治療までの経緯
5年前に治療した歯がグラグラすると来院されました。この歯はもともと歯折線(ひび)が入っており、患者様には長持ちしない可能性があるとお伝えしていた歯でした。なんとか残して欲しいと患者様からの強い要望があり、結果的に5年ほどで、歯折してしまいました。患者様は先生のいうとおりだったねとおっしゃってくださいました。
では、なぜ無理にでもこの歯を残したかというと、この歯の下に埋伏過剰歯が埋まっており、そのままインプラントができなかったのです。それを摘出するには口腔外科にて摘出することになるからでした。今回はインプラント治療を希望されたので、まずは口腔外科にお手紙(対診)を送り、インプラント治療の件も伝え抜歯してもらいました。


臨床例
治療の経緯
口腔外科で埋伏歯を摘出後しCT撮影を行なったところ、埋伏歯を抜くために骨がかなり削除されており、しばらく治癒を待つことになりました。4ヶ月ほどで傷の治りと骨が安定的に治っていく治癒過程が見られたのでインプラント埋入を行いました。


インプラント治療の術式
インプラント手術は抜歯即時埋入を行いました。埋伏歯は抜歯されていますが、今回の歯折した歯を抜き、そのままインプラントを埋入しました。抜歯即時埋入はほとんど痛みがなく抜歯したその日にインプラントが入ります。手術が1回ですみ患者様にも喜んでいただけました。

治療終了までの経緯
インプラントはすぐに生着し2ヶ月で仮歯、そして歯茎の状態を整えた後は最終的なセラミックを作製、セットしました。埋伏過剰歯がなければ3ヶ月かからない治療でしたが、余分に4ヶ月がかかってしまいました。
患者様は余分な歯も抜けて、綺麗にセラミックが入り、インプラントの長持ちが確認できたので非常に喜ばれていました。

ドクターからのアドバイス
審美領域のインプラント治療は奥歯よりも技術と経験が必要です。インプラントの位置、骨の質や量、歯肉の厚みなど、全てを考慮してインプラント手術を行わなければなりません。インプラントを埋入した後も仮歯で歯茎を整え、場合によっては骨造成や歯肉移植術を併用する必要があります。インプラント治療における全ての技術と繊細さが要求されるので、審美領域の治療は経験豊富な歯科医師にお願いすることをお勧めします。
症例の詳細
| 性別 | 男性 |
| 主訴 | 左上の歯が折れてしまった |
| 治療内容 | 左上1本のインプラント治療 |
| 費用 | インプラント:44万(税込)✖️1本 |
| 期間 | 2ヶ月半 |
| リスク・副作用 | 治療後はしっかりとメインテナンスを行わないと歯周病になる可能性がかります。 |
【執筆・監修者】

帝塚山スマイルデザインクリニック 院長
岩下 太一(歯学博士)
15年以上インプラント治療に携わり、デジタル技術を活用した、身体への負担が少ないインプラント治療に取り組んでいます。北海道大学歯学部歯学科を卒業後、大阪大学大学院歯学研究科 博士課程を修了(歯学博士)。2019年に帝塚山スマイルデザインクリニックを開院しました。デジタル歯科学校では講師として、約5,000人の歯科医師・歯科関係者に治療を指導しています。
- ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト 認定医
- インビザライン プラチナプロバイダー認定医
- 日本歯科審美学会 認定医
- 日本アンチエイジング歯科学会 認定医
- オステムインプラント インストラクター
- デジタル歯科学校 講師
所属学会:日本口腔インプラント学会/日本補綴歯科学会/日本接着歯学会/ITI(International Team for Implantology)
本記事は、帝塚山スマイルデザインクリニック 院長・岩下 太一(歯学博士)が執筆・監修しています。記事の内容は学会や論文などの知見と当院での診療経験をもとにしていますが、症状や適切な治療方法には個人差があります。気になる症状がある場合は、自己判断せず歯科医院にご相談ください。







