「インプラント二次手術って何?」
「二次手術があるってことは一次手術もあるの?」
「2回も手術をする必要って本当にあるの?」
当記事では複雑でわかりにくいインプラント治療の流れの中から、インプラント二次手術をピックアップしてわかりやすく解説します。インプラント治療全体の中で、インプラント二次手術はごく一部の手術工程です。インプラント二次手術について正しく理解を深めるためには、インプラント治療全体の流れを知ることが重要でしょう。
インプラント治療の流れ全体を知りたい方は、こちらの記事で解説しているので、ぜひご覧ください。>>【簡単解説】インプラント治療の流れを段階ごとに7ステップで紹介!
当記事では、インプラント二次治療について、以下の内容を解説します。
- インプラント二次手術とは
- インプラント二次手術の内容
- インプラント二次手術のタイミング
- インプラント二次手術の痛み
- インプラント二次手術の術後の注意点
当記事を読めば、インプラント二次手術についての理解が深まり、インプラント治療の全体像を理解するのに役立ちます。またこれらの内容を理解することで、自身がインプラント治療を受ける際も安心できるでしょう。
目次
インプラント二次手術とは
インプラント二次手術とは、「インプラント二回法」というインプラント治療法の際に必要になる治療過程です。
前提として、インプラントには大きく分けて、以下の2通りの治療法が存在します。
- インプラント一回法
- インプラント二回法
その名の通り、インプラント一回法では一回の手術で、インプラント二回法では二回の手術で、インプラント治療を行います。インプラント二次手術は、インプラント二回法の際に用いられる、二回目の手術です。一回目の手術のことは、インプラント一次手術と呼びます。
インプラント一次手術については、こちらの記事で解説しております。>>インプラント一次手術とは?手術の内容や必要な期間、術後の注意点を解説
インプラントには一回法と二回法がある
大前提としてインプラント治療には、インプラント一回法とインプラント二回法という、二つの治療法があります。過去には「インプラント二回法がより安全で良い治療法だ」と考えられていたこともありますが、現在ではどちらの治療が優れている、という分け方はされていません。
ではそれぞれどのような違いがあるのか、以下で簡単に説明します。
インプラント一回法は、手術が一度で済むため、患者様の身体的な負担や通院回数などが少なくなります。ただし二回法よりも少し難易度が高く、あごの骨の状態などの要因で、一回法では治療できない場合が多々あります。
対してインプラント二回法は、手術が二度必要なので、通院回数も多く身体的な負担も増えてしまいます。その代わりに一回法よりも多くの症例で適応でき、万能な治療法だと言えるでしょう。
まとめると以下のようになります。
インプラント一回法 | インプラント二回法(二次手術あり) | |
メリット | 麻酔を伴う外科手術が一度なので身体的な負担が少なく、通院回数なども少なく済む | 麻酔を伴う外科手術が二度あり通院回数も増えるため、患者様の負担が大きい |
デメリット | あごの骨量などさまざまな要因によって、一回法では治療できない場合がある | 一回法より多くの症例で適応できる |
本当に2回も手術をする必要があるの?
上記の通り、インプラント二回法では、一次手術・二次手術と2回の手術を行います。対して一回の手術のみのインプラント一回法がある以上、患者様が『本当に2回も手術する必要はあるの?』と疑問に思うのも当然かと思います。
実際のところ当院でも、患者様のご負担を極力減らすために、より多くの症例をインプラント一回法で治療する、つまり一度の手術で完結するように心がけています。
しかし症例によっては、どうしてもインプラント二回法で、手術を2回に分けた方が安全な場合があります。もし一回法での手術をご希望の場合でも、患者様の安全が確保されない限り、二回法でしか手術を行わない場合もございます。
二回法が必要な人の特徴は?
インプラント一回法よりも二回法が適すると考えられる方の特徴は、以下となります。
- 顎の骨が痩せていたり弱っている方
- 全身疾患をお持ちの方
- インプラントの感染リスクの高い方
顎の骨が痩せていたり弱っている方の場合、インプラント二回法が適していることが多いです。二回法では歯茎を一度閉じて、インプラントの人工歯根と顎の骨の定着を待つため、顎の骨が弱い方でもインプラントが安定しやすくなります。また歯茎を閉じる点から、インプラントの感染リスクが高い方にも適しています。全身疾患をお持ちで免疫力が弱い方なども、同様に感染リスクが高いことが考えられるため、二回法をお奨めさせていただくことになります。
とはいえインプラント治療における、患者様の時間・金銭的コストを抑えるためには、二次手術の必要のない一回法で治療ができることが最も望ましいことかと思います。当院でも極力多くの患者様に一回法での治療を行なっておりますので、その点はご安心ください。
インプラント二次手術の内容は?一次手術で歯茎に埋めたインプラント体を露出させる
ここでは、インプラント二次手術の具体的な手術の内容を解説します。簡潔に言えば、インプラント二次手術は、一次手術で歯茎の中に埋め込んだインプラント体を歯茎の外に露出させる手術です。
具体的には、一次手術で縫合した歯肉を再度切開し、インプラント体を露出させます。歯肉の高さなどを計測し、ヒーリングアバットメントと呼ばれる器具を取り付けます。ここからさらに1週間〜2週間程度、患部の治癒を待って、上部構造(いわゆる「歯」の部分)を取り付けます。
インプラント一次手術では歯茎の内部にインプラント体を埋めて定着させる
二次手術の前の一次手術では、インプラント体を歯茎の中に埋め込みます。一次手術で埋め込まれたインプラント体は、歯茎の中で数ヶ月間をかけて、あごの骨に定着していきます。インプラント体がしっかりと歯茎に定着したことを確認したのち、インプラント二次手術を行います。
インプラント一次手術に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。>>インプラント一次手術とは?手術の内容や必要な期間、術後の注意点を解説
一次手術と二次手術を行うことで、インプラント体をより確実に歯茎に定着させられる
上述の通り、インプラント二回法では一次手術と二次手術の二回の手術を行います。
一次手術で歯茎の中にインプラント体を埋め込み、歯茎を閉じてインプラント体の定着を待ちます。閉じた歯茎は二次手術で切開して開きます。
インプラント体の定着を歯茎を閉じた状態で待つため、以下のようなことが起こりづらくなります。
- 定着期間中に歯茎の内部に細菌が入ってしまう
- 外部からの刺激が定着を阻害する
そのためインプラント二回法は、インプラント体を歯茎に定着させやすい方法だとされています。
インプラント二次手術を行うタイミングは?長ければ一次手術後に半年待つ
インプラント二次手術は、一次手術で歯茎に埋めたインプラント体の定着を待って行います。
一次手術が終わった後、二次手術までの待機期間としては、以下を目安にすると良いでしょう。
- 上顎の場合:5ヶ月~6ヵ月
- 下顎の場合:3ヶ月~4ヵ月
上記の期間はあくまでも目安なので、患部の状態や医院の設備、医師の技術次第で、期間は長くも短くもなります。実際に当院では、短ければ1.5ヶ月ほどでインプラント体の定着を確認できる場合もあります。
当院は無料でカウンセリングを行なっておりますので、素早く正確なインプラント治療をご希望の方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
インプラント二次手術は痛い?手術中は麻酔・術後も鎮痛剤でほとんど痛まない
インプラント治療は歯茎の切開を伴う外科手術を行うので、手術の痛みが怖くなかなか踏み出せない、という患者様も多いです。
もちろん個人差はありますが、インプラント二次手術の痛みは、おおむね抜歯後の痛み程度であると言われています。手術中は当然麻酔を使用するため、痛みはほとんどありません。また手術後もしばらくは痛みがありますが、鎮痛剤を処方するので心配する必要はないでしょう。
万が一、術後に痛みが強くなったり鎮痛剤が効かない場合は、患部にトラブルが起きている可能性があるので、手術を受けた医院にすぐに問い合わせましょう。
インプラント二次手術の術後の注意点は?食事や飲酒・喫煙に注意が必要
インプラント二次手術の直後は、食事に気を遣う必要があります。やはり歯茎を切開している以上、すぐに普段通りの食事をすることはできません。
稀に強引にいつも通りの食生活をする方がいますが、歯茎やインプラント体に刺激を与えてしまいます。無理に普段通りの食事をすると、患部からの出血や強い痛みが出る場合もあるので、必ず医師の指示にしたがって食事を調整しましょう。
手術当日は柔らかいものを、術後数日は刺激の強いものは避けるべき
二次手術直後の数時間は、麻酔が残っている場合があります。麻酔で感覚が鈍っていると、熱い飲食物などを摂取した際に火傷してしまう可能性があるので、手術直後は常温の飲食物を摂るように心がけましょう。
麻酔が完全に抜けてからも普段通りの食事ができるわけではありません。インプラント二次手術は切開を伴うので、術後数日間は患部に刺激を与えないように注意が必要です。具体的には、以下のような食事は避けましょう。
- 香辛料を使った食べ物
- 酸味のある食べ物
- 甘い食べ物
- 熱い食べ物
- 硬い食べ物
最低でも術後3日程度、できれば1週間ほどは、咀嚼の必要がない柔らかい食事にしましょう。おかゆや良く煮たうどん、ゼリーなどが望ましいですね。
インプラント術後の食事については、さらに詳しくこちらの記事で解説しています。>>インプラント手術後の食事事情は?術後に適した食事や制限などについて徹底解説
手術直後はお風呂や運動にも要注意!
インプラント二次手術の直後は、お風呂や運動にも注意が必要です。
湯船に浸かって体を温めると、血行が促進され血管が拡張し、切開した歯茎に痛みや出血が出る場合があります。二次手術当日はシャワーだけで済ませるのが無難です。
また激しい運動なども、お風呂と同様に血行促進、血管の拡張に繋がります。運動は術後1週間程度避けるのが無難だと、当院では指導させていただいています。
まとめ:インプラント二次手術直後は食事や運動に要注意!
当記事では、インプラント二次手術について解説しました。
インプラント二次手術は、インプラント二回法で治療を行う際に発生する手術手順です。インプラント一次手術で歯茎の中に埋め込んだインプラント体を、インプラント二次手術では歯茎を再度切開して露出させます。その後1週間〜2週間程度の治癒期間を開けて、上部構造(いわゆる「歯」の部分)を被せます。
インプラント一次手術と二次手術を行うことで、より確実に歯茎にインプラント体を定着させることができます。そのため、インプラント二回法は一回法よりも、より多くの症例で適用できる治療法だと言えるでしょう。
当院のドクターはインプラント一回法も二回法も、どちらの症例も数多く扱ってきています。カウンセリングは無料ですので、ぜひ一度気軽にお問い合わせください。
【執筆・監修者】
帝塚山Smile Design Clinic(スマイルデザインクリニック)
院長:岩下太一(歯学博士)
ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト認定医
オステムインプラントインストラクター 講師
日本審美歯科学会 認定医
他、所属学会、認定資格多数
充実した無料カウンセリング
初回費用は一切かかりません。安心してご相談ください。
当院では患者様に安心してインプラント治療を受けて頂くために、無料カウンセリングを充実させております。お口の中のお写真やレントゲン写真、場合によってはインプラントの骨を確認するためのCT撮影も無料で行います。もちろん、初回なので一切費用はかかりません。患者様に今のお口の状態を知って頂き、納得してインプラント治療を受けて頂くことが私たちの喜びです。
ITIインプラントスペシャリスト認定医
~ 世界レベルのインプラント治療をあなたへ ~
帝塚山スマイルデザインクリニックの院長はインプラント治療を他の歯科医師に教えるインストラクターの指導的立場として歯科界に貢献しております。また世界的に有名なインプラント学術団体のITI(International Team for Implantology)の日本支部公認インプラントスペシャリストの認定医でもあります。他院で難しいと言われたインプラント治療でも当院では十分に対応できる技術があります。