定医
~ 世界レベルのインプラント治療をあなたへ ~
帝塚山スマイルデザインクリニックの院長はインプラント治療を他の歯科医師に教えるインストラクターの指導的立場として歯科界に貢献しております。また世界的に有名なインプラント学術団体のITI(International Team for Implantology)の日本支部公認インプラントスペシャリストの認定医でもあります。他院で難しいと言われたインプラント治療でも当院では十分に対応できる技術があります。