「インプラントはどれくらい保つの?」
「一生同じインプラントを使い続けることはできる?」
「インプラントの寿命を教えてほしい」
「高齢になった時にインプラントで困ることはある?」
このような疑問をお持ちではありませんか?インプラントは人工の歯で長持ちするというイメージをお持ちの方は多いと思いますが、実際にどれくらい保つものなのかご存知の方は少ないでしょう。
インプラントは自費診療のため、治療費が高額です。そのためもし数年でインプラントの寿命が訪れてしまうと困る、と考えるのは当然です。当院では初診の患者様に無料でカウンセリングを行っていますが、その際にもやはり多くの患者様が、インプラントがどれくらい保つのかといった、インプラントの寿命に関して気になっているご様子です。
そこでこのページでは、インプラントの寿命に関して、以下の内容を解説いたします。
- インプラントの平均寿命について
- インプラントの寿命が来たらどうなる?
- インプラントがダメになってしまう4つの原因について
- インプラントを長持ちさせるための3つのポイント
- 入れ歯・ブリッジ・インプラントの寿命比較
このページを読めば、インプラントの平均寿命がどれくらいなのかといった話から、インプラントの寿命を縮める原因まで一挙に解説します。ページの後半では、インプラントを長持ちさせるための3つの秘訣も併せてご説明します。現在インプラントをご使用中の方から、今後インプラントにしたいと検討している方まで、ぜひご覧くださいませ。
目次
インプラントの平均寿命はどれくらい?メーカーによるが10年〜15年が平均
インプラントの平均寿命は、一般的に約10年~15年だと言われています。厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」のデータでは、約90%のインプラントが10年~15年以上持つと公表されています。
それでは、約10年~15年経ったら、インプラントはダメになってしまうのかというと、そうではありません。平均寿命以上に長くインプラントを使っている方も多いのです。実際に、約70%のインプラントが20年以上使えているとの報告も上がっています。
ただしインプラント歯周炎や歯周病、その他の外的な要因で、インプラントが10年未満で使用できなくなる場合もございます。このような事態がなるべく起きないようにすることで、インプラントを長期に渡って使い続けることができるのです。
インプラントの寿命を延ばすカギは、治療後のメンテナンスです。治療後のメンテナンスを怠ってしまうと、数年でインプラントがダメになってしまう可能性が高まります。治療後のメンテナンスをしっかりと丁寧に行い続けることで、平均寿命以上、うまくいけば半永久的にインプラントを使い続けられます。
インプラントが寿命を迎えると?
インプラントが寿命を迎えてしまうと、インプラントがグラグラして抜け落ちたり、インプラントを撤去しなければならない状態になったりします。いきなりインプラントが抜けるということはほとんどなく、多くの場合でインプラントが少しグラついたりと兆候があるので、安心してください。またきっちりと定期的なメンテナンスに通っていれば、寿命になる前に歯科医院側でインプラントの状態を把握できるはずです。
インプラントが需要を迎えた場合は、基本的には再手術を行います。最初にインプラントを埋め込んだ時と、同じような施術を行うことで、再度インプラントを埋め込みます。
ただしインプラント周囲炎や歯茎の退縮、あごの骨の問題でインプラントが寿命を迎えた場合は、再手術が難しくなってしまいます。このような場合には、人工的にあごの骨を増やしたり、歯肉を移植したりといった手術が別途必要になり、その成否によって再度インプラントを埋入できるかが変わります。
多くの歯科医院でインプラント保証が導入されています
インプラントは適切なメンテナンスを行い続ければ、半永久的に使用できることもあります。しかしメンテナンスをしっかりと行っても、患者様の健康状態などさまざまな要因によって、数年でインプラントがダメになってしまうこともあります。
インプラントにトラブルが起きる度に、毎回治療費を新たに支払って再治療を行う、というのは多くの方にとって現実的ではないと思います。そのためインプラントを扱う多くの歯科医院で、インプラント保証が用意されています。
保証の内容は5年保証や10年保証など医院によってさまざまですが、期間内であればインプラントの再治療が無料になることが多いです。
ただし、インプラント保証が適用される条件を満たしていないと、有償での再治療になるケースがあるので注意が必要です。よくあるインプラント保証の適用条件は、以下の2点です。
- 定期メンテナンスに来院する
- 歯科医の指導に従って自宅でケアを行う
これらの条件を満たすように適切なメンテナンスを行って生活していれば、無料で再治療を受けられる可能性が高いです。
当院では、患者様が治療後も安心して生活していただけるように、ガイドデント社によるインプラント10年保証を設けています。保証内容や保証条件については、以下のページをご覧ください。
インプラントが本来の寿命より前に破損・脱落する原因
適切なメンテナンスを行うことで、10年〜20年、場合によっては半永久的に使用できるのが、インプラントの特徴です。しかし中には、平均寿命にも届かずして、インプラントが破損・脱落するケースもあります。
インプラントが本来の寿命よりも前に破損・脱落する主な原因は、以下の4点です。
- インプラント周囲炎を引き起こしている
- 質の悪いインプラント体を使用している
- 歯ぎしりなどでインプラントに余計な負担をかけている
- 喫煙習慣がある
特に、インプラント周囲炎には要注意です。インプラント周囲炎とは、インプラント周囲に蓄積した歯垢に細菌が感染することで、歯周病のような炎症が起きるインプラント特有の疾患です。
インプラントは人工物のため、免疫機能などが備わっていません。そのためインプラント周囲炎は、進行スピードが非常に速い疾患でもあります。一度発症するとあっという間に悪化し、対策しなければインプラントが脱落してしまいます。
ここからは、インプラントの寿命を大きく縮める原因になり得る、『インプラント周囲炎』を引き起こさないための注意点をご紹介します。
インプラント周囲炎を予防しインプラントを長持ちさせる
インプラントを長く使用するためには、インプラント周囲炎を引き起こさないよう注意することが、1番重要だといっても過言ではありません。
インプラント周囲炎を引き起こさないために注意したいポイントは、以下の3点。
- 定期的なメンテナンス
- 自宅でのオーラルケアの徹底
- 禁煙・減煙
これらの3つの注意点を押さえておくことで、インプラント周囲炎を予防し、より長期に渡ってインプラントを使えるはずです。
①定期的なメンテナンス
インプラント治療後には、必ず定期的に歯科医院でのメンテナンスを受けてください。歯科医院でのメンテナンスは、口内のクリーニングをはじめとした、さまざまな役割があります。
例えばレントゲンで、あごの骨の状態やインプラント体に異変がないか確認します。外側からでは見えない内部の状態を確認することで、初期のインプラント周囲炎の兆候も見逃しません。
そのほか、インプラントを使っていると、次第に噛み合わせがズレることがあります。噛み合わせが悪くなると、インプラント周囲炎が発症するリスクが高まります。定期的に歯科医院でメンテナンスをおこなうことで、噛み合わせを調整が可能です。
このように歯科医院でのメンテナンスは、口内のクリーニングはもちろん、インプラントを長持ちさせるために重要なさまざまな取り組みを行います。医院によってメンテナンスの頻度は違えど、必ずメンテナンスは受けるように指導があるかと思うので、医院の指導に従って受診してくださいね。
②自宅でのオーラルケアの徹底
ご自宅でのオーラルケアを徹底することで、インプラント周囲炎を予防し、インプラントを長持ちさせることができます。
インプラントのケアは食後のブラッシングはもちろんですが、ブラッシングだけでは不十分な可能性もあります。必要に応じて、フロスやデンタルリンスを併用し、口内の清潔を保つようにしてください。
インプラント周囲に歯垢が蓄積すると、そこを感染源に細菌が繁殖し、インプラント周囲炎を引き起こしてしまいます。歯科医院では、患者様にブラッシングの方法やフロスの使い方を指導しています。ご自宅でのオーラルケアに自信がない方は、積極的に歯科医に指導を頼みましょう。
③禁煙・減煙
喫煙習慣がある方は、禁煙もしくは減煙することで、インプラントを長持ちさせられます。歯科医院によっては、禁煙指導が入る場合があります。それほど、タバコはインプラントに悪影響を及ぼすのです。
タバコは、免疫力を低下させるほか、血管を収縮させ、歯肉や骨に酸素を行き渡らせなくもします。その結果、歯肉や骨がもろくなり、インプラント周囲炎を発症するリスクが高まるのです。
免疫力も下がっているので、一度インプラント周囲炎に罹ってしまったら、あっという間に悪化し、インプラントが脱落してしまいます。インプラントの寿命を縮めないためにも、禁煙生活を始めましょう。
インプラントの寿命を入れ歯やブリッジと比べると?
適切なメンテナンスを行えば、インプラントは半永久的に使用することができると解説しました。それでは、他の歯の治療法であるブリッジや入れ歯と比較するとどうでしょうか?
インプラント・ブリッジ・入れ歯の平均寿命は、それぞれ以下の通りです。
インプラント | ブリッジ | 入れ歯 | |
寿命 | 約10年~15年 | 約7年~8年 | 約4年~5年 |
3つの治療法の中では、インプラントが1番平均寿命が長いです。ブリッジや入れ歯は、材質を選ばなければ保険が適用されるので、初期費用が安いというメリットがあります。しかし、初期費用を抑えられても、数年で使えなくなるのであれば、長期的に見た場合インプラントが1番経済的であるという考え方もあるでしょう。
ただし、歯の治療法については、患者様の状況に1番適した治療法を選ぶことが大切です。寿命だけではなく、費用や治療期間など複合的な要素を考慮して治療法を選んでくださいね。
インプラント以外の治療法については、より詳しくこちらの記事で解説しています。歯の治療法で迷っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。>>インプラント、差し歯、入れ歯、ブリッジの違いやメリット/デメリット
当院では長寿性の高いストローマンインプラントを使用しています
ここまでインプラントの寿命をなるべく長持ちさせるためのさまざまな方法をご説明しました。
実は、インプラントのメーカーによっても、インプラントの寿命は異なります。インプラントメーカーは世界に100以上あり、それぞれメーカーごとにインプラントの質に差があるのです。
例えば価格が安すぎるメーカーは、インプラントの素材も安価な素材の可能性が高いです。安価な材料で作られたインプラントは、強度が弱く、寿命が短くなります。そのため、安すぎるインプラントメーカーを選ぶのはおすすめできません。
当院では、世界シェア率No.1のストローマン社の最新製品を使用しています。ストローマン社のインプラントは、インプラント周囲炎を発症しにくいという特徴があるため、適切なケアを行えば半永久的に使用できます。
インプラントのメーカーについては、より詳しくこちらの記事で解説しています。インプラントメーカーは、インプラントの寿命を決める重要な要素の1つなので、ぜひ併せてご覧ください。
まとめ:インプラントの寿命はケア次第で長くできる!保証やメンテナンスを活用しよう
当記事では、インプラントの平均寿命から、インプラントの寿命を縮める原因まで一挙に解説しました。インプラントの平均寿命は約10年~15年と長く、治療後のメンテナンス次第では、20年以上使い続けることができます。
一方で、治療後のメンテナンスを怠ってしまうと、インプラントの寿命が縮まってしまいます。インプラントの寿命が縮まる最大の原因は、インプラント周囲炎です。インプラント周囲炎は、歯周病に似た疾患で、進行スピードが速いという特徴があります。そのため、一度発症すると、一気に悪化し、インプラントが抜け落ちてしまうのですね。
インプラントの寿命を縮めないためにも、歯科医院での定期メンテナンスと、ご自宅でのオーラルケアを徹底しましょう。ご自宅でのオーラルケアに自信がない方は、正しいケアができるように、歯科医から指導を受けてくださいね。
当院では、インプラントを可能な限り長く使用していただくために、治療後も患者様をサポートいたしますので、下記よりお気軽にお問い合わせください。
【執筆・監修者】
帝塚山Smile Design Clinic(スマイルデザインクリニック)
院長:岩下太一(歯学博士)
ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト認定医
オステムインプラントインストラクター 講師
日本審美歯科学会 認定医
他、所属学会、認定資格多数
充実した無料カウンセリング
初回費用は一切かかりません。安心してご相談ください。
当院では患者様に安心してインプラント治療を受けて頂くために、無料カウンセリングを充実させております。お口の中のお写真やレントゲン写真、場合によってはインプラントの骨を確認するためのCT撮影も無料で行います。もちろん、初回なので一切費用はかかりません。患者様に今のお口の状態を知って頂き、納得してインプラント治療を受けて頂くことが私たちの喜びです。
ITIインプラントスペシャリスト認定医
~ 世界レベルのインプラント治療をあなたへ ~
帝塚山スマイルデザインクリニックの院長はインプラント治療を他の歯科医師に教えるインストラクターの指導的立場として歯科界に貢献しております。また世界的に有名なインプラント学術団体のITI(International Team for Implantology)の日本支部公認インプラントスペシャリストの認定医でもあります。他院で難しいと言われたインプラント治療でも当院では十分に対応できる技術があります。