「奥歯を2本失ったとき、インプラント治療にかかる費用はどのくらいなのか」多くの方が抱く疑問です。
実際、インプラントの費用は本数や部位によって大きく変わり、治療計画や素材の選択、骨の状態などによっても前後します。奥歯は噛む力が強くかかる部位であるため、長期的な安定性や快適さを考えると費用だけでなく治療の質も重要です。
この記事では「奥歯2本のインプラントに必要な費用の目安」「費用が変動する要因」「治療方法のパターン」などを整理し、大阪でインプラント治療を専門的に行う帝塚山スマイルデザインクリニック院長の岩下が詳しく解説します。
目次
奥歯2本のインプラント費用の目安
奥歯を2本失ったとき、インプラント治療にかかる費用は多くの患者様が最初に知りたい情報です。特に奥歯は噛む力が強くかかるため、見た目だけでなく健康や生活の質に直結する部位でもあります。そのため「単なる治療費」ではなく、「長期的にどのような価値を得られるのか」という視点が重要になるのです。
一般的に、奥歯のインプラント治療は1本あたり40万〜60万円程度が相場とされており、2本ではおよそ80万〜120万円が目安になります。ただし、骨や歯ぐきの状態によって追加治療が必要になることもあり、最終的な総額には幅があります。保険は適用されませんが、医療費控除を利用すれば費用負担をある程度抑えることも可能です。
では実際に、1本あたりの相場や2本同時に治療を受ける場合の合計費用はどのくらいになるのでしょうか。次の項目では、より具体的に金額の目安を整理していきます。
1本あたりの相場と2本の合計費用
インプラント治療の費用は、どの歯を対象とするかや患者様の状態によって異なります。一般的に奥歯のインプラントは、1本あたり40万〜60万円程度が相場とされており、2本同時に治療を受ける場合には80万〜120万円ほどを見込む必要があります。前歯と比べると奥歯は噛む力が大きいため、補強の設計や使用する素材によって料金が高い傾向にあります。
ただし、これはあくまで標準的な目安です。骨の状態が不十分な場合には骨造成などの追加処置が必要になり、その分費用が上乗せされます。また、自由診療であるため健康保険は適用されませんが、医療費控除の対象となる場合があり、申請することで負担を軽減できる可能性があります。
インプラントの費用は「なぜ高いのか」という理由を理解することも大切です。単に人工歯を入れるだけでなく、手術の精密さ、治療計画の立案、術後のメンテナンスといった一連の流れを歯科医が責任を持って行うため、その分の専門性と時間が反映されているのです。こうした背景を踏まえると、相場とされる金額も納得しやすくなります。
奥歯インプラントならではの費用要素
奥歯のインプラント治療は、前歯に比べて費用が高くなる場合があります。その理由の一つは、奥歯が噛む力を大きく受ける部位であることです。強い力に耐えられるよう、歯科医はよりしっかりとした設計を行う必要があり、その分治療の工程や使用する素材に工夫が求められます。単純に人工歯を入れるだけではなく、長期的に安定して噛み合わせを保つための準備が必要になるのです。
また、奥歯は骨の状態が十分でない患者様が多く、追加の治療が必要になるケースがあります。代表的なのが骨造成(GBR)やソケットリフトと呼ばれる処置で、これらを行うことでインプラントを安全に埋入できる環境を整えます。こうした追加治療は費用や治療時間に影響し、総額が高くなる理由の一つとなります。
さらに、治療計画を抑えたとしても、噛み合わせや将来の健康を考えると、安易に妥協することはおすすめできません。歯を長く使い続けるためには、しっかりとした基盤を作ることが大切だからです。費用は相場として示される範囲内でも、患者様の状態や希望によって異なり、最終的には歯科医との相談によって決まっていきます。他の治療法よりも負担は大きく感じられるかもしれませんが、その分得られる快適さや健康への効果は大きいといえます。
治療方法のパターンと費用の違い
奥歯2本の欠損を補う場合、インプラント治療にはいくつかの方法が考えられます。それぞれの方法には特徴があり、治療費や安定性、長期的な予後に違いが出てきます。そのため「どの方法が最も適しているのか」を理解することは、患者様にとって大切な判断材料となります。
費用を抑えやすい方法から、安定性を重視した標準的な方法、さらに欠損が広い場合に用いられる方法まで、治療パターンは複数あります。一見すると初期費用の安さが魅力に感じられる選択肢もありますが、将来的な負担やリスクを考えると、単純な金額比較だけで判断するのは適切ではありません。
次の項目では、実際に行われる代表的な治療パターンを取り上げ、それぞれの特徴と費用の違いについて詳しく解説していきます。
インプラント1本+人工歯2本のケース
奥歯を2本失った場合、費用を抑える方法として「インプラント1本に2本分の人工歯を連結して装着する」治療があります。ブリッジのような形で欠損部を補うため、初期費用が比較的低く抑えられるのが大きな特徴です。特に短期的な負担を軽くしたい患者様にとっては、一つの選択肢として紹介されることもあります。
しかし、この方法には注意すべき点があります。噛む力が大きくかかる奥歯で1本のインプラントが2本分の負担を支えるため、力の分散が十分に行われず、インプラントや人工歯の破損リスクが高くなるのです。さらに、周囲の歯や噛み合わせ全体のバランスに影響を及ぼすこともあり、長期的に見ると健康を損なう恐れがあります。
歯科医としては、短期間での費用メリットだけで判断するのではなく、将来的な安定性や再治療の可能性も含めて考えることをおすすめします。確かに相場より安く見える場合もありますが、状態によっては逆に大きな時間や費用を要する再治療を受けるリスクにつながりかねません。
インプラント2本+人工歯2本のケース
奥歯を2本失った場合、最も標準的で安定性が高いとされるのが「インプラントを2本埋入し、それぞれに人工歯を装着する」治療方法です。噛む力をそれぞれのインプラントが分散して支えるため、負担が過度に集中せず、自然な噛み合わせを再現しやすいのが大きな特徴です。
患者様からは「費用が高くなるのでは」と相談を受けることもありますが、長期的に見れば最も予後が良好で、再治療のリスクを抑えられる方法といえます。特に奥歯は噛む力が強く、健康や生活の質に直結する部位であるため、無理に費用を抑えるよりも標準的な方法を選んだ方が安心できる場合が多いのです。
歯科医の立場から見ても、骨や歯ぐきの状態に合わせて2本のインプラントをしっかり埋入することで、治療期間や術後の経過管理が明確になりやすく、トラブルも少なくなります。入れ歯のように違和感が出る心配も少なく、見た目も自然に仕上げやすいため、奥歯を失った多くの患者様にとって第一選択となる治療法です。
インプラント2本+ブリッジで3〜4本を補うケース
奥歯を3〜4本まとめて失った場合には、インプラントを2本埋入し、その上にブリッジを装着する治療方法が選択されることがあります。この方法では、2本のインプラントが人工歯列全体を支える仕組みとなり、欠損が大きい場合でも噛む機能を回復できる点が大きな利点です。入れ歯に比べると安定感があり、違和感も少ないため、患者様からの満足度も高い傾向にあります。
ただし、支えとなる2本のインプラントに大きな負担がかかるため、治療を行う際には歯科医による精密な診断と設計が欠かせません。状態によっては、骨や歯ぐきの強度を高めるための追加処置が必要になることもあり、費用はインプラント2本分にブリッジの人工歯代が加わる形となります。相場としては個別のケースによって異なりますが、インプラント単独よりもやや高めになる場合が多いといえるでしょう。
また、奥歯の噛み合わせは全身の健康に直結するため、単に費用を抑えるだけではなく、将来的な安定性を重視することが大切です。歯を失った本数が多い場合こそ、無理に保険治療で済ませず、長期的な機能回復を目指す選択が望まれます。
禁忌とされるケース
奥歯の欠損を補う方法として、しばしば「インプラント1本と隣接する天然歯1本を利用してブリッジを組む」ことを考える方がいます。しかし、この方法は歯科医療において禁忌とされています。
その理由は、インプラントと天然歯では支えとなる構造がまったく異なるからです。インプラントは骨に直接固定されるため動きがほとんどありませんが、天然歯は歯根膜を介してわずかな弾力性を持っています。この動きの違いが噛み合わせに不均衡を生み、結果的にインプラント側に過大な負担が集中しやすくなります。
その影響で、インプラントの破損や脱落、さらには隣の天然歯の寿命を縮めてしまうリスクも高まります。短期的に費用を抑えられるように見えても、長期的には再治療や新たな欠損につながる恐れがあるため、推奨できない方法なのです。
奥歯の治療は、長期的な安定性を第一に考える必要があります。安全性の観点からも、インプラントと天然歯を直接連結するブリッジは避けるべき治療法といえるでしょう。
奥歯2本インプラントの費用が変動する主な要因
インプラント治療を検討される患者様の多くが「なぜ相場に幅があるのか」という疑問を抱かれます。実際、奥歯の治療は一見同じように見えても、骨や歯ぐきの状態、選ぶ素材、治療を担当する歯科医の方針などによって費用が大きく変わるのです。特に奥歯は噛む力が強いため、安定性を確保するための処置が追加されやすく、その分費用に影響します。
一般的には1本あたり40万〜60万円程度とされていますが、検査や追加処置の有無によって総額は前後します。自由診療のため保険は適用されず、費用が高いと感じる場合も少なくありません。ただし、医療費控除を利用することで負担を軽減できる場合もあり、単純な金額だけでは判断できない理由がここにあります。2025年現在も、多くの患者様が奥歯のインプラントを選ぶのは、長期的な健康へのメリットが大きいからです。
では、具体的にどのような要因が治療費を左右するのでしょうか。次の項目では、インプラント本体や被せ物の種類、追加治療の有無、医院ごとの費用体系の違いといった観点から詳しく紹介していきます。
インプラントの本体・被せ物の種類
インプラント治療の費用を左右する大きな要素の一つが、使用するインプラント本体や被せ物の種類です。本体にはチタン製とジルコニア製があり、それぞれ特徴や強度に違いがあります。チタンは長年使用されてきた実績があり、骨と結合しやすい点が大きな利点です。一方で金属アレルギーを気にされる患者様には、金属を含まないジルコニアインプラントが選ばれる場合もありますが、費用はやや高い傾向にあります。
また、インプラントの上部構造である被せ物も種類によって価格が異なります。セラミックは見た目が自然で前歯にも適しており、ジルコニアは強度が高く奥歯に向いています。金属を使用したクラウンは比較的費用を抑えられますが、審美性では劣る場合があります。患者様の歯の状態や治療目的によって、どの材料が適しているかは異なります。
保険診療の入れ歯やブリッジと比べると、自由診療のインプラントは費用が高いと感じられるかもしれません。しかし、適切な種類を選ぶことで長期的に安定した結果が得られ、将来的な交換や再治療のリスクを抑えられる点で大きな価値があります。最終的には歯科医と相談し、機能性・審美性・費用のバランスを考えた選択が重要です。
追加治療の有無
インプラント治療の費用は、奥歯の骨や歯ぐきの状態によって大きく変わる場合があります。特に奥歯は噛む力が強くかかるため、骨量が不足している患者様も少なくありません。そのような状態では、インプラントを安全に埋入するために骨造成(GBR)やソケットリフトといった追加治療を行う必要があります。これらの処置は費用を押し上げる要因となりますが、長期的に安定して噛み合わせを保つためには欠かせない工程です。
また、静脈内鎮静法によるリラックス下での手術や、CT撮影などの高度な検査を追加する場合にも費用は上乗せされます。前歯よりも奥歯の方が骨や噛み合わせの条件が厳しいことが多いため、追加治療を受ける割合も高くなります。こうした処置を避けると短期的には負担を抑えられますが、治療後の安定性や健康への影響を考えると、必要に応じて行う方が望ましいといえます。
患者様にとって「追加費用がどの程度かかるのか」は不安の大きな要素ですが、事前に歯科医と十分に相談し、自分の口の状態に合った治療計画を立てることで安心感を持つことができます。インプラントの成功には、こうした追加治療の有無を含めたトータルな判断が欠かせません。
医院ごとの費用体系の違い
インプラント治療の費用は、同じ地域の歯科医院でも大きな違いが見られることがあります。その理由のひとつは、費用体系の設定方法が医院によって異なるからです。ある医院では「1本〇〇万円」というパッケージ料金で案内している場合もあれば、他の医院では手術費・インプラント本体・被せ物・検査費用といった内容を項目ごとに分けて計算する場合もあります。どちらが安い、高いと単純に比較することは難しく、それぞれの料金に含まれる範囲を確認することが大切です。
また、保証制度やメンテナンス費用の扱いも歯科医院によって異なります。数年単位の保証が料金に含まれている場合もあれば、別途契約が必要な医院もあります。自由診療であるインプラントは保険が適用されないため、費用に含まれる内容を事前に確認しておかないと「想定外の追加費用」が生じることもあります。
患者様にとっては「安いから安心」「高いから良い治療」という単純な判断ではなく、なぜその金額になるのかという理由を理解することが重要です。特に2025年現在は学会所属の歯科医が在籍するかどうか、使用するインプラントの種類や保証体制など、医院ごとの違いを比較して選ぶ姿勢が求められます。インプラントは長期にわたる治療であるため、信頼できる歯医者を選ぶことが費用以上に大切なポイントといえるでしょう。
ブリッジや部分入れ歯との比較
奥歯を失った場合、インプラント治療以外にもブリッジや部分入れ歯といった方法が検討されます。いずれも保険が適用される場合があり、初期費用を抑えられるのが特徴です。そのため、まずは費用の相場を知りたいと考える患者様にとって身近な選択肢となっています。しかし、治療方法ごとに大きな違いがあり、それぞれの特徴を理解せずに選んでしまうと、後々の違和感や負担につながることもあります。
ブリッジは金属やセラミックを用いて隣接する天然歯を削り、義歯を固定する治療法です。部分入れ歯は取り外しが可能で、装着も比較的短期間で済みます。どちらも短期的には費用が安く見える一方で、長期的な噛む力の回復や残っている歯への影響を考えると、必ずしも優れているとは限りません。
次の項目では、ブリッジとインプラントの比較、部分入れ歯とインプラントの違い、さらに長期的なコストパフォーマンスについて整理し、それぞれの治療の特徴を紹介していきます。
奥歯2本インプラントとブリッジとの費用比較
奥歯を失った場合、インプラントのほかに一般的に選ばれる治療法がブリッジです。ブリッジは両隣の天然の歯を削り、義歯を橋渡しのように装着して支える仕組みです。保険が適用される場合もあり、相場としてはインプラントよりも初期費用を大きく抑えることができます。そのため「できるだけ安く治療をしたい」という患者様に紹介されるケースも少なくありません。
しかし、ブリッジには見過ごせない負担もあります。健康な歯を大きく削る必要があるため、歯の寿命を縮めてしまうリスクがあるのです。また、支えとなる歯に強い力がかかることで、虫歯や歯周病が再発しやすくなる場合もあります。結果として、数年後に再治療やさらに大きな義歯治療が必要となり、長期的に見ると費用や時間の負担が増える可能性があります。
一方、インプラントは周囲の歯を削らずに独立して噛む力を支えられるため、健康な歯を守れる点が大きな違いです。初期の治療費は高いと感じられるかもしれませんが、奥歯の機能を長期的に保つことを考えると、単なる金額の比較だけでは判断できない治療法といえるでしょう。
奥歯2本インプラントと部分入れ歯との費用比較
奥歯を失った場合、部分入れ歯もよく選ばれる治療方法のひとつです。保険が適用される義歯であれば費用を大幅に抑えることができ、治療期間も比較的短いという特徴があります。そのため「できるだけ費用負担を軽くしたい」と考える患者様に紹介されるケースは少なくありません。
しかし、部分入れ歯は取り外し式であり、装着時の違和感や噛む力の低下が問題となる場合があります。特に奥歯に適用する場合には、食事の際にしっかり噛めない、発音に影響が出るなど、生活の質に関わる不便を感じやすいのです。また、バネをかける隣接歯に負担がかかり、健康な歯を傷める原因になることもあります。
インプラントと比較すると、部分入れ歯は短期的には安く済む一方で、長期的な安定性や快適さに欠ける点が否めません。奥歯は噛む力が強くかかるため、部分入れ歯では十分に支えられない場合もあります。費用の差だけでなく、将来的な満足度や生活の質まで見据えて選択することが大切です。
長期的に見たコストパフォーマンス
治療方法を選ぶ際、初期費用の金額だけで判断してしまうと、後に大きな差が生まれることがあります。ブリッジや部分入れ歯は短期間で安く装着できる反面、数年ごとに作り替えや再治療が必要になるケースが多く、結果的に長期的な費用は膨らんでしまう可能性があります。さらに、隣接する歯を削ったり、負担をかけたりすることで健康な歯を失うリスクもあり、追加の治療費や時間的負担につながることも少なくありません。
一方、インプラントは初期費用こそ高めですが、10年・20年と長期にわたり機能を維持できることが期待できます。適切なメンテナンスを行えば、治療後も安定して噛む力を発揮し、生活の質を守ることが可能です。つまり「今の費用」だけでなく「将来にわたるコストと快適さ」を含めて考えれば、インプラントのコストパフォーマンスは決して低くないといえます。
奥歯は全身の健康や日常生活に直結する部位です。そのため、長期的な視点で費用対効果を検討することが、満足度の高い治療結果につながるのです。
奥歯2本をインプラントにするメリット
奥歯を失った場合、入れ歯やブリッジなど複数の治療方法が検討されますが、長期的な安定性や快適さを重視するとインプラントには大きなメリットがあります。特に奥歯は噛む力が強くかかるため、治療方法の選択が日常生活や健康に直結するのです。
インプラントは天然の歯に近い噛み合わせを再現でき、強い力をしっかり支えることができます。また、隣接する歯を削る必要がないため、他の歯への負担を抑えられる点も大きな利点です。費用は保険の効く入れ歯より高い場合がありますが、快適さ・自然さ・長期的な機能維持を考えると、その価値は十分にあるといえるでしょう。患者様にとって「治療を受けて本当に良かった」と実感しやすい治療法です。
次の項目では、奥歯のインプラントによって得られる具体的なメリットとして「全身の健康への貢献」と「隣接歯を守れること」の2点を詳しく解説していきます。
しっかり噛めることで全身の健康に貢献
奥歯を失ったままにしてしまうと、食事の際に十分に噛むことができず、消化や栄養吸収に影響を及ぼす場合があります。特に高齢になると噛む力の低下が全身の健康状態の維持に直結し、体力や生活の質を大きく左右します。そのため、奥歯の欠損を放置せず、しっかり噛める状態を取り戻すことは非常に重要です。
インプラント治療は、天然の歯に近い感覚で噛むことができる点が大きな特徴です。入れ歯のように外れやすかったり噛む力が制限されたりする心配が少なく、硬い食材でも自然に噛めるため、食生活の幅が広がります。結果として、バランスのとれた食事を取りやすくなり、全身の健康維持や向上につながるのです。
また、噛む動作そのものには脳の活性化や認知機能の維持に役立つという研究報告もあります。患者様にとって「しっかり噛める」ということは単なる口腔内の問題にとどまらず、全身の健康を長く支える基盤になるといえるでしょう。
隣接歯を守れる治療法
奥歯を失った場合、治療方法によっては残っている歯に大きな負担をかけてしまうことがあります。たとえばブリッジでは、欠損部を補うために周囲の健康な歯を大きく削り、支えとして利用する必要があります。短期的には費用を抑えられる一方で、削られた歯が虫歯や歯周病になりやすくなり、将来的にさらに失うリスクが高まるのです。
これに対し、インプラント治療は人工歯根を骨に直接埋入するため、隣接する天然歯を削る必要がありません。奥歯が独立して噛む力を支えられるようになるため、周囲の歯に余計な負担を与えず、全体の噛み合わせも自然に維持できます。結果として、他の歯の寿命を延ばし、口腔全体の健康状態を長く保つことにつながります。
患者様にとって「今ある歯を守りながら失った歯を補う」という考え方はとても大切です。インプラントはその点で理にかなった治療法であり、他の選択肢と比較しても大きなメリットを持っています。歯科医と十分に相談し、長期的な視点から最適な方法を理解して選ぶことが、将来的な満足度につながるでしょう。
よくある質問(Q&A)
インプラント治療を検討する患者様からは、費用や期間、支払い方法などについて多くの質問をいただきます。特に奥歯を2本失った場合は、治療費の総額が大きくなるため、他の治療法と比べて本当に選ぶべきかどうか、不安に思われることが少なくありません。
実際には「2本同時に治療すると割安になるのか」「医療費控除は使えるのか」「ローンや分割払いが可能か」といった具体的な相談が多く寄せられます。こうした疑問は、治療に踏み切る前に解消しておきたい重要なポイントであり、安心して治療を受けるための判断材料となります。
次の項目では、患者様から寄せられる代表的な質問に対してQ&A形式で整理し、それぞれの答えを分かりやすく紹介していきます。
2本同時に治療すると割安になる?
奥歯を2本同時にインプラント治療する場合、「まとめて治療すれば費用が安くなるのでは?」と疑問を持たれる方が多くいらっしゃいます。実際のところ、インプラント1本あたりの基本費用が大幅に割引されるケースは多くありません。しかし、手術や検査を一度にまとめて行えるため、結果的に通院回数や手術の準備にかかるコストが抑えられることはあります。
また、同時に治療することで噛み合わせ全体の設計を整えやすく、長期的な安定性が高まるというメリットもあります。費用だけでなく、治療期間の短縮や体への負担軽減といった面も考慮すれば、2本を同時に治療することには一定の利点があるといえるでしょう。
最終的な費用や治療計画は患者様の状態によって異なりますので、担当の歯科医と相談しながら判断することが大切です。
医療費控除は利用できる?
インプラント治療は自由診療であり、健康保険は適用されません。そのため費用が高額になることから「少しでも負担を軽減できないか」と考える患者様は少なくありません。ここで活用できる制度が医療費控除です。
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超える場合に、確定申告を行うことで所得税の一部が還付される仕組みです。インプラント治療の費用はこの対象に含まれるため、条件を満たせば申請することができます。治療費だけでなく、通院のための交通費なども控除の範囲に含まれる場合があるため、領収書や交通費の記録をきちんと保管しておくことが大切です。
ただし、医療費控除はすぐに割引が適用される制度ではなく、確定申告を行うことで後から税金が戻る仕組みです。どの範囲が控除対象になるかは個別の状況によって異なるため、必要に応じて税務署や専門家に相談することをおすすめします。
ローンや分割払いは可能?
インプラント治療は奥歯2本を同時に行う場合、総額が高額になるため「一括払いが難しいのでは」と心配される患者様も少なくありません。そのような場合に利用できるのが、デンタルローンや分割払いの制度です。多くの歯科医院では、患者様の負担を軽減するために数回から最長で数十回までの分割払いに対応しており、毎月の支払いを無理のない範囲に抑えることができます。
また、医療機関と提携した信販会社を通じてローンを利用する方法も一般的です。金利や手数料は契約内容によって異なるため、事前にシミュレーションを行い、自分に合ったプランを選ぶことが大切です。クレジットカードによる分割払いに対応している医院もあるため、支払い方法の選択肢は広がっています。
費用が高いと感じて治療を諦める必要はありません。まずは支払い方法について歯科医院に相談し、無理のない形で治療を受けられる計画を立てることが安心につながります。
まとめ:奥歯2本のインプラントは費用だけでなく将来を見据えて選ぶ
奥歯を2本失った場合のインプラント治療は、費用の相場が80万〜120万円程度と大きな負担になることがあります。しかし、単に金額の違いだけで判断するのではなく、治療方法の選択肢や追加処置の有無、医院ごとの費用体系を理解したうえで比較することが重要です。インプラントは初期費用こそ高く見えるものの、長期的な安定性・自然な噛み合わせ・健康な歯を守れる点で他の治療法より優れたコストパフォーマンスを持っています。
また、奥歯の機能回復は全身の健康や日常生活の質に直結します。しっかり噛めることで栄養摂取や消化機能が改善され、隣接する歯に負担をかけないことで将来の口腔内の健康も守られます。ブリッジや部分入れ歯と比較すると、長期的な満足度の高さがインプラント最大のメリットといえるでしょう。
当院では、患者様一人ひとりの状態を丁寧に検査・診断し、費用や治療期間も含めてわかりやすくご説明いたします。将来を見据えた治療方針を一緒に考えながら、安心して治療を受けていただける体制を整えております。奥歯のインプラントをご検討の方は、どうぞお気軽に無料カウンセリングへご相談ください。
【執筆・監修者】

帝塚山Smile Design Clinic(スマイルデザインクリニック)
院長:岩下太一(歯学博士)
ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト認定医
オステムインプラントインストラクター 講師
日本審美歯科学会 認定医
他、所属学会、認定資格多数
充実した無料カウンセリング

初回費用は一切かかりません。安心してご相談ください。
当院では患者様に安心してインプラント治療を受けて頂くために、無料カウンセリングを充実させております。お口の中のお写真やレントゲン写真、場合によってはインプラントの骨を確認するためのCT撮影も無料で行います。もちろん、初回なので一切費用はかかりません。患者様に今のお口の状態を知って頂き、納得してインプラント治療を受けて頂くことが私たちの喜びです。
ITIインプラントスペシャリスト認定医

~ 世界レベルのインプラント治療をあなたへ ~
帝塚山スマイルデザインクリニックの院長はインプラント治療を他の歯科医師に教えるインストラクターの指導的立場として歯科界に貢献しております。また世界的に有名なインプラント学術団体のITI(International Team for Implantology)の日本支部公認インプラントスペシャリストの認定医でもあります。他院で難しいと言われたインプラント治療でも当院では十分に対応できる技術があります。